船橋『いづみ屋』ビル奥に隠れた時間を忘れる酒場。3代目が守る焼鳥店

船橋『いづみ屋』ビル奥に隠れた時間を忘れる酒場。3代目が守る焼鳥店

2021年3月14日

知らなければ素通りしてしまいそう。京成船橋駅前に人気の老舗焼き鳥店が隠れています。創業は昭和30年。焼鳥だけでなく、馬刺しやガツねぎ味噌などの肉料理系お摘みが揃う一軒『いづみ屋』です。

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創業60年以上、ビル内の秘密基地

JR船橋駅と京成船橋駅に挟まれた一帯。人通りが激しい駅前通りに面した飲食店ビルの中に「いづみ屋」はあります。

大手居酒屋チェーンがしのぎを削る中、この一軒だけが老舗の個人系酒場という不思議な立地です。上の写真では、左側中央付近に「いづみ屋」の赤い看板が確認できます。90年代に現在の場所に移転してきたそうです。

ギラギラとした看板をかき分けるように、ビルの奥へと進むと渋い縄のれんが見えてきます。「いづみ屋」はその向こう側。一見敷居が高く感じる店構えですが、実際はそんなことはありません。

いらっしゃい!と店の入口近くの焼台から声をかけられます。

焼台を囲むコの字カウンター10~12席は一人飲みの特等席です。年季の入った飲食店ビルの奥まった場所にあるので、明るい時間でも店内は明るさ抑えめ、夜の酒場のムードに包まれています。ちょっとした秘密基地気分です。

カウンターの先はテーブル席が広がっています。テーブルは20席以上とやや大きめで、4人くらいでちょっとした飲み会に向いています。飲み放題のサービスもあります。

ディスペンサーはなんと2タップが2機も設置されています。片方は酎ハイ専用。ビールは2樽つながっています。酎ハイや生ビールがそれだけでるということでしょう。

ビールサーバーが輝いているので、一杯目は生ビールにしてみます。以前と銘柄は変更され、現在はキリン一番搾りをはじめ、キリン系を提供しています。

それでは樽生一番搾り(653円・税込)で乾杯。

お通し(366円・税込)が筑前煮というのが素敵。鶏皮、モモ、ムネなど様々な部位がごろごろと入る、焼き鳥店らしいお通しです。

品書き

品数が非常に多く、100種類以上。焼鳥を食べるつもりが、あれもこれも気になってしまいます。

お酒のメニュー

瓶ビール(中瓶各518円・以下税別)はキリンラガーをはじめ、アサヒスーパードライ、サッポロ黒ラベルと、3社から選べます。

ホッピーセットあり、ハイボールはホワイトホースをつかった「うまハイボール」(331円)です。酎ハイ類は種類豊富。バカルディのラムハイ(400円)もあります。

日本酒は千葉県山武市、JR成東駅から九十九里浜へ向かう途中に位置する酒蔵「梅一輪」を置いています。

地酒が豊富。ボトル焼酎も揃います。ホッピーをもらって、キンミヤのボトルでシェアして飲むなんていう楽しみ方も可能。

料理のメニュー

料理が多い、実に多い。ポジティブな意味として、「多すぎ」ます。鳥料理を中心に壁の至るところから「美味しいよ」と誘ってきます。

500円前後が中心の料理。串焼きは鶏と豚モツ、両方揃います。馬刺しが人気メニューだそう。

豚モツ(豚ホルモン)の串を食べようかな、と考えていると「特製ホルモン焼」なる品書きがさらに目に入ってきました。

さらに手元にもメニューがありまして。正直、なにか重要な「いま一番食べたいもの」を見逃してしまっているのではないかと思えてきます。

酒場は注文を悩んでいる間が際立って楽しい時間。これもいいんです。メニューだけで生ビール中ジョッキが空になります。

一品はボリュームあり!

バラホルモン味噌焼き(430円)

「もみたれ&つけたれ」の文字が気になり注文。キャベツの上に濃い味の炭火焼きバラ肉がゴロゴロと載っています。見た目どおりの濃厚甘辛タレに白ごまの風味がアクセントです。キャベツの上に豚バラを乗せるというのは九州風の食べ方。

とり天タルタル(480円)

ここは九州で注文を繋げて「とり天」を注文。本場の味と同じで、このテーブルの上だけはまるで九州郷土料理店のよう。鶏も豚も、長年の商売で続く独自のルートで仕入れているのだそう。

焼台に特長あり

九州風といえば、焼鳥の焼き方も九州で多い網の上で焼き上げる方式です。関東は、炭火の上にかけて2つの棒の上に串で橋をかけるように載せて焼き上げますか、こちらは幅が広い焼鳥台で串の持ち手ごと火を通しています。強火でぱりっと焼き上げていきます。

この焼台があるから、ホルモン焼きなど串打ちしていない料理も対応できるのですね。

サッポロ黒ラベルの瓶ビール(518円)

せっかくビールの種類を多く置いているならば、違う銘柄も。

下町ハイボール(352円)

おすすめドリンクで紹介されている下町ハイボールが気になり、どんなお酒か訪ねたら、なんと「元祖ハイボールの素・ホイス」を使用しているとのこと。

甲類焼酎にホイスをあわせた下町ハイボール。この独特な漢方のように感じる味と甘くないのに甘味料のような風味がクセになります。

不思議な空間

飴色で時代が変化していないような空間。時間を忘れてお酒が楽しめます。

かつては会社員が仕事帰りにわいわい飲んでいた雰囲気の店。一人、二人からグループ利用まで用途いろいろの一軒です。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名いづみ屋
住所千葉県船橋市本町4-3-20 モリウチビル1F
営業時間営業時間
平 日 : 16:00〜24:00
土曜日 : 12:00〜24:00
日曜日祝日 : 12:00〜23:00
定休日
年中無休
開業年1955年
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