東京23区内にあるJR駅で2番目に乗降客が少ない上中里駅。京浜東北線の田端駅から1駅でいける、落ち着いたちょっと昔の東京が感じられる街です。
そんな上中里の駅改札から徒歩10秒の場所に立ち飲み屋が誕生しました。その名も「いこい」。北区赤羽で半世紀続く老舗立ち飲み「いこい」と同じ名前です。実は、上中里のいこいのご主人は、もともと赤羽の店舗にいた大将です。
午前11時から日中を通しで元気に営業中。赤羽の店舗時代からのファンや、上中里駅を利用するはじめましての方で賑わう酒場です。
(上の写真で左がいこい・右が駅舎)
独特な構造の建物で、厨房を挟むように両側に客室(立ち飲みスペース)があり、店の裏側の路地にもちょっとしたカウンターがあり、雰囲気はお祭り屋台のよう。
大将と女将さんが厨房に入り、サポートのお姉さんやお兄さんが給仕担当。都度払い方式で、提供のタイミングでお支払いです。
100円台のおつまみが書かれた短冊に、駄菓子屋で豪遊するような楽しさを思い出させてくれます。
女将さんに案内されて、奥のテーブルへ。千円札をだして、まずは生ビール。ビールは赤羽の本店と同じく樽生アサヒスーパードライ(380円)。大きめジョッキで、さぁ乾杯!
定番メニューこはこの一枚。煮込みとマグロ刺しが看板料理。お酒はビール(380円)、ニッカハイボール(230円)、そして宝焼酎ベースの酎ハイ各種。炭酸と甲類だけの宝チューハイは190円ととっても良心的。
定番メニューと短冊は内容が違うので両方眺めてみてください。加えて大将イチオシのホワイトボードメニューも魅惑の内容です。今日は赤魚がおすすめだよー!と大将のトークもお聞き逃しなく。
千円札を一枚用意して、まずはやっぱりまぐろ刺し。市場からの仕入れルートをもっている大将のまぐろは、赤羽から上中里に移っても絶品。
トロに近い旨味のある赤身。これがサービス価格150円だなんて、素敵すぎます。
人気のウーロンハイ。瓶入りの烏龍茶をつかった味がしっかりした一杯です。酎ハイの度数の高さは、赤羽に負けず劣らずです。
自家製サラダ(110円)は、生野菜と思いがちですが、実はポテトサラダ・たまごサラダ・マカロニサラダのミックス。コクがあってクセになる味わい。ねっとり系のポテサラがお好きな方にぜひ。
相席になった地元の方で、開店日から頻度よくいらしている方のイチオシは、この鯨ベーコン(220円)。ケモノ感なく甘味・旨味強め。ワサビを気持ち多めで頬張れば、酎ハイを誘うこと間違いなし。
合わせて飲んでいる酎ハイは、焼酎の梅割り。梅割りというと、ストレートの甲類焼酎に甘い茶色いエキスをぽちょんと垂らしたアレがイメージされがちですが、こちらは、ジョッキで提供するもの。
梅酒系の梅ではなく、梅干しサワーのあの味わい。男梅サワーのような甘さはなく、ほんのりしょっぱくすっきりした味わい。
地元のお父さんたちがすでに愛着をもって利用されている楽しい一軒。大将、女将さんはじめ、スタッフの皆さんもとっても親しみを感じる素敵な方々です。人気の赤羽昼酒もよいですが、今日はふらっと上中里唯一の立ち飲みである「いこい上中里店」へ立ち寄られてみてはいかがでしょう。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
いこい上中里店
東京都北区上中里1丁目47−32
11:00~20:30(日定休)
予算1,500円