水戸街道の宿場町として栄えた松戸は、歴史を背景にしつつ常磐線沿線の宅地化とともに大規模な繁華街が形成されました。『関やど』は、そんな松戸で最古の歴史を持つ飲食店。木造建物の店構えに老舗の風格を感じます。今回は、松戸を代表する蕎麦の名店で、伝統的な小海老のかき揚げを肴に菊正宗樽酒を満喫しました。
水戸街道の宿場町で愛され続ける風格漂う古民家蕎麦屋

徳川昭武が晩年を過ごした戸定邸など、江戸の情緒を色濃く残す松戸。そんな松戸には、江戸蕎麦の風情を楽しめる蕎麦の名店があります。
江戸時代から流山で蕎麦屋を営んでいた『関宿屋』が、明治元年頃に松戸に移転。これが現在の『関やど』に繋がります。一時はすしや穴子料理店も営業していました。

神田のやぶそばを思わせるような、風格のある木造建築が目を引く外観。中庭を眺めながら飲める落ち着いた雰囲気は、松戸の繁華街にいることを忘れさせてくれます。
お客さんも通い慣れた方が多く、近隣で働く会社員の仕事帰りの一杯や、家族でのちょっとした会食まで幅広く利用されています。歴史の重みを感じる空間でありながら、値段は良心的。誰もが気軽に蕎麦屋飲みを楽しめる使いやすさが嬉しいです。
菊正宗の樽酒と江戸の粋を伝える小海老のかき揚げ

席に着き、まずは灘の酒「菊正宗」の純米樽酒(770円)を注文しました。

樽の香りがふわりと漂う冷酒に、お通しとして添えられた蕎麦味噌を少しずつ舐めながら合わせます。このコクのあるかえしを煮詰めたような味噌が秀逸で、天ぷらが揚がるまでの蕎麦前を盛り上げてくれる。キクマサ、もう一本もらおうかな。

メインに選んだのは「天せいろ(1,705円)」。ここで提供されるのは、小海老がごろごろと入ったかき揚げです。

一世紀ほど前まで、蕎麦屋では江戸前で獲れた芝海老のかき揚げを合わせる形が一般的でした。

時代とともに車海老など大ぶりの海老を使った天ぷらへ変化していきましたが、古い歴史を持つ蕎麦屋では現在も伝統的な小海老のかき揚げを守る店が多く存在します。

ここ『関やど』もさすが松戸最古の蕎麦屋、しっかり小海老のかき揚げです。

サクサクの衣に包まれたプリプリの海老の甘みが口いっぱいに広がる仕上がり。

少し天ぷらつまみに菊正宗を楽しみ、最後は〆にお蕎麦を。鰹節が効いた黒くて辛いつゆが素敵です。

風味豊かで喉越しの良い蕎麦を、天ぷらの旨味が溶け出したつゆにサッとくぐらせてすすれば、店の雰囲気もあっと心の底からホッとします。

蕎麦前を嗜む大人の贅沢な時間
創業から150年以上、松戸の街の移り変わりを見守りながら伝統の味を守り続けている老舗です。受け継がれてきた趣深い建物の中で、歴史的背景を感じさせる小海老のかき揚げを味わう体験は、江戸時代にタイムスリップした気分になります。いろんな地酒を扱う蕎麦屋さんで飲むのもよいですが、私は菊正宗と蕎麦味噌で十分すぎるほど楽しめました。
店舗詳細




| 店名 | 関やど |
| 住所 | 千葉県松戸市本町7−2 |
| 営業時間 | 11時30分~14時30分 16時30分~19時00分 月定休 |
| 創業 | 1868年頃 松戸に移転 |
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