山形『鳥せん』飲み屋街の奥行きの深さに感動するやきとり酒場

山形『鳥せん』飲み屋街の奥行きの深さに感動するやきとり酒場

2020年11月14日

人口約25万人の山形市。その玄関口である山形駅周辺と、古くからの繁華街「七日町」をあわせた居酒屋の軒数は約150軒。決して多いとはいえない店数なのですが、非常に素晴らしい酒場が多いのがこの街の特長です。

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細い路地の小さなカウンター酒場

市民会館近く、道幅は1間もないようなすれ違うのがやっとの小路にも素晴らしい焼とりの店があります。

ベテランのご夫婦ふたりで切り盛りし、地元の会社員たちで賑わう「鳥せん」です。

外観

鳥せん以外、ほかに居酒屋がないような道。ぼんやりと灯る赤ちょうちんを目指し小路に”迷い込む”わけですが、その導入も含めて非常に魅力的な酒場です。

看板のとおり、炭火の焼とりと餃子、牛すじ煮込みが看板料理です。

やっているかどうかの心配が、次第に店からお客さんの話し声が聞こえてくることで逆に「満席で入れないかも」という心配に変化します。

内観

ちょうどお帰りになったばかりの空席にすべりこませて頂き、ご主人と女将さんにご挨拶。カウンターの両隣にもご挨拶。皆さん頻繁に通う地元の方ばかりです。

手入れされているビールサーバーがみえたので、まずは生ビールから。瓶ビールの取り扱いもあって、いずれもアサヒスーパードライです。それでは乾杯。

お通しから山形料理

お通しは2品。山形でお通しといえばたいてい漬物でして、大根のたまり漬けが1皿。もうひとつは、味がしみしみになった琥珀色のこんにゃくです。派手さは皆無ですが山形に来た喜びを感じる味わい。

鉄鍋で豪快に炒めた「なんばん」(300円)。ピリ辛の唐辛子です。これできっと二日酔い知らず。

レバ焼、小袋刺し、はつ刺し、がつ刺しと、山形では珍しい豚もつを取り扱う同店。名物のもつ刺し皿(3点盛り700円)は、「混ぜて食べるんだよ」と強面だけど話すと気さくなご主人。鮮度抜群、ぷりっぷりでクサミ皆無の美味しいもつ刺しです。

ご主人が豪快に焼き上げる串

鳥かわ、若鶏、はつ、白もつ、砂肝、なんこつ、レバ、さがりと用意される串もの(100円~)。焼き担当のご主人が強火で燻すように仕上げていきます。ジンギスカン鍋風の鉄板には常に火がかけられていて、そちらではレバ焼きなどを調理しています。

常連さんの間では特製の餃子(400円)も人気の様子。

もつ焼きにはやはり酎ハイがベストではないでしょうか。

いぶし銀の酒場ながら、意外にも豆乳割りや青りんごサワーなんていう選択肢もある酎ハイは400円均一。女性客も多く、皆さんとても酒場なれされている様子で、カテキン(茶)割りなどを飲まれています。

私はスタンダードなレモンサワーを。

お隣が頼まれてこまいやサバが焼ける香りに誘われ、3杯目は日本酒(羽陽男山・400円)を頼みたいところです。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名鳥せん
住所山形県山形市香澄町2-8-29
営業時間17:00〜22:00(日祝定休)