根室「北然仁」 日本最東端の駅そばで、花咲かに玉蕎麦を肴に一献

根室「北然仁」 日本最東端の駅そばで、花咲かに玉蕎麦を肴に一献

本土最東端の町、人口約2.7万人の根室。その玄関口である根室駅もまた、日本最東端の終着駅です。道央の滝川駅を起点としたJR根室本線の終点で、一日6本の列車が道東17万人都市の釧路からやってきます。

そんな根室駅には、日本最東端の駅構内の蕎麦屋、通称「駅そば」があります。列車の本数は少ないものの、駅前からは本土最東端「納沙布岬」や別海町方面を結ぶ路線バスのターミナルもあり、人通りが絶えない根室駅前。蕎麦屋さんもなかなかに賑わっています。

今日は、根室の駅そば「北然仁(ぼくねんじん)」でビール片手に、名物の花咲蟹を使ったお蕎麦を楽しみたいと思います。

 

釧路駅から1両編成の列車に揺られること、2時間少々。別寒辺牛湿原を駆け抜け、森の木々をかき分け、ひたすら東へ。未開の大地を駆け抜ける列車は、時折、野生動物に進路を塞がれブレーキをかけるものの、概ね定刻に到着しました。

 

日本最東端の有人駅、根室。広い構内のほとんどは使われておらず、数本の線路は収束し、100mほど先で途切れています。東京から鉄道で1,600キロ。旅好きならば、一度は訪ねてみたい旅のゴールといえる場所。

 

目的のお店は同じ駅舎の中。蕎麦の幟が目印。北然仁は改札の隣です。ただよう鰹出汁の香りと「花さきそば処」の文字に誘われます。

 

昭和30年代に建てられた駅舎ですが、北然仁の店内はリノベーションされています。

 

ともあれ、ビールから。からっとした北海道は、どんな季節でもビールが欲しくなります。キリっとした味、札幌市白石区にあるアサヒビール北海道工場でつくられたスーパードライ(中ジョッキ550円)をもらって、では乾杯!

 

瓶ビール(550円)はキリンラガー、アサヒスーパードライが用意されています。こんぶ焼酎があるのが北海道らしい!日本酒は根室の地酒「北の勝」(碓氷勝三郎商店)。

列車やバスの時間に余裕があれば、ここでザンギ(唐揚げ・400円)やこまい(450円)、イカ塩辛(300円)などをつまみにのんびり飲むのも楽しそうです。

 

港町の根室らしい蕎麦といえば、やはり花咲蟹をつかったもの。冷たいお蕎麦は、たっぷりの根室産花咲蟹と大葉をつかった「かにちらしそば」(1,620円)、暖かいお蕎麦は「かに玉とじそば」(1,350円)があります。お店を紹介してくれた近くの居酒屋の大将は浜中町産ホエイ豚をつかった「豚丼」がイチオシとのこと。

 

悩むところですが、今日の気分は温かいお蕎麦。60年近いそば打ちのキャリアを持つ職人がつくる蕎麦は、香りがあり、温蕎麦でもしっかり感じるコシの強さがあります。原料の蕎麦も自家栽培だそうで、こだわりのあるお店です。

 

かに玉の蟹の身は色味づけ程度…なんてこともありますが、こちらは、もうこれでもかと花咲蟹が使われています。プリプリの身はそばつゆに負けない味の濃さがあり、その旨味、甘味はつゆに興趣を添えています。焼いた花咲蟹を頬張るのとはまた違った美味しさがあり、ぜひ食べてみてほしい一品です。

日本酒「北の勝」のお燗をもらい蕎麦つゆを肴にちびりと飲めば、旅の喜びは増すに違いありません。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

北然仁
0153-24-6338
北海道根室市光和町2-1 JR根室駅
11:00~14:00・16:30~22:00(火定休)
予算1,500円