世の中には探せば探すほど、不思議な飲み屋に出会います。こんなお店あり!?という瞬間が好きで、なによりそういうお店は大概飲んでいて実に気分がいいものです。
今回は焼肉屋の店頭で飲むという、今までありそうで無かったスタイルのお店「大将」を紹介します。駐車場の上には藤棚のごとくキウイが生い茂り、その下には軽い雨がしのげるだけのテントがあり、そこでは日々明るい時間から宴が行われているとのこと。
気になる、気になる、すっごいそこで飲んでみたい!ということで、早速突撃取材をしてきました。アポなしでも取材を快諾していただきました。だからといって書くわけではないのですが、こちらのお店の方は皆さんとっても優しい。
プレハブのやきとりコーナーはテイクアウト用に設置したそうですが、ちょっとした椅子を置いていたらここで飲みたいという要望がでてきたのだそう。焼肉屋なので当然ドリンクメニューもあるというわけで、そうして誕生したのがこの青空やきとりだそう。
明るい時間、まだ世間一般はお酒とは無縁の時間。なのにこのお店はひたすらやきとりを焼いています。しかもプレハブだけでは焼きが間に合わずに追加で焼き鳥台まで持ちだして二人体制で狼煙をあげています。
焼肉屋でやきとりという組み合わせも不思議ですが、やはり焼き肉のお店だけあって炭火で焼いています。串は1本から頼めて120円~。ずらりと並ぶ鶏手羽はみるからに美味しそう。こういうのを業界では「シズル感の演出」って言うのですが、やはりやきとりはこのライブ感ですよね!
こんなに焼いて売れ残らないの!?と心配しましたが、それが見ていると次々テイクアウトで買っていく人がいるんです。地元ではちょっとした有名店みたいで、界隈に住んでいる奥様方が夕食の一品として途切れることなく買っていきます。
さて、みんながテイクアウトだとさすがに昼酒は後ろめたい気分になるのですが、飲んでいる人もちらほら。これは快晴の下で最高の時間が過ごせそう。やっぱりやきとりにはビールでしょう!
グラスも回路もキレイで温度も適切な冷え方になった一番搾りが登場。思わず「ふへへ」とへんな笑い声を漏らしてしまいましたが、では乾杯!
つくねは「軟骨入り」と「ナンコツなし普通」の二種類が選べるという豊富な品ぞろえ。カワ、砂肝、ぼんじり、手羽、好物がこうして目の前に並ぶと今日もダイエットはお預けになってしまいます。仕方がない…。
焼肉屋の直営というか、厨房は繋がっていますので店内の小鉢系のおつまみも食べることが出来ます。自家製のカクテキをおつまみにしながら、心地良い青空昼酒のひととき。はぁー、こりゃたまらん(笑)
冷えたビール、焼きたての串、なにげに主張の強いキムチ。キムチを屋外で食べる経験はこれが初めてかも。
お店の近くは東京メトロ東西線の高架があり、時々電車が駆け抜けていきます。やっぱり飲み屋のBGMは電車の音が落ち着きます。
カップルや女性だけのグループ、子連れでお散歩がてら飲みに来るお父さんなど、サク飲みで立ち寄る人が多くてびっくり。いやー、まさか西葛西にこんな素敵な昼酒文化があったなんて。
またこよう!ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
大将
03-3688-8066
東京都江戸川区西葛西3-14-1
14:00~21:00もしくは串がなくなるまで(原則月定休・荒天休業)
予算1,300円