男鹿『居酒屋 秀』超豪華!縞海老、牡丹海老、甘エビの舟盛りに感動

男鹿『居酒屋 秀』超豪華!縞海老、牡丹海老、甘エビの舟盛りに感動

2022年5月10日

男鹿駅前にある『居酒屋秀』は、地元で38年続く地元に愛される居酒屋です。とんかつからラーメンまでなんでもありますが、絶品は港町・男鹿ならではの鮮度がよいお刺身です。名物は平目漬丼ですが、今回は海老づくしの刺盛りをご紹介します。男鹿に誕生した酒蔵のどぶろくとあわせて頂きました。

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秋田からJR男鹿線で約50分、石油と漁業の港町「男鹿」へ行こう

秋田県西部、日本海に突き出した男鹿半島の街・男鹿市。天然の良港と言われ、北前船の風待ち港として栄えてきた歴史を持ちます。また、日本国内では珍しい石油が産出される地域で、秋田国家石油備蓄基地が設置される工業地帯でもあります。

文化面でみれば、秋田のPRに必ず登場するナマハゲが、実はここ、男鹿発祥の年中行事であることも忘れてはいけません。

そんな歴史・文化・経済がある男鹿を訪ねるために、秋田駅からJR男鹿線へ直通する蓄電池電車に乗りました。

男鹿までは約50分の列車旅です。どの路線とも接続しない半島をなぞる路線ですが、そこそこ利用者がいます。車窓から日本海が見えそうで見えないのが残念でしたが、赤と青のナマハゲツートンカラーの新型車両は軽快に男鹿駅へと連れて行ってくれました。

男鹿駅は近年、街の再整備の一貫で駅舎が新しく建て替えられ、観光案内所を兼ねた立派な建物になっています。

駅から5分も歩けば、日本海です。大きく内陸側に弧を描いたような海岸線は、なるほど、確かに天然の良港と言われる理由がわかります。男鹿の中心街は、ここに位置する船川港とともに栄えてきました。同港は石油備蓄基地を備えた工業港として1万5千トン級の岸壁も備えているほか、底引き網漁・定置網漁などの漁船が入港する漁港でもあります。

港町で35年、地元の人の胃袋も支える居酒屋「秀」

外観

男鹿駅前は観光施設「道の駅おが」があり、施設内にはレストランも営業していますが、当サイトとしてはやはり長く地元に愛されてきた個人店をご紹介したいので、駅前の中心街、船川港・船川信号近くを歩きます。

向かったお店は、「居酒屋秀」。駅に近くてお昼も営業しています。男鹿線で観光に来た人には、昼食を兼ねた乾杯場所としてオススメしたいです。夜は近隣の人々が集まる地元で定番の居酒屋となっています。

内観

以前は現在の場所より山間部側にあったそうで、現在の店舗は2018年に建てられたものです。38年前に創業しました。笑顔が素敵な物腰の柔らかな大将が中心となって、地元の明るい性格の皆さんで楽しく切り盛りされています。

お昼は近隣で働く人の食堂も兼ねているような店ですが、冷蔵庫にはご覧の通り、こだわりの地酒がずらりと並んでいます。入手が難しそうなお酒も当たり前のようにあり、値段は希少銘柄でもグラス500円からとお手頃価格です。

品書き

お酒

樽生はサッポロ生ビール黒ラベル:600円、瓶ビール:700円。日本酒は基本的に800円均一。ハイボールサワー類:各500円。

日本酒利き酒おまかせ3種飲み比べセット(合計約1合)は秋田県限定:990円、県外限定:660円。

日替わり・オススメ

毎日書き換わるメニューは、日替わりが、刺身とスタミナ炒め定食:1,000円、刺身とトンカツ定食:1,000円。

オススメ(こちらも日々変わります)は、平目漬丼:1,200円、ダダミ天ぷら:900円、海老づくし刺身定食:2,200円、三色丼(平目、真鯛、ヤリイカなど)、生カキフセイとエビフライ定食:1,300円。ジャンボチキンカツ定食:900円、さばみそ煮定食:800円など。

定番メニュー

刺身・天ぷら定食:2,200円、刺身定食:2,000円、刺身盛合せ単品:1,800円、かつ丼::800円など。参考程度に、珍しいしょっつるラーメン:900円というのもありました。

これほどの刺身を食べさせてくれるなんて!

乾杯はサッポロ生ビール黒ラベル(600円)

いらっしゃい!お一人ですか?と、笑顔で迎えてくれて、カウンター席へ。中心街とはいえお世辞にも人通りが多いとはいえない男鹿ですが、店内は満卓に近い賑わいではありませんか。スーツ姿、作業着姿、ご近所の奥様グループなどがお客さんです。平日だからでしょうか、お酒を飲んでいる方がほかにいないので、ちょっぴり恐縮しながら生ビールを注文しました。

運ばれてきたビールは、状態が極めて良好なサッポロ生ビール黒ラベルです。キンキンに冷えたストレートジョッキも嬉しい!それでは乾杯。

海老づくし刺身単品(約1,800円)

みんなラーメンやかつ丼なのかな、と先客をなんとなく見てみると、どうやら刺身や海鮮丼を食べている方のほうが多いようです。漁師町だと、なかなか外食で魚を食べないと聞きますが、ここはどうやら違うようです。

そうして、期待しながら注文したものが海老づくし刺身の単品です。奥から舟盛りがでてきたときは、後ろの座敷のグループ客向けかと思ったのですが、これがそのまま私の手元に運ばれてきました。

どうですか、この豪華な内容。海老づくしは、高級魚介類でお馴染みのボタン海老縞海老、そしてホッコクエビ(甘エビ)です。加えて、ヒラメまぐろ大トロまぐろ赤身イカカツオホタテという贅沢な顔ぶれです。

どの刺身も鮮度抜群で、お昼飲みのおつまみにするにはもったいないくらいの質の高さなのです。内容は季節や水揚げ次第でかわりますが、これは少し奮発しても食べる価値のある逸品でした。

とくにこの牡丹海老が素晴らしいです。弾力のあるぷるっとした食感が心地よく、甘味は甘エビよりもさらに濃厚です。みそのコク深さはビールはもちろん、日本酒か欲しくなります。

稲とアガベ 改良信交 どぶろく活性02 R3BY

もともと酒蔵がなかった男鹿で、2021年5月から旧JR男鹿駅舎を転用し新たな酒造りがはじまっています。酒蔵の名前は、「稲とアガベ」。近年、注目されつつある「クラフトサケ」の酒蔵です。同社が発売したどぶろくが、ここ『居酒屋秀』でも飲めると聞いて、さっそくお願いしました。

秋田県産の酒米”改良信交”を100%使用した、弱火入れの微発泡どぶろくです。米の旨味が強く、どぶろくといっても甘さは軽め。刺身とあわせても楽しい一杯です。

男鹿駅近くで、人気の魚介料理と地酒を揃える居酒屋です。漁師町の鮮度の良い刺身を堪能しました。地元で期待されている新興の酒蔵のお酒も、ここで飲むことが出来ます。平目漬丼も名物とのことで、また訪ねたい一軒です。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名居酒屋 秀
住所秋田県男鹿市船川港船川字栄町95
営業時間11:00~14:00 17:00~22:00(不定休・遠方から訪ねる場合は予約を)
開業年1984年頃