旭川『ぎんねこ』若き三代目が守る老舗暖簾で、名物新子焼きを頬張る

旭川『ぎんねこ』若き三代目が守る老舗暖簾で、名物新子焼きを頬張る

2021年1月6日

旭川名物のひとつに「新子焼き」があります。東京の寿司屋などでは「新子」といえばコハダの幼魚のことですが、旭川では「若鶏」のことを指します。

近年では、旭川名物「新子焼き」の会が結成され、旭川の老舗酒場を中心に新子焼きを提供する店のPRが行われています。

同会の会長を務める久保さんは、焼鳥専門「ぎんねこ」の三代目。酒場の名物に旨いもの”あり”ということで、今日は「ぎんねこ」の新子焼きを肴にビールや日本酒を楽しみたいと思います。

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昭和で時間が止まったような横丁で

旭川の飲み屋街は松竹映画のセットのよう。

旭川は路地が多く、昭和で時が止まったような空間が数多く残されています。札幌のようなギラギラとした感じはなく、地域密着の大衆割烹や酒場、スナックなどが静かに営業し、その様子はノンベエとしては非常に魅力的です。

戦前の魚菜市場を起源とする小路「ふらりーと」の入り口に構える「ぎんねこ」。夜のふらりーとは一層幻想的な雰囲気です。

焼鳥屋としての創業は1950年(昭和25年)。同一店舗で71年続いた同店は、随所の昭和の残り香を感じられます。分厚い一枚板のカウンターも今の時代では簡単には真似できないでしょう。

古いとはいえ隅々まで手入れが行き届いていてます。

ぎんねこの由来は焼き鳥屋をはじめる前まで遡ります。日本最北の銀座「(旭川)銀座通り」で別業態をやっていたときに、銀座の「銀」と、「招き猫」など猫が持つ商売繁盛の意味から「猫」をつけて、「ぎんねこ」と名付けられたのだそう。

店の一画に、ピカピカに磨かれたホシザキの「セパレサーバー」が設置されいます。ホームページによれば、毎日ばっちり清掃を心がけているのだそう。

これぞ樽生の感動品質!サッポロ生ビール黒ラベルで乾杯。

樽生ビールは中が550円、瓶ではサッポロクラシックキリンラガー(中びん650円)から選べます。日本酒は直火で燗をつける独自のスタイルが人気で、さらに道産日本酒も揃っているので「新子焼き」だけじゃない魅力がいっぱい。

焼鳥、新子焼きを中心にしたシンプルな品書き

あれもこれも食べたくなってしまいます。

看板料理の新子焼き(1,380円)を筆頭に北斗ポークの肩ロースを焼く、主に道央で食べられる「ちゃっぷ焼き」や、1本100円から標準的な焼鳥も豊富に用意されています。

驚くことに、フリーWi-Fiが用意されています。

差し込みでは希少部位も。通い詰めていろいろ食べ比べてみたいものです。

お通し(150円)。新子焼きが焼き上がるまで30分かかるので、お通しのお漬物以外に冷奴やスープを頼むのもいいかもしれませんね。

待望の新子焼きは大きいけれど――

「おまたせしました。新子焼きです」

タレと塩から選べるほか、ご厚意で半分をタレ、半分を塩で仕上げていただきました。

伊達産の生後1ヶ月半ほどの生の若鶏を炭火でじっくりと網焼きするのがこだわり。味をわけるために2皿にわかれていますが、これで若鶏の半身になります。

手羽元、もも肉、むね、骨の多いハラの部分など、部位ごとの味の違いが非常に楽しいです。

甘じょっぱく濃厚なタレは店の歴史そのもの。

まるごとでは食べにくいということもあり、お願いすれば食べやすくハサミを入れてもらえます。

パリッ仕上がり炭の香りをまとったモモ。若鶏の優しい旨味を引き立てる塩味もなかなかに美味しいです。

一人ではこんなに食べ切れないと思うかもしれません。それが美味しくて箸が止まらなくなるのです。ビールをおかわりし、日本酒にシフトしたあたりから、これはもうずっとカウンターに張り付いていたいと思えるほどに、あとひく味わい。

旭川の希少な地酒も並びます

お酒の相談をしたら、色々でてきました。

2017年に三重県から北海道上川に移転したことや、行政や大手企業との協業などで話題が尽きない上川大雪酒造の「上川大雪 きたしずく」や、大雪の蔵(合同酒精)など、旭川近隣のお酒が続々とカウンターに並べられました。

旭川市内にある高砂酒造がつくる「風のささやき純米」を選んでみました。地元産の酒造好適米「吟風」で仕込んだ土地の味。濃厚な焼鳥にも並べられる爽快感と旨味のバランスが絶妙です。

酒場の名物はやっぱり素晴らしい!

早い時間から営業しています。旭川を訪れた際は立ち寄られてみてはいかがでしょう。

予約ができない10席程度のカウンターの店ですので、タイミング次第!

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名焼鳥専門 ぎんねこ
住所北海道旭川市五条通7右6 5・7小路ふらりーと
営業時間営業時間
[火~日]
13:00~22:00
日曜営業
定休日
月曜日
開業年1950年