川越『居酒屋 大吉』肉も魚も洋食もある、大箱酒場で昭和トリップ

川越『居酒屋 大吉』肉も魚も洋食もある、大箱酒場で昭和トリップ

2021年2月10日

川越にある老舗大箱酒場『大吉』は品数豊富、しかもお昼から飲めます!

地域に根ざした大箱酒場はいまや貴重な存在。チェーン店がその役割を担い始めて、数をだいぶ減らしてしまいました。そんな時代でも元気に営業しているお店には、酒場好きならばぜひ訪ねてみたいもの。

川越はクレアモール(川越新富町商店街)沿いにある「居酒屋 大吉」も、そうした店のひとつ。地域密着系の100人は収容できる大衆酒場です。大吉といっても、有名焼鳥チェーンの関係ではありません。

小江戸川越の古き町並みほどではないものの、ここもまたタイムカプセルのような存在で、昭和の賑わい酒場に迷い込んだような気分に浸れます。

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小江戸に残る昭和の大箱総合居酒屋

明かりが灯るのは16時と少し早め。川越の観光エリア「一番街 蔵造りの町並」と川越駅の中間にあり、散策帰りにビール飲みながら一息つくにもぴったりです。どっしり構えた店構えに安心します。

外観同様に、店内も古き良き酒場のどっしりと構えたムードで満たされています。

横丁や古いビルにあるような小箱の酒場で肩を並べて飲むのもよいですが、こういう広々とした店で空間に溶けるようにして飲むのも、また良いものです。

ぴしっと整理されたカウンター、美しい一枚板が一直線。

昭和で時間が止まったような空間。マニュアル的な接客ではなく、人と人の会話で注文を通す対応もあって、非常にほっこりとした気分になれます。

夕暮れの一杯目、喉をぐっと潤すには樽生ビールがいいですね。銘柄はサッポロ黒ラベル。中ジョッキが500円で大ジョッキは600円、100円差ならば迷わず大を選びたい!れでは乾杯です。

品揃えは100種類近い

瓶ビールもサッポロ黒ラベル(大びん600円)。日本酒は宝酒造の松竹梅を定番に、升酒では菊正宗も選べます。2合620円からと手頃な価格が嬉しいです。

いまは大変オトクな「宝焼酎ホッピー」のセットが登場。360mlの宝焼酎25度が1本とホッピーが2本セットで税込980円という、酔いを楽しみたい人にはコストパフォーマンス抜群の内容です。

ビールで心をほぐしたら、お腹も空いてきました。ホワイトボードに並ぶ料理は半数以上が日々入れ替わるもの。季節の白子や生牡蠣が良いですし、マグロ刺し(880円)は「インドマグロ」とあるじゃないですか。関東ではめずらしい、サワラ刺しもありますね!

ホワイトボードをみると魚の店のように思えますが、大吉は肉料理もバラエティに富んでいます。

料理は100種類以上。店頭で焼鳥をお土産で売っていますが、定番メニューはもっと種類が多いです。気になるのは「ゲーゼ」(350円)なる聞き慣れない料理の存在です。

肉シューマイ(300円)は三鷹の老舗肉惣菜店からの取り寄せ品らしい。

期間限定メニューは、チャレンジ精神あふれる内容です。

鍋は”一人前より”と表記されているものは、小鍋立てとして楽しめるのが非常に魅力です。一人すき焼き(700円)なんていうのも、乙ですね。

刺身もホルモンも同時に楽しむ

お通しは日替わり。この日はカニカマ入りのお店手作りのポテトサラダです。マヨネーズがしっかり効いています。

北海ダコお刺(480円)。

北海ダコとはミズダコのこと。マダコより太い脚で、ほどよい歯ごたえと噛むほど広がる旨味に、日本酒が誘われます。

ホルモン焼(500円)。鉄板皿の上で音をたてながら豪快にやってきました。

川越周辺は豚モツも含めてホルモン料理を看板に掲げる店が多いのが特長。こちらも長年の定番商品です。甘めに下味がついたホルモンと、その旨味をまとってより美味しくなった野菜が山盛りです。

サッポロ系のお茶ハイの代表格「玉露茶」をつかった玉露茶ハイ(400円)。

謎の料理「ゲーゼ」とは

自家製ベーコンもある大吉の手づくり肉料理枠は、どれもボリューム満点だったり個性的。200gはあるというジャンボメンチ(400円)は一人では食べきれないので今日は諦めましたが、ゲーゼ(350円)は名物なので食べておきたいもの。

ゲーゼはドイツ料理のひとつだと板前さん。大吉の創作でも、ましてや作曲家のゲーゼとも関係はないらしいです。

酒場で不思議な料理をみると、好みかどうかは別にして必ず頼んでみたくなるというもの。

ミートローフのようなもので、ミンチ肉に野菜などを混ぜ込んだ箱型のソーセージです。深い旨味がある味付けがクセになる一品。ここでしか食べられない味です。沖縄で人気のスパムやチューリップを自家製したようなもの。

東武練馬と朝霞にも姉妹店

大吉は「川越店」とあるように、いくつか姉妹店があり、朝霞駅から1キロも離れた場所や、東武練馬駅近くの旧川越街道沿いにも支店を構えています。どの店もゲーゼなどが食べられますし、なによりどっしり系老舗酒場のムードもあります。

ごちそうさま。

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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名居酒屋 大吉 川越店
住所埼玉県川越市新富町1-3-12
営業時間営業時間
〈火~金〉
16:00~
〈土、日〉
12:30~

定休日
月曜日