函館「函館ビヤホール」 休日は函館にビールを飲みに行こう!

函館「函館ビヤホール」 休日は函館にビールを飲みに行こう!

道南の中心都市、函館。早くから開発と近代化が進められてきたこの街は、20世紀初頭の面影を残した西洋テイストのある町並みが多くの人々を魅了しています。函館市の人口は26万人ですが、観光客は年間500万人が訪れる日本を代表する観光都市です。

明治のはじめ、海外から持ち持ち込まれた近代的な文化・産業がこの街を活気づけます。その中にはビール関連事業もあり、明治31年(~明治37年)、函館に北海道初となるビヤホール「函館ビヤホール」が誕生します。

そんな明治の函館ビヤホールの流れを汲む二代目「函館ビヤホール」は、1988年(昭和63年)にオープン。ベイエリアの金森赤レンガ倉庫群の中で今日も美味しいビールが楽しめます。

 

函館の中心市街は、市電と徒歩で気軽に巡れるコンパクトな街。金森赤レンガ倉庫はJR函館駅や観光客で賑わう朝市、元町エリアからも徒歩圏内。函館山ロープウェイの山麓駅からも坂をくだってすぐ。

 

午前中の散策を楽しんでのどが渇いたら、さぁビヤホールへ。明治期に建てられた重厚な赤レンガ倉庫を改装したビヤホールで、銀座のビヤホールにも負けず劣らずわくわくさせられる雰囲気です。

ビヤホールとしては珍しいカウンター席もあり、一人旅を楽しむビール好きの皆さんの姿がありました。

 

ビールは、恵庭のビール工場からの直送。注ぎ方は伝統の一度注ぎで、タップハンドルを手前に引く一般的なものに混ざって、流速が早く扱いが難しいと言われる昭和中頃まで主流だった「スウィングカラン」も使われています。

 

スウィングカランで注ぐと泡はフカフカ。クリーミーとはまた違った味わいです。では、乾杯!

 

明治・開拓使時代の味を再現したピルスナータイプの函館開拓使ビール(695円~)や、エールタイプの函館赤レンガビール(680円~)、もちろん北海道限定のサッポロクラシック(560円~)も楽しめます。

 

おつまみはビヤホールの定番揃い。銀座のビヤホールでもお馴染み・にしんのマリネ(700円)や、北海道産の食材を使った料理が豊富に揃います。函館の定番函館カール・レイモンのソーセージはここで食べられます。

 

にしんのマリネは自家製。フレッシュでしっとりしていて、ビールとの相性が抜群にいいです。ドイツのビヤホールでもポピュラーなにしんですが、ここ函館もにしんの産地です。ビールとにしんの不思議な共通点ですね。

 

オーストリア・ハンガリー帝国生まれの食肉職人・カール・ワイデル・レイモンがアメリカからの帰り、函館に寄った際に日本人女性を恋をして、1924年、函館ではじめてのハム・ソーセージづくりが始まりました。(参考:函館市文化・スポーツ振興財団)

港町らしいエピソードです。そうして続いたソーセージがこちら。チェコ・ドイツ由来の製法でつくるビールと、間違いのない組み合わせです。

 

ロングセラーの人気料理、手作りカニクリームコロッケ(890円)。身がたっぷりつまったコロッケを主張控えめのトマトソースで軽く引き締めています。

 

全国チェーンのビヤホール系列ではありませんが、ここにもブーツグラスがあります。港の日差しを浴びた後に飲むブーツグラスもまた格別です。

観光客が集まるエリアですが、地元の皆さんもビールを飲みに来る地元密着のビヤホール。今度の連休は、函館で乾杯しませんか。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

函館ビヤホール
0138-27-1010
北海道函館市末広町14-12 函館ヒストリ-プラザ内
11:30~22:00(土日祝は11:00~・基本無休)
予算2,000円