上野「多古久」 白穂乃香に褒紋正宗、こだわりのお酒と絶品おでん

上野「多古久」 白穂乃香に褒紋正宗、こだわりのお酒と絶品おでん

2015年12月7日

DSC01300

湯島駅と上野駅の間に伸びる商店街。怪しいネオンと客引きがあって慣れない人にはちょっぴり勇気のいる路地かもしれません。でも普通に飲み歩くだけならば全然大丈夫。素敵な酒場が点在していて、ぜひとも散策して見てほしい一帯です。ここは昔は池之端花街でして、江戸時代のころから水っぽい街でした。歴史ある街にはよい酒場があるものです。

たとえばここ、明治37年から続く老舗おでん飲み屋「多古久」です。いまは四代目が店の味を守っています。多くの文人墨客に愛されているお店ですが、近くに鈴本演芸場があることもあり噺家もよくいらっしゃるそうです。古今亭志ん生師匠が通い続けたことでも有名です。

さて、今日はそんな池之端の銘店「多古久」をご紹介します。

 

DSC01294

ちょっと敷居の高そうな引き戸をそっと開けてのれんの下に顔を入れて、「空いています?」と聞くのがいつもの入り方。L字カウンターだけのお店で席数は20と控えめ。ですので大人数ではなく一人・二人で飲みに行くのがいいですね。

やっぱりこういう場所ですし、大人のデートで利用するのがしっくりくるかな。もちろん一人でしっぽり飲むのもしっくりくるお店です。くつくつと煮こまれているおでんを眺めてぬる燗をすするのが心安らぐ瞬間です。

ドリンクは種類は多くありませんがご主人のこだわりの銘柄だけを揃えています。生ビールも定番のものではなく贅沢な限定銘柄「白穂乃香」です。「無濾過のビールなんだよ、サッポロさんが作っているんだ、美味しいから飲んでみて!」と笑顔で話すご主人。

それでは、乾杯です。上品な旨味とクリーミーな泡、やっぱり白穂乃香は素晴らしい。

 

DSC01295

お通しの小さなきぬかつぎをつまみにビールが最高に美味しい。

DSC01298

長年使い続けているおでん鍋は時代を感じさせないほど鏡のようにピカピカに磨き上げられています。そこには名物のがんもや二日間煮続ける大根など常連に愛され続ける名物だねがいっぱい。いまはコンビニでもレトルトでも手に入るおでん。日常食だからこそ拘りたい、職人技が光る逸品です。

 

DSC01297

おでんは個別の土鍋に取り分けていただきます。東京の食文化の中心地、やはり東京のおでんにはハンペン・ちくわぶは外せないでしょう。東京を代表するおでんの老舗、もちろんおでん汁は醤油の多い東京風。琥珀色に染まったちくわぶがお酒とよく合います。練り辛子はかなり辛くてほんのちょっとつけるだけで大丈夫。

 

DSC01299

あぁ、日本酒が飲みたい。ここの定番酒の褒紋正宗。日本唯一の神宮様御料酒(伊勢神宮)です。明治10年の内国勧業博覧会にて出品された辰馬悦蔵商店(現在の白鷹)のお酒が花紋賞受賞を受賞し、その時に褒賞と書かれたことから褒紋正宗の名がつけられました。現在も超一流料亭を中心にほんの僅かな料飲店と宮内庁でにしか納品されていなく、製造元の白鷹からの直はもちろん、酒屋流通からも購入することのできない、日本一の幻のお酒です。

そんな褒紋正宗が飲めるお店は私も5軒しか知りません。大塚のあの銘店と築地のあの寿司屋と…。

味はここで書くのは恥ずかしいので割愛。まずは飲んでみてください。ぬる燗でゆっくり味わうことをオススメします。

 

DSC01296

東京の料飲店の歴史がここに凝縮されているように思います。いくつになっても、ちょっぴり背伸びして立ち寄りたい。おだやかな空間で東京の味を楽しみましょう。騒がしい上野仲町通りにありますが、ここには昔ながらのおでん屋の穏やかな時間が流れています。あこがれの世界がここに。

ごちそうさま。

 

スポンサーリンク

この記事はあなたのお役に立てましたか?

この記事が少しでもあなたのお役に立てましたら、
ブログランキングへ応援ボタンからの投票を1日一回いただけると嬉しいです。

にほんブログ村 酒ブログ 東京飲み歩きへ

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

多古久
03-3831-5088
東京都台東区上野2-11-8 長谷川ビル 1F
18:00~24:00(月定休)
予算3,000円