東京の郷土料理としてすっかり定番となった「もんじゃ焼き」ですが、私は実はあまり馴染みがありません。下町育ちの友達と学生の頃は初めて食べに行きましたが、不思議な食べ物だなとおもったのが最初の体験です。もんじゃ焼きのお店でわいわいと食事をしたことはありますが、あまり飲んだ記憶がありません。もともと駄菓子屋で生まれた食べ物ですし、飲みに合うものなのか。
そんなもんじゃ焼きで有名な街、「月島」へやってきました。今回のテーマは「もんじゃは摘みなのか」について考えていきたいと思います。
向かったお店は月島もんじゃの人気店で、二子玉川など月島の外にも支店を持つ「おしお」の本店です。
鉄板がセットされたテーブル席がずらり。雰囲気は街のお蕎麦屋さんのよう。雰囲気的には十分飲めます。さて、それではビールで始めましょうか。生ビール(サッポロ黒ラベル・620円)で乾杯!
うん、今日も変わらず美味しい。ちゃんと大きめ生中ジョッキです。店内に漂うソースの香り、さぁ、食べるぞ、そして飲むぞという気分が盛り上がってきました!
冷やしトマトを準備。鉄板系は途中でさっぱりしたくなりますから。
さて、飲み物メニューをみていきましょう。もんじゃ焼き屋は飲み屋として使えるのか。お酒の種類は実に豊富。ビールは生が黒ラベル、瓶にヱビスがあります。酎ハイは400円から。このあたりの価格設定は一般的な居酒屋と同じですね。
ラムハイも置いています。これは飲まなくては。
もんじゃは780円から。定番はやっぱり明太もちチーズですね。鉄板料理も揃っています。
ゲソとえのきバターと明太もちチーズをつまみに飲むことにしました。それにしてももんじゃはすごいボリューム!
バターを置いた上にゲソをのっけて軽くじゅーじゅーと炒めて。
えのき、ピーマンなどの野菜を合わせ軽く塩コショウで完成。手軽に作れるけれど自宅で食べるよりやっぱり飲み屋メニューです。ちょっぴり味を濃いめにしておけば、チューハイがぐいぐいと進みます。
もんじゃは店員さんが作っててくれます。生まれが江戸川区だというお姉さんですが、とても手際が良い。さすが、下町の人はもんじゃが焼けて当たり前?と聞くと、お店で働くようになってから修行したのだそう。ふむ。
月島もんじゃはソースなどをかけなくても、つゆに味がしっかりついているのが特長。このあたりは町屋など都電沿線のもんじゃとは違いますね。まずは土手となる具材を軽く炒めて水分を減らして。
山を崩しながら中央にカルデラのようにくぼみを作りながら流し込んでいきます。最初から大きな池を作るよりも、このほうが具材と生地が混ざって美味しいのだそう。
キャベツなどの具が大きめなので、引き伸ばしながら起金(ヘラ・コテ)でカンカンとリズムよく細かくしつつ広げていきます。これまで、お店の人に作ってもらったことがほとんどないのですが、技のオンパレードに手に持ったビールを飲むのも忘れてしまうほど。
はい、完成。引き伸ばして食べてもいいし、もちとろな食感の状態でもどうぞ、とのこと。小さなヘラで削るように食べてくもんじゃ。明太もちチーズで味付けのベースが醤油なのだから、これはお酒とケンカするはずがないです。
弱火にしておけば、焦げる心配もなく飲めますね。
ビールは最初だけ。あとはすっきり系の炭酸アルコールが良さそう。バカルディラムで作るラムハイボール「ラムハイ」でもんじゃ。なんだ、合うじゃない。カリブのお酒に下町のもんじゃ、不思議だけどラムハイがすっきりしていので、もんじゃのこってり味にちゃんとマッチしています。
ハイボールつながり、今度はウィスキーハイボール。ウィスキーは味の主張が酎ハイやラムハイと比較すると結構強いので、もんじゃではなくお好み焼き向けかな。
最後に男梅サワーを。甘酸っぱいチューハイの新定番。ノーベルの男梅という飴からはじまったチューハイですが、ほんとよく見かけますね。甘酸っぱい味が料理のあとの口のリセットとして最適です。
さて、二人でもんじゃ1つにゲソえのきバターをつまみにして、飲みを中心にしてみた今宵の飲み。摘みとしての「もんじゃ」は十分にありだと思います。食べることをメインにしていないので、二人でひとつくらいで十分かな。いつもの大衆酒場とは違った雰囲気で、鉄板を囲む一体感などもあり、これはれで楽しい。滅多にもんじゃは食べに行かない人も、軽くつまんであとは飲めばいいという使い方で試してみてはいかがでしょう。
さて、程よくお腹も落ち着いたことですし、次は大人の駄菓子屋へ梯子しましょう。
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/サッポロビール株式会社)
おしお 本店
03-3531-7423
東京都中央区月島3-17-10
12:00~23:00(無休)
予算2,800円