亀有の人気やきとん店「よし田」をご紹介します。野方の名店で修行ののち、2017年、亀有駅南口に広がる「ゆうろーど仲町商店街」にご夫婦で出店。L字カウンター、炭火焼き。看板料理のみそダレ焼きを肴に、キンミヤベースの強炭酸ボールを楽しみます。
目次
秋元屋の流れ、都内東端はここ
東京・中野区の野方駅前にある2004年創業の秋元屋は、城西エリアを代表するやきとん酒場のひとつと呼ばれるほど評判です。そこで修行された方は、秋元屋の暖簾ではなく各自が異なる名前で独立し、あわせると30軒以上存在します。秋元屋から数えて孫にあたる店舗もあり、現在も増加中。「秋元屋系」と呼ばれるひとつのもつ焼きのジャンルになるまでになりました。
都内で最も東にあるお店が、今日ご紹介する「よし田」です。2017年の開業以来、本家に負けないくらいの美味しさ、希少部位の豊富さなどで評価が高く、連日満席に近い賑わいでした。
店はコンパクトで、焼台を角に配置した十数席ほどの丸椅子を並べたカウンター席と、二階のテーブル席という配置。お店の方との距離が近く、焼台を正面にみる角の席は、ライブ感いっぱいの特等席です。
システムは、席料が100円。2名までは1本単位、3名以上では1種3本単位での注文が必要です。
ビールはサッポロ、チューハイはキンミヤ
それでは樽生のサッポロ黒ラベル生ビール(530円)ではじめます。ジョッキは冷凍庫でキンキンに冷やたものを使用。それでは乾杯!
品書き
樽生は黒ラベル、瓶ビールはサッポロラガー(中びん550円)。お店のオシのひとつは、キンミヤ焼酎ベースの梅エキス割りや、豊富なチューハイ類です。下町酎ハイや元祖ハイボールの呼び名でおなじみ、甲類ベースの色付き・氷なしの酎ハイ「特製ハイボール」(350円)もあります。
キンミヤを凍らせシャーベット状にした「シャリキン」を選択可能。割材はコダマのバイス(セット400円)やホッピービバレッジのホッピー(セット400円)だけでなく、珍しく花月炭酸のレモン味(レモンサワー400円)を置いていました。
日本酒は種類は多くないものの、大雪の蔵(1合320円)など、こだわりを感じる顔ぶれです。定番メニューの記載以外でもご主人おすすめの一升瓶日本酒が多数用意されています。
ホワイトボードの日替わりメニューの多さに驚きます。ブレイン刺し(600円)や、皿ナンコツ(250円)など、挑戦的な料理も多数。
定番の串の種類の多さにも驚かされます。
・かしら、かしらあぶら、たん、たんした、はつ、はらみ、れば、はつもと、ちれ、あぶら、しろ、てっぽう、がつ、こぶくろ、リンゲル(各1本120円)
・バラ、おっぱい、きんつる(各1本150円)、ねくたい、のどぶえ(各1本180円)、他多数。
さらに、鳥串も焼鳥店並に種類が多く、ねぎま、そで、あかひも、鳥はつ、白れば、月見つくね(1本150円~)などなど。
低温調理の冷製もつ刺各種(ハラミ、タン、レバ、他)など、サイドメニューは30品以上。あれもこれも食べたくなります。秋元屋の系統に限らず、美味しいものを集めたような内容です。
やきとんもサイドも、ぴしっとしている
マカロニサラダとせんまい刺し
何を頼んでも美味しい。そんな言い方はさんざん使ってきましたが、「よし田」もそれがストレートな感想なのですから、仕方がありません。細切りのハムと黒胡椒を効かせた硬めのマカロニサラダも、クサミがなく甘さと旨さが主張するセンマイ刺しも、期待以上のもの。
そうしているうちに、目の前では注文した串の準備が始まっています。塩、タレ、みそタレ、指定しなければ部位ごとにおまかせで味付けされます。
狼煙のようにけむりがでますが、換気扇がしっかり吸っているのでそれほど気になりません。ただ、匂いはつくので服装や飲んだあとの予定にはご注意を。
みそタレ焼き・かしら
待っていました!これが食べたくなるのです。みそタレのかしら(120円)。かしらは鮮度がよくて噛むと肉汁が弾けるような状態で、これはタレや塩も良さそうですが、なにはともあれ、秋元屋の系譜に来たら、コクの旨味が効いたタレを楽しみたいです。
おこげをはさみでカットするのがこだわり。
タン・塩
丁寧な串打ち、厚切りなのに噛みづらくなく、口の中いっぱいに汁が広がります。値段と比較し、クオリティは非常に高く思います。
しろタレ
少し脂を残し、カリカリにせず柔らかく仕上げて、コクが深いタレをしっかり効かせたタイプ。ふわとろ系のしろが好きな人にはたまらない味です。
もつカレーバケット付(420円)
スパイシーさは抑え気味ながら、モツがごろごろと入り超濃厚。バケットは焼台でやきとんと並んで軽く焼いてパリパリにしています。特製ハイボールとの相性がよく、軽く〆気分のおつまみと思って注文しても、ついもう一杯飲みたく感じさせる逸品です。
ごちそうさま
滞在は1時間も必要なく、ささっと好きなものを摘んで次の方に席をゆずるくらいが丁度いい。それでも満足度は非常に高いです。
亀有の新進気鋭のやきとん店、老舗の名店多きこの町で人気の理由がよくわかります。
近くの酒場
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | やきとん よし田 |
住所 | 東京都葛飾区亀有3-30-13 |
営業時間 | 営業時間 〔火~金〕 17:00~23:00 〔土・日・祝〕 15:00~23:00 日曜営業 定休日 月曜日 |
開業年 | 2017年 |
公式サイト |