JR立川駅近く、柳通りに店を構える『弁慶』は、昭和31年頃から続く老舗の大衆居酒屋。店の雰囲気は昭和そのもの。驚くのは店の大きさ、総座席数100席を誇る大空間が広がっています。焼鳥が看板メニューですが、地元のノンベエの間では、〆のカレーライスが美味しいと評判。しかも黒ホッピーに合うということで、早速取材してきました。
立川の歴史を色濃く残す、100席の大空間がもたらす安心感

立川駅周辺は最新の商業施設が立ち並びますが、路地へ入ると赤提灯が揺れる酒場街が広がっています。戦後の米軍基地やヤミ市、そして場外馬券発売所の存在が、昼間から杯を交わす独自の歓楽街文化をこの街に根付かせました。
北口から徒歩数分の場所にある『弁慶』は、店主さんのお話によると1956年(昭和31年)頃の創業。昭和の頃は店の向かいに国鉄の現業機関があり、大動脈を支える鉄道マンたちが通い詰めたようです。

高度経済成長期から立川の変遷を見守ってきた、昭和のタイムカプセル。

店内もまったく内装をいじっていないのでは?と思えるほどレトロなままなんです。壁には短冊メニューやレトロなポスターが貼られ、使い込まれた椅子やテーブルが長年愛されてきた月日を物語っています。

入ってすぐの場所には立派なコの字カウンターが鎮座。その奥にずらっとテーブルが並ぶ。100席もある大箱ですから、事前の予定なしでもふらりと立ち寄れるのが大きな魅力です。
仕事帰りの一人飲みから週末の登山帰りのハイカーまで、老若男女問わず多様な人々が思い思いの時間を過ごしています。
昭和の酒場メニューと、名物カレーに黒ホッピーを合わせる

席に着き、まずは「緑茶ハイ(400円)」で喉を潤します。老舗酒場で見かける色の濃い”玉露”的なお茶ですね!大きめのジョッキになみなみと注がれた一杯が嬉しい。

メニュー表にはお刺身から焼き物、揚げ物まで居酒屋の定番がずらり100種類近く並びます。

壁の短冊から選んだ「きぬかつぎ(300円)」は、ねっとりとした食感と素朴な風味。酒場ではこういうのが丁度いい!



香ばしく焼き上げられた銀杏の串焼きや、衣がサクサクの「蓮根はさみ揚げ(450円)」をつまむと、お酒のピッチが自然と上がっていきます。それにしても、現在の物価でこの価格は素直に言って安いですよね。


途中で「赤玉パンチ(470円)」や「角ハイボール(550円)」を挟みつつ、メインの品へ。

本日の主役は、実はおつまみではなく、〆なんです。

「カレーライス(550円)」と「黒ホッピー(490円)」の組み合わせが相性抜群なのだと、常連さんに聞いてからずっと食べてみたかったのです。
豚肉や野菜の甘みが溶け込んだとろみのある色の濃いカレーは、立派な酒の肴。ごはん抜きで注文してもいいくらい。家庭の味とも、洋食店の味とも違う、酒場のカレーの味でした。

マイルドなコクの奥からスパイスの刺激が追いかけてきたところに、すかさず黒ホッピーを流し込みます。
カレーの油分が炭酸とアルコールで洗い流され、口の中が爽快に。カレーの旨味と黒ホッピーの甘みが混ざるとどうしてこんなに美味しく感じるのか。スプーンとジョッキを交互に運ぶ手が自然と進みます。
いつ訪れても変わらない、立川の大衆酒場
目まぐるしく街並みが変化する立川にあって、昔ながらの空気を保ち続ける『弁慶』。広いフロアと使い込まれたカウンター席が醸し出す包容力は、言葉にできない心地よさがあります。流行りの店にはない、だらりと過ごせるこのムードがいいんです。昭和の大箱酒場ってみんなこんな感じでしたよね。
誰の目も気にせず、自分のペースでゆったりとグラスを傾けられる心強い一軒です。
店舗詳細





| 店名 | 弁慶本店 |
| 住所 | 東京都立川市曙町2丁目14−32 |
| 営業時間 | 11時30分~14時00分 16時30分~23時00分 |
| 創業 | おそらく1956年 |
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