1989年竣工、北海道を代表するビール会社サッポロビールの道内唯一の現役工場「サッポロビール北海道工場」。恵庭岳を源流とした豊富な水資源と広大な農産環境に囲まれた環境は北海道大地の恵みそのものです。
開拓以前から野生のホップが自生していた北海道はビールに必要な原料の名産地でもあり、道内で生産されたホップはサッポロビールが全量買取をしています。この道内のホップ等でつくる道内限定ビール「サッポロクラシック」はこの工場のみで醸造されています。
最寄り駅はJR千歳線の「サッポロビール庭園」。全国のJR駅において唯一駅名に企業名がついています。工場建設を喜んだ地元・恵庭の人の想い、北海道全体の「サッポロ」愛を感じます。
空の玄関口・新千歳空港駅と札幌駅の間にあり、普通列車に乗れば簡単アクセス。ビール工場が駅前にあるので全国のビール工場の中でもずば抜けてアクセスがいい。
雪深い北海道、駅前が工場とはいえ広大な敷地で雪道を歩くのは必須。このあとビールを飲みすぎないようにご用心。
しばらく工場の敷地を歩くとみえてくる、今回の目的地「サッポロビール庭園 ヴァルハラ」。工場内のレストランで運営はサッポロビールグループの株式会社サッポロライオンです。
工場見学ツアーが開催されており、その前後の食事場所としての利用のほか、地元恵庭や札幌の人たちが工場ゼロメートルの出来たて生ビールを求めて飲みに来るお店です。
開放的なつくりで、ビール工場というよりはリゾートホテルのレストランといった雰囲気。広い雰囲気で気持ちもゆったり。でもビールが待ち遠しい。
飲みたい気持ちが溢れんばかり。北海道は外は寒くとも屋内はポカポカ。生ビールは年中飲むものです。サッポロクラシックの大ジョッキ(990円)で乾杯です。
クラシックは米などの副原料を使わない麦芽100%の飲みごたえあるビール。それでいて高温短時間仕込製法で飲み心地のいいスッキリさを併せ持っています。
何人かでビール宴会に来たならば食べ放題3,200円~のコースに飲み放題1,200円をプラスして予算超えを気にせず楽しみたい。ですが、一人・二人でそこまではいいかな…という場合は単品注文でも十二分に楽しめます。
食べ放題までがっつりはちょっと…という方向けの盛り合わせもあります。
次はサッポロ黒ラベルを銀座ライオンでもおなじみの”金口”の愛称で呼ばれる小グラスで。
サッポロビールファンの噂に、「北海道工場と千葉工場の黒ラベルで味が違う」というものを聞いたことがありますが、筆者はその背景を知らずに飲めばどちらも同じで、甲乙なく美味しいです。味にブレを作らないのが醸造技術者の腕の見せ所ですから。
ただし、恵庭岳と広がる石狩平野の眺めと空気、そして北海道工場の中で飲んでいるという状況の中では、いま手元にあるこの生が極上です。
今回は定番の手もみジンギスカン(野菜付・240gは1,700円、200gは1,550円)をとってスタートです。まずはジンギスカン鍋に油を載せて…
野菜を周囲にぐるりと敷いていきます。中央の膨らんだ部分がラムのスペース。
ここでは生ラムと手もみの味付けラムの2種類を置いています。一言でジンギスカンと言っても生、味付け、ロール肉とバラエティがあり、北海道でも地方によって家庭の味が異なります。
鉄板が熱くなりきっていないうちに載せるとくっついてしまうので慎重に。熱したところでラムを敷いていきます。
この香りと右手に生ビールのジョッキがある幸せ。窓の外は雪の積もった北海道の大地。うんちく不要の贅沢です。
ラムの肉汁を野菜がすって両方ともとっても美味しく仕上がりました。最近美味しいラムとビールの組み合わせ、楽しみましたか。
ちょっとしたおつまみも揃っているので、昼食後に立ち寄った場合でも軽くビヤホール感覚でも利用が可能です。
醸造タンクから抽出され樽に詰められて敷地から出ることなく運ばれたビール樽。1日3.0度の環境で寝かせて注がれた生ビールには格別の美味しさがあります。
年間約40,000人もの観光客が訪れるサッポロビール庭園。皆さんもタイミングをみつけて気軽な気持ちで千歳線を途中下車されてみてはいかがでしょうか。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ Special Thanks/株式会社サッポロライオン・サッポログループ)
サッポロビール庭園 ヴァルハラ
0123-33-1740
北海道恵庭市戸磯542-1
11:00~21:0(11月~4月は11:00~19:00・年末年始休み)
予算3,000円