ニッカウヰスキー 余市蒸溜所で知られる余市町でお昼から飲むならば、創業から半世紀を超えた『みどりや本店』がおすすめです。創業から半世紀以上。積丹半島などで水揚げされた新鮮な魚介類を手頃な価格で楽しませてくれます。お酒の銘柄はご安心を。ウヰスキーは当然ニッカです。
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札幌から日帰りでいけるウイスキーのふるさと「余市」
札幌から余市までは、小樽駅を経由するJR函館本線で約1時間の汽車旅です。残念ながら北海道新幹線が札幌駅に延伸する2030年までには、余市駅を含む函館本線 長万部―小樽間が廃線になることが決定しました。余市へ列車で飲みに行ける日は期限付きとなってしまいました。
余市は、NHKの連続テレビ小説「マッサン」の舞台となり、お酒を飲まない人にも一躍有名になったニッカウヰスキーの余市蒸溜所があることで知られています。札幌から日帰りで飲みに行ける場所にあり、休日はニッカウヰスキー余市蒸留所の見学を楽しむ大勢の観光客で賑わいます。
近代的な駅舎の余市駅。駅中や駅前広場にはニッカの創設者である竹鶴政孝やその妻、スコットランド出身のリタ(ジェシー・ロベルタ・カウン)に関するモニュメントが多数設置されており、町がニッカとともに歩んできたことを感じさせます。
(写真)かつてはメジャーだったものの、現在では世界で唯一となった「石炭直火蒸溜」を行うニッカウヰスキー余市蒸留所。
ニッカウヰスキー余市蒸留所は駅からすぐの場所。蒸留所見学も開催(公式サイト要確認)されています。運が寄れば創業以来受け継がれてきた石炭直火蒸溜の投炭シーンが見られるかもしれません。見学は約1時間で、ウヰスキーの試飲を楽しんで解散というコースです。試飲が呼び水になって、お昼から飲みたくなった方は、余市市内の飲食店街へ!
見学が終わったら、昼から飲める『みどりや本店』へ
駅前に広大な敷地を持つニッカウヰスキー余市蒸留所の北には、黒川の歓楽街があります。居酒屋やスナックなどに混ざり、ウイスキーバーもあるので、機会があれば梯子酒を楽しみたいと思っています。
さて、そんな黒川の歓楽街の入口で50年以上続く海鮮料理の店が『みどりや本店』です。2021年7月にリニューアルが行われましたが、本記事はリニューアル直前に取材したものです。
品書き
※メニュー写真はリニューアル前に撮影したものです。なお文中では、リニューアル後の内容で表記しております。
お酒
樽生ビールはアサヒスーパードライ中ジョッキ:550円。瓶ビールはサッポロクラシック中瓶:660円、ウイスキーはブラックニッカハイボール:380円、スーパーニッカロック・水割り:450円。サワーは樽ハイ倶楽部:380円。日本酒は宝酒造(京都)松竹梅;550円、日本清酒(札幌)千歳鶴辛口:550円。焼酎は珍しいニッカ・ザ・麦焼酎:450円があります。
ランチメニュー
寿司セット(握り寿司7貫 巻きもの1本・椀ものつき):990円、生ちらしセット(生ちらし・椀ものつき):990円。
黒板メニュー
あわび刺身:1,800円、ホッキ刺身:1,000円、ホヤ酢:600円、かき酢:600円、にしん刺身:600円、カキフライ:600円、いか足ザンギ:600円、あわびのうろ天ぷら:600円、サーモンはらす焼:600円など。いかにも北海道という顔ぶれに、なにを注文しようか悩みます。
魚がびっくりするほど美味しい!
乾杯はサッポロビール(660円)で
余市へはウイスキーを楽しみに来たのですが、とはいえ、一口目はビールから行きたい!ニッカと同様、北海道生まれのビール、サッポロ黒ラベル(製造地は恵庭)で乾杯!
ニシン刺身
板前さんの立つカウンターの中央へ通してもらい、きゅっとビールを一口。なにかおつまみで刺身を出してと相談したところ、「このあたりでとれたニシンが絶品ですよ!」とのこと。さっそく切ってもらいました。
北海道はいま、ニシンが再び豊漁と言われています。水揚げ量は10年で4倍になったそうです。たくさんとれるから地元の飲食店にも上物がまわってきて、しかもリーズナブル。魚好きとしては嬉しいことです。
弾力があり、箸で持ち上げてもまだピンとしたまま。食感はザクザクとしており、噛むほどに甘さが広がります。足が早いニシンですが、こんなに新鮮なものはいままで食べたことがありません。
刺身盛り合せ
ニシンですっかり気に入ってしまった私は、もう少しお刺身をお願いすることにしました。今度は、盛り合わせで。
近海でとれる蝦蛄や甘エビなど。これまたどれも鮮度抜群です。
とくにコリッコリのつぶ貝は記憶に残る美味しさでした。
スーパーニッカハイボール
お刺身には日本酒が定石。ですが、ここ余市では地元の人もウイスキーをあわせることが多いのだそう。そこで、少し奮発してスーパーニッカをソーダ割りにしてもらいました。今話題のシングルモルトだけでなく、スーパーニッカも変わらぬ美味しさです。
あわびのうろ天ぷら(600円)
ウイスキーのおつまみには「あわびのうろの天ぷら」が合いますよ、と板前さん。ささっと揚げてきてもらいました。アワビのうろはこのあたりでは定番のお酒のつまみなのだそう。確かにウイスキーのスモーキーな香りと、ウロの苦味とコクは相性抜群です。
なんだかんだで、1時間以上、ここでお昼飲みをしています。実は、列車の本数がそれほど多くないので時間調整も兼ねています。『みどりや本店』はこの界隈では貴重なお昼から飲めるお店で、お昼からゆったり飲むお客さんも歓迎してくれる一軒ですから安心です。
特製の塩辛を頂きながら、ウイスキーをお代わり。すっかりいい具合にほろ酔いになりました。
皆さまも余市を訪れた際は、みどりや本店でお昼酒を楽しまれてみてはいかがでしょう。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | みどりや本店 |
住所 | 北海道余市郡余市町黒川町3丁目54 |
営業時間 | 11:00~15:00 17:00~21:00(木定休) |
開業年 | 1970年頃 |