野方の駅前商店街「野方ヤッホーロード」は昭和で時が止まったとようなアーケード。よくぞ残してくれましたというレトロな眺めは野方の街に奥行を感じさせます。「ヤッホー」は野方を音読みしての言い方です。
人気もつ焼き店や古くからの割烹と、もともと飲み屋が多かった野方ですが、昨今飲みの街としての魅力が加速中。個人店だけでなくチェーン立ち飲みの出店が続いています。
みつぼしは昨年末、もう仕事納めも終わった頃にオープンした野方の新店です。オーナーはもともと神田小川町の人気立ち飲み店「じろ銀」の店主。中野区出身でいつかは地元で店を構えるのが夢だったと話します。
じろ銀は現在ご友人が引き継ぎ、野方のみつぼしは地元の仲間といっしょに奮闘中。ビールがキリン、料理のメニューなどにも共通点がありますが、よりパワーアップしています。
まずは中野に本社を構えるビール会社、キリンの一番搾りで乾杯!うん、状態バッチリ。
一階は厨房にむいたL字のカウンターで8人程度が入れます。厚みと奥行きのあるカウンターは安定感があり、立ち飲みでもせわしなさを感じさせません。
二階は子育て家庭にもうれしい畳の小上がりやテーブル席が並ぶ落ち着いた空間です。一寸一杯引っ掛けるカウンターからテーブルまで様々な用途に対応しています。
黒板メニューから今日のおすすめ。和食立ち飲みがテーマで、刺身とおでんが看板料理です。
お通しなしでおでんは100円から。一人鍋が500円から楽しめるのも一人暮らしや一人酒には嬉しい。
酎ハイは300円から、生ビールは480円と、標準的な飲んで食べてで2,000円程度でしょう。
サワー類の種類の多さにも注目です。ドリ場(お酒を注ぐコーナー)は2階にあり、バーテンダーの経験を持つ店主のご友人がお酒を担当。数あるメニューの中にひとつだけ赤丸がつけられた「みつぼしレモンサワー」はそんな彼の自信作。
日替わりの刺盛りは500円~ととってもリーズナブル。筆者は飲み屋巡りの日々のためスーパーでお刺身をほとんど買いませんが、こういう価格でボリュームある刺身に慣れていると小売価格の高さに驚いてしまいます。
フライヤー、グリラー、おでん鍋が並ぶ厨房。店主がテキパキと注文に応えていきます。おでん鍋は最新型で老舗専門店のそれと比べればビジュアル的にはさっぱりしていますが、出汁が上手で価格とのバランスも納得の内容です。
背高の大根は丁寧に包丁がはいり、中まで味は均等に”しみしみ”しています。
豆乳ハイとおでん、合うと思うのですがどうでしょう。和食処なので抹茶ハイはなにとも良く合います。
こちらがオススメの「みつぼしレモンサワー」。シャリシャリとした氷に果実感のある濁りエキス。レシピはヒミツとのこと。ちょっと甘めなのですが、店主は甘いお酒はあまり得意ではないそうで、それでもこれはクイクイと飲めると太鼓判でした。
じろ銀譲りの看板メニュー「鶏のたたきネキボンズ」やちょいと〆に食べるのに嬉しい自家製コロッケも気になるところ。
お近くならば一度は立ち寄って飲んで食べてみてはいかがでしょう。中野育ちの地元愛が溢れた雰囲気に癒やされます。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
和食居酒屋みつぼし
東京都中野区野方5-23-7 永山ビルII-103
開業直後のため確認中