【閉業】草津温泉「龍燕」 温泉街の町中華で卓越したキリン生ビールを味わう

【閉業】草津温泉「龍燕」 温泉街の町中華で卓越したキリン生ビールを味わう

2019年8月31日

ある日、まる一日予定がなかったので「草津にビールを飲みに行ってくる」と言って家を出て、上野駅へ。そのまま特急列車とバスを乗り継いで、お昼ごろに名湯・草津温泉に着きました。

日帰り入浴ができる旅館や温泉施設も多く、日帰り入浴で手軽に草津の湯を楽しむことができるのですが、そちらは今日の目的ではありません。

なぜ草津までビールを飲みに来たかといいますと、温泉街の町中華「龍燕」で最高に美味しいドラフトビールを飲むため。本当にそれだけ。(ちょっと角打ちに寄ったり、帰りに高崎で飲んだりしますが。)

実は「龍燕」は、キリンビール本社で「ここのビールは絶対飲んでみるべき!」と情報を頂いたことがあり、長年行きたかったお店なんです。

どんなお店かは、後ほどご紹介するとしまして、いつものように旅を絡めたレポートにお付き合いください。

草津へは、東京駅八重洲口JR高速バスターミナルや新宿駅バスタからJR高速バス「ゆめぐり号」が結んでいるのですが、バスではあまりお酒が進みません。ということで、今回も列車旅。昔からの草津アクセスルートであるJR草津線を走り、上野から長野原草津口駅をつなぐ特急草津号に乗車。吾妻川を眺めながら、缶チューハイでほろ酔いです。

終点の長野原草津口駅。草津温泉への鉄道の玄関口で、ここから山へ登っていく連絡バスに乗り換えます。お客さんの9割以上が皆さん草津温泉を目指すので、駅は乗り換え客でこのときだけは賑やかになります。

駅ホームからバス乗り場までフラットで移動できます。列車の到着に合わせて多数のバスが待ち構えていて、全員がスムーズに乗り継いでいきます。

草津温泉駅バスターミナルへは約30分。あっという間に温泉街に到着です。立派な建物がバス乗り場で、売店や食堂も完備されています。温泉街にも酒販店はありますから、お酒の調達はこの後も心配なし。

日本三名湯のひとつ草津温泉(群馬)。有馬温泉(兵庫)下呂温泉(岐阜)と並ぶ世界的にも知られた温泉街です。湯畑を中心とした温泉街の眺めは、何度見てもワクワクします。

さあ、おまたせしました。「龍燕」はこの湯畑に面したお店です。お店はどこだろう…と迷うことはなく、こんなに開けた場所にあるの!?と、びっくりするくらい。

といっても、お店は2階建ての建物の二階にあり、人通りの多い遊歩道に面した一階は温泉たまごと漬物のお店です。

「龍燕」へは脇にある階段から建物に入ります。飲食店の店頭でよくみかけるビール銘柄の立て看板ですが、よく見ると普段見かけない特別仕様。自慢の一杯、楽しみです。

畳敷きの広間に、湯畑を見渡す絶景が楽しめる空間。ビールが目的ですが、もうこの空間で中華料理というだけでも楽しくなってきます。

キリンビール主催、うまい生ビールアワードの受賞POPが毎年分飾られ、ほかにもキリングッズがいっぱい。

「我々は仕事柄、色々な場所で生ビールをよく飲みますが、龍燕さんの生ビールはめったに飲めない美味しさです。百点満点です。保証します。キリンビール(株)群馬支社

キリンの”中の人”からの熱いメッセージ入りの品書き。

歴代のキリンビールの社長の色紙もたくさん飾られています。「草津温泉でスペシャルなビール」という不思議体験を前にますます気分が盛り上がります。

営業時間はお昼と夜の二部制。お昼ビールを楽しむならば、13時頃までに来店されるのが良さそうです。

おまたせしました。さぁ、キリンビールが太鼓判を押す生ビール。早速頂いてみましょう。

まずビールの銘柄ですが、定番のピルスナーは一番搾りプレミアム。東北産第一等品ホップを使用したハイクラスの一番搾りで、取り扱い店は制限されています。しかも、ビールを飲む人が多い店舗であっても、樽は最小の7Lを使い、すぐに使い切るというこだわり。樽ごとディスペンサーで冷やす「樽冷」方式です。

