四谷三丁目「駒忠」ここは穴場だね!荒木町に残る人情酒場。

四谷三丁目「駒忠」ここは穴場だね!荒木町に残る人情酒場。

2020年2月12日

皆さん、四谷荒木町で飲んだことはありますか。ここは東京を代表する飲み屋街のひとつですが、周辺にターミナル駅がないため、新宿や上野、新橋などとは違った佇まいがあります。

花街として栄えた歴史ある町。石畳の小路がジグザグに敷かれています。それを照らすように小料理店やワインバーなどが軒を連ね、小さな明かりひとつひとつに大人の佇まいを感じます。荒木町を歩くときは、いつもちょっと背伸びをして…。

そんな荒木町にも、お酒好きのみんなを受け入れてくれる大衆居酒屋があります。杉大門通り沿いの「酒蔵 駒忠 四谷三丁目店」です。

 

酒蔵駒忠は、都内各地に18※店舗ある老舗暖簾で、チェーン店ではなく暖簾分けのお店。それぞれのお店ごとに店主さがいて、同じ看板でも雰囲気はお店ごとに異なります。ただ、共通して言えるのは、大衆酒場好きならきっと気に入る佇まいや品揃え、そして店主の方の人情があります。

※2020年1月Syupo調べ

 

食材で満たされたショーケース。上には大皿料理がずらりと並んでいます。その奥には大将。カウンター席ならではのこの眺めは、酒場の醍醐味です。

テーブル席も用意されていて、黒帯のんべえさんのグループが楽しそうに宴会をしています。

 

それにしても料理が非常に充実しています。大皿の料理だけでも何を食べようか迷ってしまいます。

 

ヒールは長年にわたり、サッポロビール。状態のよい樽生黒ラベルが輝いています。どーんと大きい大生(750円)で乾杯。

 

取材時のお通しは鯵の南蛮漬け。お通しから魚料理がでてくる居酒屋が好きです。

 

ビールは、昔ながらのたっぷりはいる中ジョッキで650円。瓶ビールは黒ラベル大ビンが600円。酎ハイ類は380円~。長年続く駒忠らしさを感じる、日本酒の品揃え。じょっぱり、あさ開、一ノ蔵、吉乃川など500円台からマス酒で飲ませてくれます。

 

料理はざっと100品ほどあり、ひとつひとつが結構な主役級。なにを頼もうか、なかなか決まらないのですが、この悩んでいる時間もまた楽しいです。

 

定番メニューにも、例えばぶり照焼はあるし、スペアリブや手作りピーマン肉詰めに、そりにほや酢まであります。

 

馬刺しもおすすめですか。これはますます決まりません。若鶏料理は店の看板にも書かれた「駒中」らしさのひとつ。焼鳥か、唐揚げや塩焼きは骨付きです。

 

しっかり店内を見渡さないと、あとから「あんなところに、かれいの煮つけが!?」なんてことになりますよね。

 

悩んだら、やっぱりお刺身でしょう。人情味あふれる大将がだしてくれたお刺身盛り合わせ。切り口のエッジの立ち方が美しい。スジの見えない真っ赤なマグロも赤みの良い部分だとわかります。

 

手頃な値段で、とっても美味しいお酒のお供、にら玉鍋(480円)。

 

振りかけられた天かすがいい仕事をしています。見た目どおりの素直な美味しさは、ビールを誘います。

 

生ビールに続いて、瓶ビール大瓶黒ラベル。昭和の雰囲気残すカウンターに瓶ビールは本当によく似合います。

 

こちらは、揚出豆腐をパワーアップさせた、その名も「駒中豆腐」(500円)。とろろとなめこをトッピングした一品。出汁の旨味ととろっとした食感がマッチし、クセになる料理です。

 

店名を冠した駒中豆腐のつぎは、やはり若鶏料理もつまみたい。骨を持ち手にしたチューリップ状に仕上げられています。竜田揚げ風の味付けで、外はサクサク、身はしっかり段閭里がありつつ噛むほどに肉汁がでます。

 

唐揚げにはビールはもちろんですが、ハイボールもよいですよね。

 

ベテランの大将と長年一緒にお店に立たれるお姉さんで切り盛りされている、ほっこりできる個人店「駒中四谷三丁目店」。良い意味で荒木町らしさはなく、長年通った飲み屋街の一軒にいるような、心からほっとする雰囲気です。

カウンターで一人、二人で楽しむもよし、テーブル席でわいわいするもよし。深夜2時までやっているのも魅力です。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/サッポロビール株式会社)

 

酒蔵 駒忠 四谷三丁目店
03-3353-6843
東京都新宿区舟町3
17:00~26:00(日定休・祝は不定休)
予算3,000円