生野で40年以上続く老舗韓国料理店「きよし」。最寄り駅からは1キロメートル以上離れた住宅街にありながら、予約なしでは満員で入れないこともある、地域密着の店です。
目次
済州島料理の店
外観
韓国・済州島(チェジュ)出身の女将さんが開いた、済州島家庭料理を看板に掲げる食堂です。食堂といっても、ほぼ全員がビールやソジュ(韓国焼酎)を飲んでいる、大衆酒場のような店。
生野は至るところに焼肉店や韓国料理店があります。そんな激戦区にありながら、連日賑わいをみせる一軒です。
店内
一般家庭のダイニングテーブル風のテーブル席と、調理場に向いたカウンター席、奥は座敷というつくり。テーブルでは近所のご家族がみんなで食卓を囲み、カウンターでは飲み慣れた感じの黒帯ノンベエさんがチャミスルを空けています。
済州島といえば、アワビや牡蠣に代表される海産物を使った料理が知られています。店内にはそれら海鮮食材をいれた生簀も置かれています。
品書き
ビールはアサヒスーパードライとキリンラガーが用意されています。酎ハイ類は300円台とリーズナブル。韓国焼酎はハンラサンとチャミスルの2種類。
料理のおすすめ
献立は、ホワイトボードのオススメをチェック。
カキ玉子焼き、あまだい、ナマコに、タチウオ煮付けなど、海鮮料理が多いのが特長です。韓国料理店といっても一般的には焼肉をメインにしていることが多いですから、こうした魚介や家庭料理が揃うお店のほうが、筆者には珍しく思えます。
アカエイ刺しのピリ辛漬け「カオリフェ」など、調べないと料理が想像できないものがある――、実に楽しいです。
チェリフェ(小鯛刺しの唐辛子タレ和え)や生ナッチ(活テナガダコ刺し)などの見慣れない料理の数々にテンションが上がります。知らない料理に出会う、それもひとつの酒場めぐりの楽しみ。
普段食べない味に舌鼓
キリンラガー
お通しはビールと一緒に運ばれてきます。韓国らしい盛り合わせですね。ビアタンを満たしたら、それでは乾杯。
済州島焼酎「ハンラサン」
ジンロやチャミスルではなく、済州島焼酎「ハンラサン」があるのがさすが済州島料理店。ハンラサン(漢拏山)は火山島である済州島の中心にある、韓国最高峰の山の名前です。
他の韓国焼酎同様にほんのり甘く飲み心地がいいです。ただ、度数が21%もあるので飲み過ぎにご用心。
はるさめ(480円)
すぐでるおつまみを中心にいくつか注文。春雨は見た目通り、ビールを誘う味です。
ムッ(290円)
韓国のお豆腐、どんぐりなどが原料の「ムッ」。シンプルな味ですが、ピリ辛のタレで味が引き締まり箸が進む一品です。
カキフェ(980円)
「フェ」は生の意味。「フェ」料理が多く、女将さんのおすすめはこの「カキフェ」。どれも基本的にピリ辛ですが、辛すぎることはなく、辛い料理が苦手な筆者も美味しく食べられました。辛さよりも、コクと旨味、酸味が心地よく、お酒が進みます。
アワビフェ
水槽から掬い、手際よく野菜とタレに和えたもの。フェでもカキとはまた違った組み合わせなのですね。
センマイ(480円)
フレッシュなセンマイはヤンニョムに付けず、そのまま食べても十分に旨味があって美味しいです。これは焼酎をもう1本追加しないといけないかもしれません。※お酒は適量で。
蒸し豚や蒸しタン、ナンコツなど、豚を蒸したピリ辛系ではない料理も多数。
せっかくならば、珍しい料理を
スープやお粥は、チゲにサムゲタンなどおなじみの料理が豊富。でも、せっかくならば普段、焼肉店のような身近な飲食店では食べられない、珍しいものを色々味をってみたいものです。
焼肉がない韓国料理店。だから落ち着いてしっかり飲める店「きよし」。暖かい雰囲気の食堂です。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | きよし |
住所 | 大阪府大阪市生野区田島1-8-15 |
営業時間 | 営業時間 平日・土/17:00~23:00 日曜・祝/16:00~23:00 (ラストオーダー/22:30) 日曜営業 定休日 木曜日 |
開業年 | 1970年代 |