北海道の空の玄関口、新千歳空港。なんと年間2,000万人が利用しています。この空港に隣接する千歳市は空港城下町として空港関係者の街が形成されています。また航空自衛隊・陸上自衛隊の基地・駐屯地もあり自衛隊が身近な土地でもあります。
繁華街は言わずもが街を写す鏡として規模が大きいです。そんな千歳の飲み屋街を代表する老舗が餃子専門「ひょうたん」です。
千歳駅は空港連絡の快速のほか室蘭と札幌を結ぶ特急すずらんが停車する立派な高架駅。キリンビール北海道千歳工場への送迎バスも発着します。北海道全体はご当地ビール会社のサッポロが優勢ですが千歳市はキリン色が強いです。
繁華街は千歳も例に漏れず駅から離れています。千歳川沿いの清水町、町並みは昭和のままという感じですが、それでも札幌、旭川などを除けば十分栄えているほうです。
「ひょうたん」はそんな清水町の一軒。広がる飲食店街は早い時間に開くお店は少なく、「ひょうたん」はゼロ軒目にも最適。赤い暖簾が目印です。日曜日営業のことも多い。
二階は宴会場、一階がテーブル席と小上がり、カウンターという配置。餃子が看板料理なだけに中華屋の雰囲気かと思いきや明るい雰囲気の居酒屋風。椅子に昔の面影が残ります。
創業は1962年(昭和37年)。千歳・清水町を長年見守ってきたお店です。
「餃子のひょうたん」ですが、中華系だけでなく天ぷらやとんかつなど食堂寄りのバラエティの多さ。さらに宴会では握り寿司もだす”なんでもござれ”の力強さ。
ひょうたんのケチャップ味の焼きそばを愛してやまないという常連さんの会話が聞こえてきました。
お酒は生ビールが一番搾り(生中540円)、瓶ビールでラガー(中びん600円)。ウイスキーはキリンのロングセラー・オークマスター樽薫るで水割り・お湯割りで提供されています。
雪道を歩いてきたのでさすがに一杯目はお湯割りから始めます。手がかじかんで大変。では乾杯。
千歳のソウルフードなんて呼ぶ人もいる人気のひょうたん餃子(380円)。大きく餡もぱんぱん。薄い皮で餡が透けて見えるもしっかりと包まれ、噛むと肉汁がじゅわっとでてきます。焼面はぱりぱり、皮はもちもちの正統派です。
水餃子(440円)は焼き用とはツクリ割れているようで具材のバランスも違いこだわりを感じます。ぷるぷるの皮、ちゅるっと飲み込めばいい余韻。餡の味だけでもいけますが特製の甘タレも捨てがたい。
タレも水と焼きで作り分けをされています。たっぷりつけて頬張って、そこにすかさずお酒をきゅっと。二重窓の向こう側はまた雪が降ってきました。向こうとこちらで真逆の世界。暖かい餃子の焼酎で、ぴんと緊張していた心が安らいでいきます。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
ひょうたん
0123-23-4040
北海道千歳市清水町3-15-16
16:00~23:00(日曜不定休)
予算2,000円