名取「サッポロビール仙台ビール園」 工場敷地内、サッポロ直営店で”N”を飲む

名取「サッポロビール仙台ビール園」 工場敷地内、サッポロ直営店で”N”を飲む

大手ビール4社の1つ、サッポロビール。社名の「サッポロ」の通り、北海道・札幌の地で創業したビール会社です。日本人の手による初のビールつくりを実現した「開拓使麦酒醸造所」が原点であり、日本最古のビールブランド「サッポロラガー」は赤星の愛称で140年以上親しまれています。

 

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同社の看板商品のサッポロ黒ラベルは1977年(昭和52年)の今日(4月1日)に発売され、今日は黒ラベルの誕生日です。黒ラベルは加熱処理をしていない生のビールで、今でこそ酒場から一般家庭までどこでも飲むことができますが、かつては醸造所やビヤホールなどの一部の施設でしか飲めない時代がありました。

工場敷地内の「ビール園」は、当時生のビールを飲める場所として人気を博し、現在も直営店ならではの出来たての美味しさを味わえる場に変わりはありません。

 

サッポロビールは日本国内で6箇所の工場でビールを製造していて、東北の製造拠点・サッポロビール仙台工場は宮城県名取市にあります。仙台駅から約15分の名取駅に隣接していて、列車を降りればすぐの場所。工場の見学は開催されていませんが、敷地内にあるビール園は年末年始を除き年間通じて新鮮なビールを楽しむことができます。

 

仙台の街中で、ふと美味しい黒ラベルが飲みたくなって、東北本線で15分。仙台空港アクセス線も乗り入れているので列車本数は多く時刻表要らずです。ホームに降り立てば、目の前にサッポロビールのシャイニングスター(サッポロ社の星マーク)が見えます。

 

近代的な名取駅。駅舎の目と鼻の先が工場の入口で、まるでビール工場のための駅みたい。

 

サッポロビール仙台工場は、黒ラベルの誕生よりも6年早い1971年(昭和46年)6月の創業。

 

製造銘柄は定番の黒ラベルやヱビス、麦とホップに加え、東北限定の東北産ホップ黒ラベルや、新潟県内限定の風味爽快ニシテなど、東北・新潟の限定ビールもここで製造されています。製造所固有記号は「N」で、缶の底やびんの裏ラベルに「N」と書かれていたら、仙台工場産です。

 

敷地内には池や小川、樹木などを整えたビオトープ園があり、水面で餌を探すマガモ、キジバト、サギといった野鳥がみられます。

 

日本はお酒づくりと神様は切っても切れない関係。近代的なビールであってもそれは同じです。

 

池の奥にみえる赤い屋根の建物がサッポロビール仙台ビール園です。ドイツの民家をイメージしたそうです。

 

全国的に工場内レストランといえば、工場見学の受付と一体化しているような施設が多いですが、ここは工場見学がありません。そのため、ビール園も広い敷地に平屋で大きく構えた造りになっていて、どこか海外のレストランのような雰囲気です。

 

三角屋根を活かした開放的なつくりの店内。木材の暖かい感じがほっとさせてくれます。夏場はテラスでビアガーデンも開かれます。

 

春なので桜の飾りつけがありました。

 

運営は銀座ライオンを運営するサッポログループの飲食企業・サッポロライオンです。そのためドリンクメニューは新宿ライオン会館や銀座ライオンビヤホールに似ています。黒ラベルの小グラスは560円(以下税別)。

 

金口の名で親しまれるビール園の小グラス。小といっても缶ビール(350ml缶)近い量があるので、飲みごたえは十分です。では乾杯!

 

 

サッポロビールのビール園といえば、北海道でお馴染みのジンギスカン。人気はやはり食べ放題・飲み放題。

 

名取はご当地料理もあります。

 

休日にみんなで鉄板を囲んで、生ビール片手にジンギスカン!というのが一般的な利用法です。ただ、私のおすすめは一人、二人でふらりと立ち寄って、ビヤホール感覚で気軽に飲んでいく使い方です。

ジンギスカンも食べ放題にはせずに、15時まで提供されているジンギスカンランチ(1,480円~)を選んで、ゆっくりとしたペースで飲んで食べてというのもよいものです。

 

ということで、今回は「仙台ビール園ランチ」をオーダー。味付けラムに加え牛タンも味わえます。これに漬物とおにぎりがついて1,780円。

 

一人で食べるなら十分なボリュームです。まずは仙台名物の牛タンから。焼けていく様子を眺めているだけでビールが止まりません。(※お酒は適量で。)

 

一人でふらっと来ても、4人用のテーブルを使わせてくれますので、ゆったり過ごせます。片手で持つには厳しい重さの大ジョッキ(930円)をもらって、飲みつつ焼きつつ。

 

サッポロライオンのジンギスカンは安定の美味しさ。チェーン店なので開拓する楽しみはありませんが、定期的に食べたくなるので、今日も食べられて大満足。リンゴやレモンの風味がついた特製タレが味のポイントです。

 

なにより、ビール会社系列のジンギスカンなので、生ビールとの相性はばっちりです。

 

東北唯一のサッポロビール園で、できたての”N”の黒ラベルを楽しむひととき。今日も素敵なお昼酒となりました。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

サッポロビール 仙台ビール園
022-384-9301
宮城県名取市手倉田字八幡310-1 サッポロビール仙台工場内
11:30~22:00(1月~3月の月~木・日・祝は11:30~21:00・定休日 年末年始)
予算3,000円