稚内「竹ちゃん」 北の幸を心ゆくまで。地元の人も御用達の老舗。

稚内「竹ちゃん」 北の幸を心ゆくまで。地元の人も御用達の老舗。

2019年6月4日

日本最北の町、稚内。人口は3万5千人ほどですが、この町の存在は大きいです。東京・羽田からANAの直行便があり、夏季を中心に観光客で賑わいます。産業は漁業・農業が盛んなほか、国の機関も集中しています。また、稚内の街の中心に乗り入れているJR宗谷本線の稚内駅は、日本最北の駅として知られています。

そんな稚内の町の飲み屋街は、なかなか良き店が揃っていて、最北の町の美味しい海産物を楽しませてくれます。今年で43年目を迎える「竹ちゃん」もそんな一軒。観光客だけでなく魚介類で舌のこえた地元の方も通う人気の居酒屋です。

店内にはちょっとした市場のような立派な生け簀があり、年間を通じてタラバ、ズワイ、毛ガニ、ホタテなどが元気に動き回っています。

ご主人が腕を振るう板場に面して奥に長いカウンターは、活気があって楽しい雰囲気。落ち着いて飲めるテーブル席もあります。

冷蔵ケースには、地元食材がずらりと出番を待っています。人気店ゆえ、次々提供されていくので撮影時は少しさびしくなっていますが、魚介類が山盛りに並んでいます。

さて、一息ついたらとたんにのどが渇いてきました。まずは生ビールから始めましょうか。昔ながらのたっぷりは入る中ジョッキには、北海道限定、恵庭でつくられたサッポロクラシック。では乾杯!

お通しは北海ダコの吸盤の小鉢。ちびちびつまみながら、どんな料理を頼もうかと検討中。

さて、お酒のメニューからご紹介しましょう。樽生はサッポロクラシック、瓶ビールは中瓶でサッポロ黒ラベル。ハイボール・酎ハイは450円から。

焼酎は北海道らしく礼文島の昆布焼酎(甲乙混合)や旭川の鍛高譚なども取り扱い。

ワインもやっぱり北海道。サッポロワイン・グランポレールで、グラス売り(700円)もあるので、後ほどいただきましょう。一人だしボトルを頼むほど飲めないけれど、でもやっばり北海道の幸には北海道のワインをあわせたいですから。

さて、何からいただきましょう。一番板のご主人が立つ正面の席でしたので、ここは素直にご相談。やっぱり生け簀でみた魅惑の蟹が食べたいけれど、一人ですし、予算も抑え気味で…と話すと、ちょうど甲羅と少々の蟹身があるとのこと。それ、それください。

頭にずーんと響く濃厚なカニ味噌とぷりぷりの身。時価でしたが、このあと、あれもこれもと北端の幸をつまんでもお会計はほどほどで納まりましたので、こちらのお店はとっても良心的。

さて、刺身盛り合わせをいただきましょう。一人前で適当に盛り付けていただきました。通常は1,400円から。内容は盛りだくさんで、すべて地のものです。北海ダコ(みずだこ)水揚げ量が日本一の稚内はタコしゃぶが人気ですが、もちろん刺身でも美味しい北海ダコや、ぷりっぷりのホタテ、特大ボタンエビなど賑やかな彩りです。

ふるさと納税の御礼品にもなっている稚内のボタンエビは鮮度抜群。噛むと「ぶりっ」とするような食感で、爽やかな甘みが口いっぱいに広がります。

こうなると、やはり欲しくなるのは日本酒です。お願いしたお酒は「男山最北航路」。あっさりとした中に込めの甘みが感じられる爽快な味です。

地元産のサーモンにワサビを添えて一口。その余韻に稚内限定酒。ノンベイには最高のひとときです。

さて、少しメニューをご紹介。刺身は単品で600円から。ご主人が新しいもの好きでメニューもしっかり作り込んでいますが、ここに掲載のないものも多々あり、ぜひカウンター席ならご相談してみてください。

真つぶ焼きや本ししゃも、キンキなど焼き物も魅力的です。

宗谷黒牛のステーキがありますが、やはりメインは海産物。北海道の食材の豊富さに改めて驚かされる内容です。

ランチタイムは食堂として営業していて、定食や寿司、海鮮丼なども揃っています。場所柄ドライブやツーリングで訪れる人も多いそうで、食事のみの利用も可能とのこと。

活タラバやアワビも食べたいけれど、予算が心配なので今回は見送りで。

あれもこれも美味しそうと思っていたら、ご主人が「せっかくだから利尻の生ウニを一口食べてみてよ!」と出してくれました。稚内から利尻まではフェリーが結び、国内航路の最北になります。

稚内、礼文、利尻のウニの旬は6月から夏の間です。華やかな汐の香りと濃厚な旨味の余韻が絶品で、ウニのためだけにでも最北の地を訪ねたいほどのものです。

あわせるお酒は、ちょっとおしゃれな気分で北海道ケルナー。青りんごのようなフルーティーな香りと爽やかな酸味とキレのある味は、寿司などの海産料理のぴったり。ドイツ原産のケルナーを余市で育てているそうです。

ご主人との食談義で盛り上がっていると、すっかり閉店のお時間になってしまいました。そろそろ…というときに、まぁまぁゆっくり飲んでいきましょうよとお誘い受けて、このまま閉店後の特別営業へ。ご主人愛飲という純米原酒男山をおすそ分けいただきました。

おつまみにはししゃも。飲むこと、食べることが好きな人ならば、とことんもてなしたいというご主人のお人柄が素敵で、その後、のんびり遅くまでお酒と肴の話で盛り上がりました。

美味しい料理が大好きで、とっても気さくなご主人。どうも楽しい時間をありがとうございます。

「竹ちゃん」はお会計にSuica・PASMOなどの交通系ICカードが利用可能で、なんとびっくり、キャッシュレス決済となりました。

新鮮な海の幸と旅情を盛り上げてくれるご主人やお店の皆さんに心満たされて、とっても幸せな時間でした。また必ず伺います。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

北の味心竹ちゃん
0162-22-7130
北海道稚内市中央2-8-8
17:00~22:00(ランチ営業あり・不定休)
予算3,000円