こんにちは。
恵比寿といえば高級住宅街として知られていますね。
よくお散歩をしていますが、とても住みやすそうな街に思います。
明治時代には田畑が広がるなにもない場所だったのがまるで嘘のよう。
この街が発展するきっかけになったのは、この地に日本麦酒がビール工場を作ったのがキッカケ。
「ヱビス」という銘柄のビールを出荷するために国鉄山手線が貨物駅を設置し、これを「恵比寿」と名づけました。国有鉄道が民間企業の商品名を駅名にするなんて異例のことではないでしょうか。その後、旅客化もされて、渋谷から近いということもあり街は勢いを持って発展しました。地名の「恵比寿」ももちろん、ヱビスビールからついたもの。いまはその工場跡地に旧日本麦酒・現サッポロビールの本社が建っています。
そんな麦酒の街にある風格漂う大衆酒場といったら気になりますよね。
西口から徒歩1分。とても駅チカの立地で、なんと朝8時からやっている焼きとん屋「たつや」は昭和51年創業。
便利だしもつ焼も美味しく私も頻繁に利用しています。
いらっしゃい!まいどっ。
お飲み物はー?
ホッピーで乾杯です。
ビールはもちろん土地柄サッポロなのですが、ここはホッピーも美味しいです。焼酎(キンミヤ)・グラス・ホッピーをすべて冷やした3冷ホッピーで氷なしが基本。お店の方が作って出してくれます。このスタイルがとっても魅力的。氷があるとないとでは大違い。ホッピービバレッジさんが公式で取り上げることもある推奨店です。
もつ焼はカウンターの目の前でもくもくと焼かれています。うーん、いい香り。今日はなにからいきましょうか。
壁には電光表示型の「売り切れ/販売中」がわかる不思議な装置があって、それを見ると今日の串の状況がわかります。画期的だけど、電球をつけたり消したりしてコントロールしているようで暖かみを感じます。
5本で800円のお得な盛り合わせから。ハツ、タン、カシラなどを塩で。お肉一個一個が大きくて口いっぱいに。ご年配の常連さんも、若い女性もみんなダイナミックにぱくっと。
豚のねっとりとした旨味。それをホッピーと合わせてすっきり味わいます。
黒ホッピーは恵比寿の「たつや」が発祥の地。
白ホッピーにギネスを混ぜて作っていたお店独自の「黒ホッピー」を知ったホッピービバレッジさんが、その味に近づけるべく開発したのが現在の黒ホッピーなんです。(社長談)
当時、ギネスビールはサッポロビールが国内での製造販売を行っていました。(現在はキリンビール)
サッポロの本社お膝元であってホッピーが名物だったからこそ出来た、黒ホッピーも恵比寿という街が産んだ飲み物です。
つくねはコリコリ、ピーマンはシャキシャキ。
ちょっとだけ他のもつ焼屋さんと比較すると割高に感じますが食べてみれば納得できるはず。大きいし、味付けもいいし、駅チカというのも嬉しい。
塩の串で始めて一杯目はサッポロ黒ラベルを、タレの串にしたらホッピーを飲むのがいつものパターン。お洒落な街にも、しっかりとこういう酒場があるのは東京の持つ「多様性」を強く感じられます。
いろんなものがぎゅっと集まった街「恵比寿」。お洒落なビストロも良いですが大衆酒場でホッピーもぜひ。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見なゆ)
たつや 駅前店(1F)
03-3710-7375
東京都渋谷区恵比寿南1-8-16 STM恵比寿ビル 1F
8:00~翌5:00(日祝~22:00・年末年始除く無休)
予算2.000円
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