注ぎ方は大きく括るとすれば2度注ぎ。まずはジョッキを少し方向け底と縁に当てるようにして、泡を多めに注いでいきます。

泡をジョッキの半分くらいまで作り上げたら、今度は液を泡の下に潜り込ますようにそっと入れていきます。

最初の泡の粗い部分が消え、泡下にある小さな気泡がじわじわと泡を持ち上げていきます。二回目に入れた液はほとんど空気に触れていない状態でジョッキ内に収められており、泡が蓋をした状態です。ここで少し辛抱するのが味のポイントなんだそうです。

2度目で液と泡の比率が3:7にするように、液をすっとたし、泡をスフレのように持ち上げたら完成です。

キリンビール主催の美味しい生ビールを注ぐための講習「ドラフトマスターズスクール」でも紹介される大木さん。取材でなくとも、居合わせた皆さんがビールに夢中です。

それでは、乾杯!

「私も仕事柄、いろいろな場所で生ビールを…」って、私も言いたくなります(笑)

やや、これは本当に素晴らしい。一番搾りプレミアムの美味しさをさらに引き出しているように感じる絶妙なバランス。みずみずしいという表現は液体であるビールには間違えていると思いますが、例えそうであっても「みずみずしい美味しさ」と言いたい、そんなビールです。

マイルドですっきり、余韻の麦の香りが心地良い一杯です。

おつまみも食べずにあっという間に飲み干してしまい、もう一杯一番搾りプレミアムを。ビールは、一番搾り黒生も用意されていて、ハーフ&ハーフも可能です。(650円均一)

瓶ビールは中瓶のキリンクラッシックラガー。

ハーフアンドハーフも注ぎ方は基本的にはいっしょ。ホワイトトップですが、なにやら泡に絵がみえます。

素敵な遊び心です。

その味は、もちろん大変美味。黒の比率は控えめです。大木さんが注ぐと、ハーフアンドハーフもまた格別の味わいです。

ビールのお話が続きましたが、ここは中華料理店。ビールに力を注いでいるわけではありません。草津で暮らし働く人々にも大変評判の良い中華のお店であり、本格的な四川料理が楽しめます。

ビールのおつまみには、餃子やしゅうまい、春巻きが人気です。

「龍燕」ファンに人気の一品、これは食べておくべきとこれまた太鼓判を頂いたのが「おかげしゅうまい」(600円)。おかげさまで人気ということから、おかげしゅうまいなのだそう。

箸をあてると、力を入れずにすっと切れるふわっとしたしゅうまい。豚ひき肉と大きめにカットされた玉ねぎだけを餡にしたシンプルな一品。肉の旨味が広がり、独特なやや甘さ感じる味付けも効いていて、1皿4個を独り占めしたくなる美味しさです。

〆の一杯に一番搾り黒生こと、スタウトを。注ぎ方はこちらはまた一番搾りプレミアムとは異なっていて、黒ビールの風味をぎゅっと閉じ込めているような注ぎ方。飲んだ瞬間に広がるロースト麦芽の香りがたまりません。

「龍燕」生ビールこだわり12か条。温度を季節に寄って変えたり、ジョッキは2度洗い。あとは気合と波動も大切です。ビールってシチュエーションや注ぎ手の方の雰囲気でも違って思えるものですから。

飲酒後の入浴はキケンです。酔いをさますために温泉街を少しお散歩しましょうか。

草津温泉には、わざわざ飲みに行っても価値を十分に感じる素晴らしいビールが確かにありました。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

龍燕
0279-88-3777
群馬県吾妻郡草津町116-2 2階
11:30~14:30・17:00~21:30(水定休※ただし正月・GW・8月は営業)
予算2,800円