今日は新橋駅前のランドマーク的な建物、ニュー新橋ビルの地階にある「明石ニューワールド」から一風変わったアンテナショップ型酒場の魅力をご紹介します。
ニュー新橋ビルといえば、かつてこの地にあったヤミ市などを整備するために1971年に建てられたもので、完成から半世紀を迎えます。サラリーマン向けのお店がずらりと並び、カバン店や紳士服店、ジュースバーやゲームセンターなどレトロな店舗に昭和の残り香が漂っています。
そしてなにより、この建物の魅力は地階に広がる酒場街です。新旧様々な酒場がある中に、あらたに「明石ニューワールド」が2019年に加わりました。
ニュー新橋ビルのニューワールド
運営母体は神戸発の外食企業「ワールド・ワン」。「土佐清水ワールド」や「青森ねぶたワールド」などの運営会社です。同社は従来の業態でも郷土色をだしたブランドを開発してきましたが、「明石ニューワールド」もそんなひとつ。
店頭には明石焼きの鉄板が並んでいます。
明石焼きや明石の魚介類を看板料理に掲げた同店。天井からは明石のタコがぶらさがっています。
ただ明石焼きがテーマというだけでなく、明石市の観光協会、明石漁協などと連携協定を結んでいるのが特長。居酒屋でありながら、れっきとしたアンテナショップでもあります。
あまりにコンセプトが作り込まれた酒場は、ときに空回りしている様子を目にすることも多いかもしれません。ただ、「明石ニューワールド」で飲んだ印象はそういうものではなく、純粋に楽しく飲むことが出来ました。
入口近くはテーブル席。店内奥はコの字のカウンター。店内に入ってしまえば、ニュー新橋ビルの地階というよりは、魚の棚商店街(明石)の比較的新しい酒場に飛び込みで入ったような気分になりました。
ビールはサッポロ(大瓶680円)。それでは乾杯!
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へーっとうなずいたのが、ここの品書き。ビールこそナショナル銘柄ですが、右上の1品目が「あかしハイボール」です。西灘・明石は兵庫を代表する酒どころのひとつ。日本酒「神鷹」でおなじみ、総合酒類メーカーの江井ヶ嶋酒造が手掛けるウイスキーが「ホワイトオーク地ウイスキーあかし」です。
あかしハイボールは、そんなご当地ウイスキーのハイボールです。ほかにも、白玉ワインなど同社製品が用意されています。加えて日本酒は明石鯛( 明石酒類醸造)、来楽(茨木酒造)など地酒を用意。
明石漁協連携だからできる地魚多数
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食べ物も、ご当地料理が豊富です。一度や二度では試しきれないほどの個性的な料理の数々。都心にいながら気軽に旅気分が味わえそうです。アッパー寄りではなく、日常的に通える予算2千円台で利用できる価格設定も嬉しいところ。
明石海苔と豆腐サラダ(450円)。
刺身3種(680円)
連携協定を結ぶ漁協から直送されてくる魚介類。手前はサワラ、右にゲタ(舌平目)というのが瀬戸内らしい。奥は黒鯛です。
レモンサワー(380円)は博水社のリターブル瓶いりのハイサワー。ハイサワシリーズのパクチーレモンもあります。麦芽風味の割材は置いていませんが、ハイサワーでつかえるナカ(200円)もあり、レモンサワーセットひとつで2杯は楽しめます。
本格的な明石焼き
明石といえば、明石焼き(玉子焼)。シンプルな定番(8コ590円)をチョイス。
出汁がたっぷり用意されます。たぷたぷに浸してから頬張れば、おでん同様に汁も酒の肴です。
食べ方の提案がありました。
二番目は、どろソース(神戸市・オリバーソース)でソース味がオススメとのこと。濃厚ねっとりどろソース、ハイボールや酎ハイが進みます。
どろソース味の玉子焼を汁につける食べ方。はじめての体験です。
ソース味にはハイボールがあいます。あかしハイボール(380円)。
ぼっかけスジ煮込み(400円)。全国的な呼び名は「牛スジ煮込み」なのですが、戦後すぐの神戸・長田では「ぼっかけ」の名で考案され、いまでは神戸のソウルフードになっています。甘さがしっかりと主張する味はお酒を誘います。
江井ヶ嶋酒造の白玉レッドワイン
白玉レッドワイン(480円)であわせてみました。甘く酎ハイのベースのようなワインなので、煮込みとの相性がよいです。
店内の至るところに貼られた明石市を紹介するポスターたち。気軽に浸れる明石気分。
新潟推しの「ファミリーデパート吉池(創業者は新潟県出身)」の系列店をはじめ、東京は昔からご当地料理と観光PRを兼ねた酒場がありますが、新進気鋭の「明石ニューワールド」も、現地に行きたくなるお店です。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 明石ニューワールド |
住所 | 東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル B1F |
営業時間 | 営業時間 月~金 17:00~23:00 12月より土曜日営業します 15時~23時 定休日 土・日曜日 12/31~1/3 |
開業年 | 2019年 |
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