鶴見「大鶴見食堂」昼飲み対応、一人でもグループでも,地酒も酎ハイも

鶴見の「大鶴見食堂」は、土日は14時から営業、かつカウンターを中心とした配置で、一人飲み・昼飲みニーズに応えてくれる一軒。昭和の食堂や酒場の定番メニューと種類豊富な地酒や割材を揃えた酎ハイが楽しめます。

ネオ大衆も8年経てば味がでる

運営は蒲田や浦安、仙台など9軒を展開する大衆酒場 BEETLEで知られる株式会社 プロダクトオブタイム。同社は串カツチェーンなどのフランチャイジーで、大鶴見食堂は同じ場所にあったFC業態の契約解消後に開発された独自業態として2013年に開業しました。

いまでは酒場好きの間では知られた存在の「大衆酒場 BEETLE」は、2015年に1号店が蒲田に開業しましたが、大鶴見食堂はそれより前で、「大衆酒場 BEETLE」のパイロット版的な存在です。

店名は食堂ですが、業態的には紛れもなくネオ大衆酒場です。

マンションの地階という、日中ならば意識していないと酒場があることに気が付かなさそうな立地です。目印は階段横に置かれた「お値段以上の大衆食堂」という立て看板。

階段を降りていくと、なにやら不思議な雰囲気の大提灯がみえてきます。雰囲気的は、観光ホテルの離れにある夕食会場へ向かう廊下のよう。

外観からは想像できないくらい、広く開放的な店内。学校の教室よりも一回り大きいくらい。

中央にアイコン的に煮込み用の鍋を配置したコの字カウンター。それを囲むようにテーブル席が配置されています。早い時間は地元のベテランさんが一人お昼酒を楽しみ、夜は周辺企業やママ友風のグループで席が埋まりはじめます。

お店の使い込んできた感や、お店に通う常連さんの姿をみるに、ネオ大衆の走りだった同店は、いまはすっかりネオが取れ、街に根付いた大衆酒場のように思えます。

生ビール大が本当に大きい店がいい

大衆酒場を名乗るなら、中ジョッキも大ジョッキも大きさに期待したい。どーんと大きな生大（サッポロ生ビール黒ラベル850円）はテンションがあがります。それでは乾杯！

品書き

飲み物

ビールは大手3社選べるのこだわりがある人も安心。樽生はサッポロ黒ラベル、瓶ビールは大瓶（640円）で3社。アサヒはスーパードライ、キリンは熱処理ビールのキリンクラシックラガーと一番搾り、サッポロは、瓶でも黒ラベルがあるほか、赤星の愛称で親しまれるサッポロラガーもあります。

酎ハイ類の大多数は焼酎と割材を別々に注文する独特なスタイルです。この飲み方で一般的なホッピーのほか、タンサン（花月）やバイス（コダマ）、男梅など。

日本酒が均一価格で約20種類

ネオ大衆といえば酎ハイ類が豊富で日本酒は定番酒が2～3品というイメージがあるかもしれません。大鶴見食堂はご覧の通り、会津末廣山廃純米や花の舞純米吟醸など全国のお酒が20種類ほど。地酒は税込み490円均一というのも、金額ではなく産地や銘柄で選べるので歓迎されるように思います。

料理

カウンターに埋め込まれた大鍋でつくる煮込みをはじめ、おひたし（400円）、ハムエッグ（300円）、さば塩焼き（390円）など、レトロな食堂のような顔ぶれです。

串物や通年で用意されているおでんなど。定食もわずかながら用意されていて、定食と一杯のビールなんて利用も可能です。

のんべえ好みの肴と地酒に舌鼓

なめろう（400円）

お酒を進ませる、いわしのなめろう。

刺身三点盛り（540円）

まぐろ、いわし、タコの3点。ちびりと摘むのには丁度いい内容です。

千曲錦寒仕込み純米（490円）

お酒は一升瓶を目の前までもってきて注いでくれます。千曲錦（ちくまにしき）は、北陸新幹線の佐久平駅近くにある300年以上続く酒蔵のお酒。すっきりとした素直な美味しさ。

日南鶏の鶏わさ（380円）

メニューに小さな赤印でおすすめが書かれていたので、そこから鶏わさを。甘い九州風の味付けです。

花の舞純米吟醸・あたごのまつ

国産大手ビールが揃い、酎ハイも豊富。ネオ大衆というくくりの店なのですが、こうして地酒をいろいろ飲み比べていると、日本酒専門店に来たような気分になってきます。

お客さんの使い方次第でお店のイメージが変わります。専門店的な強い提案型ではなく「お好きにどうぞ」というスタンスが魅力です。チェーン型の飲食企業ですが、店はそれをあまり感じさせません。

お一人でも、グループでも。お昼飲みでも、終電までの宴会飲みでも。落ち着いたら、鶴見のはしご酒の1軒として立ち寄られてみてはいかがでしょう。

ごちそうさま。

（取材・文・撮影／塩見 なゆ）