北海道の海産物といえば、カニやホタテ、牡蠣など挙げればキリがないほどありますが、外せないのはやはり「ウニ」でしょう。
有名な産地のひとつ、利尻や稚内までいけば、とびきり良いウニが待っています。今回はそんなウニを肴に昼酒を楽しむ食堂「樺太」をご紹介します。
日本最北の駅・稚内から東急バスそっくりの路線バスに揺られること20分ほど。北海道の北端の半島のひとつ「ノシャップ」に着きます。終点は舗装もされていない転車場で、本当に近くに食堂があるのかやや不安になります(笑)
この宗谷バス、驚くことに1時間あたり3~4本の高頻度で走っていて、最北端といえど時刻表いらずなのが嬉しいポイント。アクセスしやすいので、稚内へ訪れたらぜひノシャップまで足を伸ばすことをおすすめします。
バス停から突端へ向けて歩くこと数分、見えてきました、「樺太食堂」です。北海道一周を楽しむライダーによって「無敵のウニ丼」などとして噂が広まったお店ですが、しっかりアルコールを取り扱っていますので、ノンベエは公共交通でぜひ。
ご家族や友人のほとんどが、稚内でウニ漁の漁師をやっていると話すご主人。そんな漁師たち自慢のウニを豪快に盛り付けてくれるのですから、やきり一度は訪れなくては。
料理はいたってシンプル。ウニ、カニ、いくら、イカ、サーモンの組み合わせで値段が決まっています。
単品でも刺し身の用意があります。お酒は飲める人ならサッポロクラシックの樽生を。取材時、地元のご隠居がホタテとウニを肴にビールから国稀へと酔いを楽しまれていました。
せっかく美味しいウニがあるのですから、北海道オンリー、道民自慢のクラシックで乾杯しましょう。
今回注文したのは生うに三色丼(3,564円)。ごはんは少なめにしてもらい、まずは”アタマ”をおつまみにビールをぐっと。
バフンウニとムラサキウニの両方を使うそうですが、今日は濃厚なムラサキウニがでてきました。肉厚で鮮度伝わるぷりっぷりの食感。それでいて、口の中でじんわり溶けて旨味で満たしてくれます。
わざわざ稚内までいかなくても…、そうお思いかもしれませんが、これは別格です。三色丼になっていても、ウニが重なるように盛られているので、たっぷり食べた感があります。
ホタテやいくらもウニに負けず劣らず良い味です。クラシック一杯では当然足りるわけもなく、二杯目もおかわり。このあとの予定がなければ、隣の主のように国稀にしたいところです。
樺太食堂からノシャップ岬は徒歩数分。天気が良ければ利尻島やサハリンも肉眼で確認できます。
宗谷湾の対岸、宗谷岬が最北の半島ですが、ノシャップ岬もほぼ最北の場所。そんなノシャップでサッポロビール片手に、美味しいウニに舌鼓を打つ旅はいかがでしょう。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
樺太食堂
0162-24-3451
北海道稚内市ノシャップ2-2-6
8:00~(冬季休みあり・2018年は営業終了・2019年は4月下旬より・要確認)
予算2,000円