町中華で飲むことがすっかり巷に定着して嬉しい限り。もともとノンベエはいつもの町に、一軒や二軒、飲める中華屋さんを行きつけにしているものです。
まれに、夕方から深夜のみ営業し、日中は暖簾をしまっている完全夜型のお店が存在し、筆者は「〆中華」と呼んでいます。大衆酒場で飲んだあとは、カロリーのことなど気にせずに、地元密着の中華で小腹を満たしたくなるのです。
そうした〆中華のひとつ、大曲の「国賓飯店」をご紹介します。
深夜0時30分までやってる深夜の中華
秋田県、仙北平野の町「大曲」。出羽鶴、秀よし、刈穂など多くの日本酒が生まれる酒処です。
また、毎年夏に開催される全国花火競技大会「大曲の花火」には、人口約4万人の町に日本各地から約75万人が訪れる花火の町として知られています。
国賓飯店も花火開催日の前後は大変な賑わいとなるそう。普段でも、大曲で飲み歩く地元のお酒飲みの人が集まる、〆の大定番の一軒です。
23時過ぎには終電がなくなる大曲にあって、営業時間は深夜0時30分までなのですから、これぞまさしく〆中華です。
二次会利用多数
まずは瓶のキリンラガービール(中びん500円)をもらって、乾杯。
お酒は地元の銘柄でコップで300円。紹興酒(徳利500円)はボトル(2,300円)でも注文可能です。
500円のラーメンからはじまる庶民価格で、”国賓”のお客さんになれます。
一品もののおつまみが充実しており、マーボードーフ(900円)、肉だんご(1,000円)、八宝菜(1,100円)など大皿料理も頼めます。常連さんたちの注文を見ていると、意外と〆でがっつりと食べいくようです。
名物はニラたっぷり旨口餃子
ギョーザ(5コ500円)がお店の看板料理。ニラをたっぷり使って旨味は濃厚です。薄い皮がよくホールドしていたと思えるほど、肉汁たっぷりの餡がぷりっと弾き出てきます。
ギョーザはつくり置きではなく、注文ごとに生地を広げて包んでいます。だからちょっぴり時間はかかりますが、その分美味しさも増した気分。
塩のきかせ方は秋田流。〆のおつまみとして申し分ないシンプルなチャーハン(800円)です。甘口のチャーシューがアクセント。
素晴らしき深夜中華
ほんのり酸味のある中華スープが、喉が乾いてきたこれくらいの時間に嬉しいですね。
夜も遅い時間なのに、地元の方が続々とやってきて、皆さん楽しく二軒目を楽しんでいる様子が印象的でした。秋田のあったかい方言に囲まれて、ほっとひといき。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 国賓飯店 |
住所 | 秋田県大仙市大曲通町3-46 |