【建替え中】銀座『大衆割烹 三州屋 銀座一丁目支店』創業半世紀。安定の銀座の昼飲み処

【建替え中】銀座『大衆割烹 三州屋 銀座一丁目支店』創業半世紀。安定の銀座の昼飲み処

2021年12月4日

毎朝豊洲で仕入れる魚介類を、銀座では最もリーズナブルというる価格で食べさせてくれる大衆割烹三州屋銀座本店その支店をご紹介します。通年で刺身、鳥豆腐、フライが人気で、冬季のカキフライは銀座名物といっても過言ではありません。

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暖簾の向こう、昭和の銀座へタイムリープ

1968年創業、銀座二丁目・並木通り沿いに構える大衆割烹 三州屋 銀座本店。そこから徒歩1分ほどしか離れていない銀座一丁目・銀座レンガ通り沿いに、同店の唯一の支店である「大衆割烹 三州屋 銀座一丁目支店」があります。

今回は支店をご紹介します。本店と支店、数十メートルしか離れていない距離にあるのは不思議ですが、常連さんはそれぞれのお店についている印象です。本店は二階で宴会ができますし、並木通りから引っ込んだ隠れ家的な雰囲気が心地いい。対する支店は、銀座レンガ通り沿いで西陽を浴びる場所にあり、明るく朗らかな空気感が魅力です。

本店の記事はこちら

銀座「三州屋銀座店」 サッポロ・白鶴・並木通り・魚河岸、半世紀続く名酒場
銀座はサッポロビール創業の地のひとつ。ヱビスビールを生みだした日本麦酒は1887年、銀座に本社を構え、以来、銀座には平成に入るまでサッポロビール本社がありました…
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三州屋は蒲田からはじまり、暖簾分けで神田や日本橋などに店を増やしていきました。銀座の三州屋は神田三州屋からの暖簾分けで昭和43年に開業しました。

オフィス街の京橋や丸の内で働くビジネスパーソンに長く親しまてきたほか、アパレルや理美容関係者、バーテンダーなど、銀座らしい職業の人々の日々の食事処としても賑わっています。

三州屋銀座店の特長は、魚介類を楽しむレトロな大衆割烹ということ。そして、もうひとつがアイドルタイムがなく、昼から夜まで常に人々が出入りしていることでしょう。”九時五時”の仕事に限らない銀座という街ならではのムードがあります。

14時以降も定食は続き、老若男女が「銀座の食堂・酒場」を愛用している雰囲気がたまらなく心地よいのです。

無垢のテーブルはカウンターの多くに見られる伝統の内装。支店の開業もかなり古いですが、隅々まで手入れがされていてます。

乾杯はサッポロビール

銀座の街はサッポロビールのシェアが特筆できるほど高いです。

銀座は日本麦酒(ヱビスビール・現在のサッポロビール株式会社)創業の地であり、サッポロビール社は1994年まで一世紀近く銀座に本社を構えていました。その名残が7丁目の銀座ライオンビヤホールであり、5丁目の銀座プレイス(日産のイメージが強いですが、物件はサッポロ不動産)と、その地階にあるサッポロ生ビール黒ラベル THE BARなどです。

三州屋も創業時からサッポロビールを扱い続けるお店で、歴代のサッポロビール社の重鎮が通い続ける一軒。ここで飲む黒ラベルは少し特別な意味を感じるものです。それでは乾杯!

品書き

飲み物メニュー

三州屋の飲み物メニューには、三州屋の文字とともにサッポロの星が印刷されています。

瓶ビールはサッポロ黒ラベルなど(大瓶820円)、樽生ビールもサッポロ黒ラベル(昔ながらの中ジョッキ690円)など。酎ハイ類は男梅サワー(600円)など。

銀座のお酒メーカーはサッポロだけでなく、昭和通りと晴海通りの交差点に東京支社を構える「白鶴」も、古くから銀座の酒場で親しまれています。三州屋も多くの店が白鶴で、白鶴辛口一級酒(1合460円)など。

料理のメニュー

三州屋で揚げ物を出すのは、実は銀座店くらい。現存する店では銀座の2店舗のみ。他店は焼き魚や煮魚はあっても、フライはやっていません。

そして、銀座三州屋の人気料理も揚げ物です。大きく三枚にしたイワシフライアジフライエビフライもなかなか美味。盛り合わせ(1,000円)であれこれと食べてみるのも楽しいです。冬季(10月~4月初旬)にでてくるカキフライ(1,200円)は、銀座の名物料理のひとつとして紹介してもいいくらい評判。

とり豆腐(480円)やむつあら煮(990円)は、三州屋に共通(※六本木店など一部を除く)する人気料理です。

これに加え、短冊にて多数の刺身がレパートリーを広げます。平目刺身(1,450円)や〆あじ(750円)など。

定食メニュー

定食はランチタイムだけでなく、夜までずっと用意されています。遅めの昼食を兼ねたお酒を楽しむ人の姿をよく見かけます。

海鮮丼定食(1,400円)、刺身盛り合わせ定食(1,300円)、カキフライ定食(1,400円)など。

おすすめは、定食飲み

海鮮丼定食(1,400円)

筆者の銀座三州屋の使い分けは、お酒をしっかり飲むときには本店を選び、定食は一丁目の支店と、ぼんやりとではありますが用途をわけています。支店の明るさがその理由。

定食のイチオシは「海鮮丼定食」(1,400円)。一等地・銀座の食事とは思えない品数と小遣い価格のバランスの良さが魅力です。

内容は日々かわりますが、常にはいるまぐろは上物揃いです。50年以上市場に通い続けている「仕入れ力」を感じさせてくれる内容に、毎回大きくうなずくものです。

取材時はまぐろ中とろ、まぐろ中落ち、ひらめ、カツオ、イカ、ブリ、白魚という内容。これに赤味噌の味噌汁とお新香がつきます。

カキフライ(1,200円)

大ぶりでぷりっぷり。揚げ具合が絶妙なカキフライ。

こんな内容でビールやお酒を添えないのはもったいないですよね。

食事を兼ねて銀座で一杯楽しみたいときに、三州屋は間違いのない選択です。

ごちそうさま。

三州屋一覧

【一覧】80年続く都心の銘店『三州屋』暖簾分け全店紹介
背広姿の会社員が談笑しながら燗酒を注ぎあっている――、そんな姿が残る、いまや貴重になった大衆割烹。「店の人自ら市場に行き、それを修行した板前の確かな技で調理する…
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名大衆割烹 三州屋 銀座一丁目支店
住所東京都中央区銀座1-6-15
営業時間営業時間
[月~木]
11:00~22:00(L.O.21:00)
[金・土]
11:00~22:30(L.O.21:30)
定休日
日曜日
開業年1968年