浅草橋『大勝軒』問屋街で75年!御小皿料理と300円酎ハイは飲兵衛向き

浅草橋『大勝軒』問屋街で75年!御小皿料理と300円酎ハイは飲兵衛向き

2022年2月7日

創業は戦後直後の昭和21年。全国にある家族経営の大衆中華は、戦後に産声を上げた店が多く、ここ浅草橋『大勝軒』もそのひとつ。実は酒場好きにとっても魅力的な一軒。320円均一の炒めもの揚げ物、立ち飲み価格の酎ハイは、飲みたい人にぴったりです。

スポンサーリンク

家族3代、街の味

浅草橋駅から徒歩5分ほど。鳥越神社にほど近い住宅街に建つレトロなビル。飲食店らしいちょっぴり凝った意匠ながら、昭和中期の雰囲気をそのままにした4階建てのビルが『大勝軒』です。家族経営の大衆中華、いわゆる「町中華」ですが、場所柄か一段と趣がある店構えです。

外観

飲食店が75年続くということは、あらためてすごいことだと思います。戦後すぐ、まだ焼け野原だった東京・台東区で店を開き、人形や雑貨、装飾の問屋街として成長する浅草橋の街とともに歩んできたお店です。

内観

店を切り盛りするのは2代目と3代目ご家族。3世代で夕食を食べに来る家族連れや、ベテラン上司に連れられ食べに来る若手会社員など、訪れるお客さんも世代はさまざま。長年街の人の胃袋を掴んできた店は強い!大勝軒はまさにそういう一軒です。

向かいの母娘で食べに来ているお客さんは、お子さんが炒飯、お母さんはウーロンハイを飲みながら女将さんと井戸端会議に花が咲いています。

私は頭上のテレビから聞こえる情報番組の音声を聞き流しながら、ほっとひといき。

乾杯は瓶の「キリンラガー」で

ビールは好物ですので、普段は大瓶が嬉しいです。ですが、大衆中華だと中瓶のほうがしっくりくるように思え、一種のアイコン的にすら思えます。情緒的なものですが、中華は中瓶が好き。それでは乾杯!

品書き

特長は炒め物や揚げ物など一般的な中華料理が小皿サイズで注文できること。全体的にひとまわりリーズナブルなので、つい一品多めに頼みたくなります。

お酒

樽生ビールはありません。瓶ビール中瓶(アサヒスーパードライキリンラガー):530円、日本酒:500円、紹興酒:500円。

酎ハイはレモンハイ:300円、ウーロンハイ:300円、緑茶ハイ:300円、梅干ハイ:350円、ハイボール:350円。

御小皿料理

御小皿っていう表現が可愛い。320円均一で、ニラレバ炒めしょうが焼野菜炒め肉玉メンマ、揚ワンタン焼き豚半玉子チャーハンなど。

定番料理

本格的な料理も充実しています。かに玉:1,550円が最も高級品。海老うま煮:1,500円、鶏唐揚10個:1,150円などは数人でつまむ大皿料理です。点心類はとても良心的な価格で、シュウマイ5個:550円、春巻3個:540円、ギョーザ5個:450円など。

麺飯類の人気はしいたけそば:780円だそう。ご隠居さん風の身なりの良い大先輩が食べていたのは海老そば:900円。常連さんが〆に食べていた五目焼きそば(軟):980円。錦糸卵とチャーシューが盛られていて非常に美味しそうでした。

居酒屋の小鉢感覚で中華飲み

ニラレバ炒め(320円)

小皿といっても、自宅でつくるならば一人前はこれくらいでしょう、というボリューム。もやし、ニラと形状をあわせた細切りのレバーがたっぷりと入ります。レバーの比率に実直さを感じ、その懐かしい中華屋さんの味にほっとします。

レモンサワー(300円)

甲類焼酎に割材を加えるタイプのレモンサワーです。割材の確認はしていませんが、甘さ控えめ酸味はしっかり。東京でおなじみのレモンサワーの味です。驚いたのは、その焼酎の濃さ。下町はパワフルです。

ギョーザ(450円)

ニラレバが小皿なので餃子も気軽に頼めます。

皮は厚めでもちっとした食感。中に閉じ込めれていた野菜と肉の汁がじゅわっとでてきてました。

半玉子チャーハン(320円)

普段、ラーメンを頼まずに半チャーハンを注文するのは躊躇します。ですが、こちらは御小皿シリーズの〆に軽く炒飯というのも快諾してくれます。中華鍋を振るう音がリズミカルに食欲アップ。

旨味たっぷりでシンプルな玉子チャーハンは、味のメリハリがありビールや酎ハイのおつまみとしてもピッタリ。パラパラなご飯を少しずつ救っては、ビールをぐっと。

手頃な価格で正統派の美味しさ。午後3時(土曜日は14:30まで)まで営業しているので、遅めのお昼ごはんを兼ねたお昼酒にもちょうどよい一軒です。

あったかい雰囲気に癒やされて、ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名大勝軒
住所東京都台東区浅草橋2-28-10
営業時間11:00~15:00・17:00~20:30(土は14:30・19:30まで・日祝定休)
開業年1946年