焼肉といえば韓国風が一般的ですが、また違ったテイストをあわせるのもおもしろい。長崎から西へ100キロ。九州最西端の町・五島市を中心とした五島列島をテーマにした焼肉店があると聞けば、気になる方も多いのではないでしょうか。
世界遺産候補のキリシタンの史跡と豊富な自然資源で知られる五島列島は、食材では銘牛・五島牛の産地として知られています。潮風を受けた広大な牧草地で飼育され、柔らかく甘みのある味が特長です。
田町の建築会館地階にある「黒バラモン」は、そんな長崎・五島の郷土色をもった焼肉店です。
店内は広くゆったりとした席配置。ステンドグラスなど、長崎のテイストがちょっとした異国情緒を感じさせ楽しいです。黒バラモンという特長的な店名は、黒毛和牛の黒と、五島の民芸品「バラモン凧」からつけたそう。運営は個性的な飲食店を次々生み出すダイヤモンドダイニングです。
注文はタブレットで。限定5色の五島牛と九州和牛の食べ比べは売り切れていなければぜひ頼みたい一皿。
乾杯はアサヒスーパードライで。お通しは生ハムいくら乗せです。生ハムとイクラの組み合わせは初めてですが、これが意外とあうので勉強になりました。
箸袋の雰囲気も長崎方面らしい独特なセンスが取り入れられています。
生塩ジンジャー~タン塩系用、野菜すり卸し×ゴマダレ~赤身系用、on the Rice~ハラミ・カルビ用、そして五島牛・九州和牛専用と、タレは4種類。
葱上タン塩(1,480円)から。ネギは別添えで。焼肉の流れとしては標準的なもので、部位の顔ぶれも同じ。ただ、やっぱり九州の牛肉と言われると、旅好きの筆者にはどこか嬉しさを感じます。
タン専用のジンジャータレにつけ、ネギをたっぷり巻いて食べれば旨味がほどよく整えられて、心地よい余韻が残ります。
黒バラモン塩ロース(950円)。この立地で銘柄牛を提供する焼肉店としてはカジュアルな価格帯です。
表面に五島牛の脂をゆっくりと溶かすように塗っていくのがポイント。これでロースに脂の甘みが加わります。
軽く野菜・ゴマダレにつけていただきます。ロースの食べ方として、こんな提案はなかなかないので盛り上がります。
九州和牛上カルビ(1,480円)。A4・5ランクの九州和牛で、サシはやや多めながら、脂はさほど強くない印象です。
順にジンジャータレ、野菜ゴマダレ、そしてカルビでオンザライスと進んできました。オンザライスは定番の甘い焼肉のタレの味。カルビといえばやはりこうというイメージ、ありますよね。
飲み物はさすが長崎の焼酎を揃えています。
生パイナップルサワー(680円)は、なかなかのSNS映え。どんと一個やってきて、これを好きなだけ注ぎます。中(プレーンサワー)だけを250円でおかわりができますので、インパクトと同時にお得感もあります。
五島牛と九州和牛の特選食べ比べがやってきました。これで2,480円。結構奮発な一皿ですが見るからに美味しい。カイノミ、ササミ、ロースとありますが、どれも霜のふりがきれいです。
これでテンションが上がらない人なんてそうそう居ません。あまり火を通しすぎないようにして、ささっと。
ワサビを軽く添えて巻くようにして…
噛むほどに広がる脂の甘味と肉の美味しさ。結構味が強いのでたくさんは食べられませんので、これくらいがちょうどいいかも。
五島の焼酎・五島芋のソーダ割り。最近九州でも一般的になってきた乙類のソーダ割りは、いままでどうして飲んでこなかったのだろうと不思議に思える優しい風味で杯が進む味です。
五島牛の炙り寿司(1,380円)。〆に五島牛とはまた贅沢な。
肉汁とお米の組み合わせは美味しいにきまっています。寿司で〆る感じも、普段の焼肉と違いがあって楽しいです。しっかりこってり牛肉を食べたというより、上品に牛肉を満喫したという余韻が残ります。
大小様々な飲食店が個性をだしあい楽しませてくれる田町・三田の界隈。やっぱり外食は楽しいと感じさせてくれる「黒バラモン」でした。2017年に登場、まだ田町のここにしかありません。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ タイアップ/株式会社ダイヤモンドダイニング)
五島牛一頭買い焼肉 黒バラモン 田町店
050-5593-5532
東京都港区芝5-26-20 建築会館 B1F
17:00~23:00(ランチあり・不定休)
予算5,000円