富良野『鳥せい』地域の人々に愛される炭火焼鳥、富良野ワインでカンパイ

富良野『鳥せい』地域の人々に愛される炭火焼鳥、富良野ワインでカンパイ

2020年12月2日

夏は十勝岳を望むラベンダー畑、冬はスキーで賑わう北海道を代表するリゾート地「富良野」。実は観光だけではなく、食材という点でも非常に魅力的な町です。

富良野はなんといっても、ビールの二大原料である大麦とホップの生産地。麦とホップの両方を生産している地域は、日本では富良野だけ。また、富良野盆地の地形を活かし、主にセイベル種などでつくるふらのワインは全国的に有名です。他にも、玉ねぎは北海道で二番目の生産量(JAふらのより)を誇り、貨物列車に載せられ遠く東京まで運ばれています。

そんな農作物王国「富良野」に来たら、やはり大衆酒場も肉や野菜で一杯楽しみたいものです。今日は富良野駅前で飲むなら大定番の店「鳥せい」をご紹介します。

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富良野はラベンダー、ホップ、そして焼鳥!

札幌からは、JR函館本線、根室本線を乗り継いで2時間ほど。北海道のほぼ中央に位置しています。

人気ドラマ「北の国から」の舞台になったことでも知られています。コロナ禍以前は多くの外国人旅行者で賑わっていました。駅周辺にもホテルは多く、古くからの飲食店街もありますから、旅と酒場が好きな方はぜひこの街で一泊してみては。

ネオン管が光る「鳥せい」。上川郡清水町に本店を構える鳥せいチェーンと同じロゴですが、内容は異なります。家族経営の店で、創業は1989年。

街の静けさが嘘のように、店内は地元の人たちでいっぱい。作業着姿の農業関係者や家族連れの姿が多く、テイクアウトで持ち帰る人たちもひっきりなしにやってきます。

炭火と鳥に向き合う硬派なご主人が立つ焼き台。その向かいのカウンターは次々できていく焼き物を眺める特等席です。

ビールは中生も中瓶もなんと350円!

外は寒くても、酒場の中はぬくぬく。緊張がほぐれると冬でもビールが飲みたくなるものです。創業時から値上げをしていないというビールは、なんと一番搾りの中生で350円、キリンラガーの中びんも驚きの350円。酎ハイ(甲類はアサヒSUN)は500円なので、ビールのほうが圧倒的にお得です。

それではカンパイ!

地元ふらのワイン(400円)、ウイスキーはグレンモーレンジ(500円)、焼酎は蔵の平太(500円)と、飲み物メニューは個性的な顔ぶれが並びます。

品書きはシンプルで、串焼鳥、若どれ唐揚げ、サラダに詰め物、お茶漬けなど。みんながみんな、鳥を食べにやってきます。ですから、焼き場は常にたくさんの串が狼煙を上げています。

野菜サラダ(550円)。一人で食べるならばボリュームたっぷり。

カウンターならば1本単位で注文可能

テーブル席では串は5本単位(800円)ですが、カウンターは1本から注文可能。一人飲みならば間違いなくカウンターを選びたいところ。目の前に平皿とレタスがセットされ、焼けた順にご主人が置いてくれます。鳥、ハツ、ボンボジ…、炭火の香りとバランスの良い塩コショウがお酒を進ませます。

名物は、ねっとりとした餡をまとったぷりっぷりのレバ。大ぶりで頬張るのも大変。鮮度の良さを感じる上品なコクが口いっぱいに広がります。

若鶏の半身を豪快に焼いた「炭火焼き」が人気ですが、一人ではそれひとつで満腹になってしまいます。

ぼんじりではない、ボンボジとは?

ボンボジは、ぼんじりではありません。ひな鳥のカワで地元産玉ねぎをはさみ、ぎゅっと詰めるように串打ちされています。とろみのある甘タレとの相性もよく、いわゆる焼鳥のカワとは印象が全く異なる一品。

このタレ味の焼鳥と相性抜群なのがふらのワインの赤(400円)。ローカルなワインといば、結構割高なイメージがありませんか。これは安・旨で”当たり”、程よい渋みとフレッシュなぶどうの香り。富良野でワインづくりを始めたのは1972年、創業時からずっと富良野市が保有する自治体ワイナリーです。

富良野駅前でどっしり構えた酒場をお探しならばココ

ふらのワインが美味しいので何杯かおかわりましたしたが、やはり気になるのはキリンラガー中瓶が380円。おそらく北海道最安値。また富良野に来た際は、お腹をすかせて唐揚げ片手に適正飲酒の範囲内でたっぷりビールを飲みたいものです。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名鳥せい 富良野
住所北海道富良野市日の出町12-1
営業時間営業時間
12:00~24:00
定休日
不定休
開業年1989年