中央線の中野から吉祥寺はどこの駅も同じに見える。私の知り合いはそういうのですが、荻窪出身の私としては、「いやいや全然違う!」と反論します。だって、中野は北口に巨大な飲み屋街を抱えているし、高円寺はサブカルの香り、荻窪は文化の香る飲み屋があんなに多いじゃない。その間にある阿佐ヶ谷だって地味じゃない。大衆的て人間味があふれていてぬくもりがある街です。
でも、どの街にも共通して言えるのは、酒場の数が多い!そしてはしご酒が街に当たり前のように根付いているということ。お酒好きの皆さま、中央線沿線は下町に負けず劣らず酒場の楽園ですよ!
さて、今日はそんな阿佐ヶ谷の一番街の奥にある広島お好み焼きのお店「タチマチ」をご紹介しましょう。
目印はオタフクソースの幟。いいソースの香りが店先に漂います。
カウンターと奥にテーブル、二階はお座敷になっていて10人くらいの宴会にも使えるつくり。
お店はご家族できりもりされていて、優しい女将さんと息子さんの息のあった接客で迎えてくれます。
ドリンク類はチュウハイ類が400円とお好み焼き屋としてはリーズナブル。ビールはアサヒとキリンもありますが、生はサッポロが入っています。
脚付きのぷっくりとしたグラスに注がれるビールは泡の作り方も完璧。女将さんが丁寧に泡を載せてくれるので入れるのに少し時間がかかりますが、手をかけて入れる生が飲めるならばむしろ歓迎。それでは乾杯!
深夜営業で始発までやっているお店なのでお好み焼きだけでなくお腹にたまらないおつまみも多い。じゃこと昆布のきゅうりなどを摘みながら鉄板料理が出来上がるのを楽しみに待ちましょう。
クレソンを使った鉄板料理は広島の定番料理。お好み焼き店だけでなく大衆酒場でも見かける人気料理です。
ここでももちろん置いています。しんなりしてるけど歯ごたえもあるクレソン、美味しいなー。
鉄板を眺めて飲めるカウンターでビール片手にのんびり過ごす。なんて心地よい時間なんでしょう。
餅チーズ明太はとろりと伸びる餅と明太のうま味のバランスが絶妙です。常連欄に教わったメニューですがなるほど人気なわけです。
それではお次の飲み物は…
やっぱりこれね!サッポロラガー。杉並区では古くから赤星を置く人気酒場が多く街に根づいた銘柄です。
飲んでいる向こうではリズミカルにヘラと鉄板を操るご主人の技がまるで舞台のように繰り広げられています。
人が働いているのを眺めながら飲むのが一番おいしい。そんなことを数日前の演芸場で噺家から聞いたばかりですがまさにその通り(笑)
さて、次はレモンサワーを。樽詰めの氷彩サワーがベースなのでほんのり甘め。でもしつこくないからスイスイと飲めます。
おまちどうさま、と登場お好み焼き。直径25センチ近くあるので半分に切り分けてもらいました。焼きそばの麺は細め、上から卵を伸ばしたもの、焼きそば、トッピング、キャベツ、生地という層。
キャベツやトッピングの味もそうですが、甘めのオタフクソースの味もお酒との相性がたまらなく抜群です。
焼きそばの麺は一般的な縮れ中華麺ではなく細くて食感を主張するタイプ。
広島といえばカープ!もみじ色のチュウハイも置いています。
地元のお客さんがほとんどで、皆さん幸せそうに飲んでいます。オープンから数年ですがすっかりこの街に根をはっています。
ご繁盛されているので数人で行くときは予約がいいかも?おすすめは一人でふらりと立ち寄ってカウンター飲むこと。
お好み焼きで飲むって個人店だとありそうで難しい。でもこんなお店を知っておけば迷うこともなくなりますよ!
素敵なお店ですので阿佐ヶ谷で粉物気分のときはこちらをどうぞ。
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
TachiMachi
03-3317-7756
東京都杉並区阿佐谷南2-21-15
19:00~4:00(土日は18時~・水定休)
予算2,200円