2007年に西荻窪南口のサカエ通りで開店し、安さと美味しさからあっという間に人気店となった焼鳥の「よね田」。非常にコンパクトなお店で、肩を寄せ合って食べる焼鳥は、酒場が密集する横丁のライブ感を楽しめる楽しい空間です。
姉妹店が2012年に中野駅北口にオープンし、こちらも競争が厳しい中野の焼鳥・もつ焼き店の中にあって、しっかりと存在感があるお店になりました。西荻窪の店舗よりもつくりに余裕があり、カウンターで落ち着いて飲食が楽しめます。ただ、こちらも人気店でピークタイムは満席となることがほとんどです。
入口前の焼台から店の奥へ一直線に伸びるカウンター席。少し煙くはなりますが、やはり焼き鳥屋は焼台前のカウンターが特等席でしょう。
炭火の焼台は、隙間なくびっしりと串が並びます。相当な数の焼鳥がお客さんのもとへ届けられていきますから、仕込みもさぞ大変なことでしょう。
1席空いた場所に滑り込み、まずはおなじみのサッポロビールでスタート。赤星の中瓶(550円)をトトトと傾けて、では乾杯!
ドラフトビールはサッポロのヱビス(550円)、酎ハイ類は420円からで、甲類焼酎は宮崎本店(三重県)のキンミヤを使用しています。日本酒は福生の石川酒造がつくる多満自慢を定番にしているところが中央線酒場らしいですね。ホッピーは白・黒あってセット400円とオトク感があります。
看板料理の串は150円から。ボリュームがしっかりあるので、このワイワイとした雰囲気の中で食べる値段としても納得できます。のちほどいただきましょう。
すぐ出るメニューでは、長芋醤油漬け(400円)がおすすめ。はものを集めた鳥メンチも焼鳥専門店ならではのメニューです。
焼けていく様子を眺めつつ、ビヤタン片手に長芋をつまみます。皆さんがどんなお酒や料理を楽しんでいらっしゃるかを眺めつつ「あれも美味しそうだなぁ」って脳内で独り言。皆さんもそういうこと、ありません?
ぷっくり大きくとてもジューシーなハツ。備長炭の風味が鶏の美味しさをより引き出しています。焼きすぎず、みずみずしい状態はよね田の焼鳥が食べたくなる一つの特長です。
最初の印象は淡白ながら、噛むほどにさわやかな香味と撫でるような旨味が広がり、ビールや酎ハイを強く誘います。
ちょっぴり高級ですが、焼鳥の脂をすっと流してくれる生グレープフルーツサワー(480円)は、よね田でいつも飲む一杯。
主役のつくねは非常に大きいため、たっぷり時間をかけて焼いていきます。待ち遠しい!
お待ちかねのつくね(280円)登場。トッピングの目玉焼き(100円)と一緒に食べるのが定番です。通常サイズのハンバーグほどはあり、一人で食べるならばもう満足間違いなしの一品です。
4本の串になんとか垂れ落ちないように巻かれた巨大な鶏ミンチ。串を2本ずつ掴んで左右に開くとキレイに半分にわかれます。ここにタレや黄身をまぶしてと。
たっぷり振られた黒胡椒も味のポイント。甘めのタレと鶏の旨味がマッチして、二杯目、三杯目のお酒をぐんぐん(※お酒は自分のペースでゆっくりと。)と進みます。
ナンコツ混じりの食感も楽しく、ボリュームがあっても意外なほどぺろりと食べられてしまいます。
中野といえば、数多の老舗酒場・立ち飲み・バーが立ち並ぶ梯子酒の楽園です。でも、今日はつくねが大きいので梯子は少し控えめにしておきます。
私の知る限り、日本一大きなよね田のつくね。ぜひ一度味わってみてはいかがでしょう。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
焼とり よね田 中野店
03-5318-5314
東京都中野区中野5-63-5
17:00~23:30(日定休)
予算2,000円