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居心地がよくて、美味しい料理を低価格で楽しませてくれるお店が豊富な板橋区大山。新たに、晩杯屋で修行を積んだマスターの佐藤さんが開いた「大衆酒場ろくふみ」が加わりました。大山ばかり羨ましい!
2019年の夏の開業。マスターはもともと大手警備会社に勤めていた方で、飲食で働きたいという夢をもって転職。いくつかの飲食を経験後、首都圏で低価格飲み屋を展開する晩杯屋ブランドのアクティブソース社へ。晩杯屋で社員として働きながら勉強を重ね、ついに独立開業という道に進まれました。仕入れの酒販店が晩杯屋と同じなど、いくつか共通点を残しつつ、独自のスタイルで営業中です。
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東武東上線の大山駅から徒歩5分ほど。商店街に面した飲食店ビルの二階にオープン。様々な物件を探す中、ここぞというのが大山だったそう。
営業時間は土日祝は14時からと早く、酒場天国の大山でのスタートダッシュにぴったりです。
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晩杯屋はかつてサッポロでしたが、ろくふみのビールもサッポロ。大きいサイズのウイングジョッキはキンキンに冷えていて、セパレサーバーから注ぐ状態抜群の生ビール(サッポロ黒ラベル・400円)が楽しめます。
それでは乾杯!
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ビールは樽生、ホッピーは白・黒(セット400円)用意。日本酒はマスターの故郷から、最上川と初孫を置いています。酎ハイ・サワー類(250円)の種類が多いのは晩杯屋ゆずりでしょうか、20種類ほどあります。
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おつまみは、メンマ150円からはじまり、煮込みや揚げ物など、300~400円前後が中心。
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さて、マニアとしては気になる不思議なサワー類。割材はバイスやホッピー、一部果汁系を除くと、埼玉の割材メーカー戸田乳業の「ちちぶ路」ブランドで統一されています。これは、ハイサワーやコダマ、ホッピービバレッジなどの選択肢から、あまり扱われていない珍しいものを!と、マスターが酒販店に相談し、ちちぶ路が採用されたそうです。
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サッポロ系で、同社和酒部門の和ら麦や梅酒の白加賀、バカルディジャパン社のスコッチウイスキー・デュワーズ、ポッカサッポロのピンクグレープフルーツなども充実しています。選択肢が多くて、悩む時間も楽しめます。
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日替わりのお刺身は店内POPで。取材時は、あじ、かつお、炙りしめさばに、ほっき貝。お刺身のに250円という安さは、晩杯屋やいこいに並びますね。
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ホッキ貝(250円)。単一店で安く刺身を仕入れる苦労はきっと大変なもの。
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揚げ物はもちろん注文を受けてから調理。サクサクころもの揚げたてアジフワイ(200円)。かなり大きいサイズです。ソースはブルドックソース社のだしの効いた「うまソース」を使用。
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プレーンのチューハイは、サッポロの氷彩サワー。ホワイトブランデーをベースに果実感があるチューハイですが、さほど甘くはない、クセになる味です。
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ちちぶ路の割材は、シャルドネや秩父コーラなど個性的なものばかりです。とくに珍しいのは「韃靼そば茶」でしょう。リターナブルびんに本当のお茶がはいっています。
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マスターのおすすめは豚からあげ(400円)。竜田揚げ風に仕込みがされた豚で、店の看板料理のひとつに、と考案されたとのこと。ジューシーで旨味がビール・チューハイ類を誘います。
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コンパクトなお店で、どの席からもマスターと会話ができるような距離感。トーク上手な方で、ついお話が盛り上がり一杯、もう一杯とおかわりしてしまいます。初孫(350円)は生酛(きもと)造りの本醸造。
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新宿区内の店舗の立ち上げなどで晩杯屋の現場に立っていたマスター。手頃で楽しい晩杯屋の雰囲気をベースに、座って飲める落ち着いたムードや、こだわりの料理を揃えて、居心地の良いお店をされています。
取材時、ちょうどかつての同僚の方が飲みにいらしていて、わいわいと昔話を楽しそうに話されていました。とてもフランクで、そして丁寧なマスター。はじめての人もきっと楽しい時間を過ごせると思います。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
大衆酒場 ろくふみ
Twitter: https://twitter.com/rokuhumioyama
03-5248-5681
東京都板橋区大山東町23-6 大山A店舗 2F
17:00〜27:00(土日祝は14:00~23:00・不定休)
予算2,000円