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文化放送をラジコで聞きながら、東京タワー越しに暮れる夕日を眺めつつ、今日は大門をはしご酒。
浜松町、大門の界隈はビジネス街ですが、「大門」の地名のとおり、江戸の南を守る増上寺の門前町として古くから栄えてきた場所です。
表通りは大箱のもつ焼き屋やチェーン店、小路にはいると個人店が多く、立ち飲みや角打ちもあります。入り組んだ路地もあり、ほろ酔いで歩けばどこかに迷い込んだような錯覚があって楽しいものです。
木造の建物から漂うもつ焼きの香り、今日は「ホルモン夏冬(かとう)」で一献楽しみます。
芝大神宮の細い路地にある小さなホルモン焼き店
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1005年(寛弘二年)創建の芝大神宮。この参道から横にそれる幅1間ほどの小路に夏冬はあります。
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多少寒くても明け広げた扉と赤ちょうちんが目印。土日もやっているので、ビジネス街の浜松町・大門にあって心強い存在です。
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七輪の網焼きで各々で焼いて食べる方式。店は広くなく、そしてカウンター席はないので、二人飲みくらいがベストなバランスです。
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お店の味の決め手、あとひく美味しさの辛味噌が用意されます。
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ビールは樽生(450円)がアサヒスーパードライ。大瓶(550円)でキリンクラシックラガーとサッポロ黒ラベルが用意されています。昔ながらのキリン味が飲みたい気分、今日はクラシックラガーで乾杯。
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まずはキャベツ(200円)。専用の甘めの味噌といっしょにでてきます。
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ビールのほかにホッピーもあります。焼酎は宝山、黒霧島、黒伊佐錦、白波、いいちこと九州のおなじみの顔ぶれが揃いぶみ。
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バイスやレモンサワーなどの酎ハイ類は350円とホルモン焼き店としては手頃な価格。とくにここは芝大門というその立地を考えれば、かなりお財布に優しいお店といえます。
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まずはセットで頼むのが一般的で、店員さんも「盛り合わせの大きさは?」という質問で注文をとります。二人でほかにも追加オーダーをする予定ならば小盛(1,000円)でも十分なボリュームです。
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単品は400円均一。人気のカシラやシロ、それにハツやコブクロなどが続きます。サイドメニューは簡単な野菜だけしかなく、ここは網焼きホルモンをたらふく食べようというお店。
盛り合わせ小400円から始めよう
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小盛りでもこの通り、なかなかの盛り。タン、レバ、ナンコツなど一通りはいっているので、ここから気に入った部位を単品で追加したいですね。
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かすかに感じる海風。暮れゆく小路を眺めては、自分のペースでちびりちびりと焼いては、味噌タレにつけてひとくち。ハフハフしながら、全身から感じる開放感が心地よいです。
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大田区羽田うまれのバイス。りんご果汁とシソを配合した東京城南の味。程よい煙に燻されながら、駄菓子屋にあったような懐かしい味を楽しみます。
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ぷりっぷりのホルモンは見るからに鮮度抜群。肉厚のしいたけと一緒に追加オーダーしました。
東京では珍しい七輪焼きホルモン
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ホルモンという呼び方は、関西ならばやはり牛ホルモンになりますが、こちらはやっぱり豚モツ文化。
芝浦から仕入れる新鮮なホルモンを二千円ちょっとの予算で程よく楽しめる気軽な酒場です。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | ホルモン焼 夏冬 (カトウ) |
住所 | 東京都港区芝大門1-8-4 |
営業時間 | 営業時間 [月〜金] 11:30~13:30 17:30~23:30 [土・日] 17:30~23:30 日曜営業 定休日 祝日 |