中野で飲むとき、皆さんは中央線の北と南、どちらに向かいますか?狸小路商店会、白線通り商店会、新仲見世商店街など飲み屋が密集している北口エリアははしご酒にはたまらないエリア。
変わって南側、駅からすぐの場所にあるレンガ坂の先は、大人な雰囲気で日常と非日常の混ざり合う不思議な空間が広がっています。昔はスナックばかりだったのですが、ここ数年で顔ぶれは大きく変わり、エッジのたった中野らしい飲食店が続々とオープンしています。
例えば、「国産ワイン」を「和食で」という切り口。とんがった業態ですが、こういうお店があったらいいのにな、と思っていた方も多いに違いありません。今回ご紹介するお店は「BANKAN」です。
昨今、メーカーや販売店も力を注いでいる国産ワイン。国産ワインは第6次ワインブームがおきた1998年に続く大きな山が来ており、その規模は10万KLを超えています。そもそもワイン全体のマーケットが広がっていて、海外のワインのほうが成長しているといえばそうなのですが、国産を飲む機会は確実に増えてきているわけです。
そんな国産ワインを楽しむお店としていま注目の一軒です。小料理屋のような空間で、L字のカウンターに数席と、二階はちょっとしたグループ飲みもできるような作り。コンパクトなお店なので店員さんとの距離も近く、ソムリエと話しながらワインの知識を深めていくことが可能。
そしてなにより驚くのはワインなのにフードは和食という組み合わせ。お通しもきんぴらごぼうと純和食。
まずはグラスのスパークリングで乾杯!居酒屋のような、ワインバルのようなこれまでにない組み合わせながら、これが実に居心地がいいです。
グラスで選べるので知識欲といいますか、これも味わってみたい、あれも飲んだことがない、とあれこれ考えながら飲めるので、スパークリングからロゼへと流れてみたり。
グラスで飲めるワインは常時10種類ほどと色々な味を楽しめるのは嬉しい。もちろんすべて国産です。乾杯のビールはキリンもありますが、地ビールだって入れ替わりで各地のものが入るので楽しい。
ワイン3種飲み比べ(1,200円)で国産ワインの基礎を少しずつ学ぶのも良さそうです。
と、言いながら、いっぱい飲みたい私たちはボトルで頼んでいます。メルシャンのアンサンブル萌黄を選びました。シャトー・メルシャン アンサンブルは福島、長野の両県のシャルドネを主体に、山梨の甲州等を加えた、まさに「調和」を求めたワイン。きっちりと整った酸味が清々しくまさに今の季節にピッタリの味。果実味の厚みがあり、比較的しっかりめの料理とも合わせやすいと思います。
さて、フードはチーズやステーキ、パスタ、ときにはパスタまであるので、完全に和食のみというわけではないのですが、今回は和との組み合わせを試していきたいと思います。旬野菜のお椀など、作りが丁寧で盛り付けも美しい。
春を感じるみょうがやオクラを使った天ぷら。軽くつまみながら国産の白を味をっていく。ほっとするなー。
いぶりがっこのチーズ載せ。「これを最初に考えた人は偉い」というフレーズを何度言ってきたことか。日本酒と合わせて飲んできましたが、逆にチーズよりからしてみればワインと合わせてつまむべきものですよね。コリコリとした食感に温度が少し上がってマイルドさとヴァニラのニュアンスがましてきた萌黄との愛称は抜群です。
カウンター中心のお店で女性のお一人様も多いそうです。国産ワインを店員さんとの距離が近いカウンターで飲めるお店、これまでなかった新しい価値がここにあります。普段の行動範囲内にこういうお店があるということを知っておくと、きっと役に立つはず。
路地裏で日本ワインを楽しみましょう!
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/キリンビールマーケティング株式会社)
バンカン
03-6454-1846
東京都中野区中野3-35-8
18:00~27:00(日定休)
予算2,600円