日本一の歓楽街、新宿歌舞伎町。ネオンが瞬くこの街のまん真ん中で、1956年の創業から70年にわたり街の移ろいを見守り続けるのが『つるかめ食堂』です。入り口の力強い暖簾をくぐれば、そこは誰もが安心して食事ができる穏やかな空間。今回は、ネオン街で働く人々の胃袋を支え続けてきた名物食堂の人気メニューをご紹介します。
ネオン街の良心、70年変わらぬ温もり
新宿駅東口から歩いて数分、歌舞伎町の中心地に店を構える『つるかめ食堂』。
戦後の焼け野原から復興し、コマ劇場開業と同じとき、1956年に産声を上げました。思い出横丁にあった同名の食堂とは先代同士が兄弟だったという関係です。
周囲の景色が近代的な高層ビルや観光スポット、そしてギラついた夜の街へ変貌を遂げる中、ここだけは昔ながらの商店街にあるような温かな空気を保ち続けています。
店内は、月に向かって羽ばたく鶴と亀が描かれた暖簾の印象そのままに、清潔感あふれる落ち着いた空間。
歴史を刻んだ黒い品書きの札と、建て替え以前から使われているどっしりとした一枚板のテーブルが、地に足のつかない心をすっと鎮めてくれます。客層は幅広く、出勤前の水商売の方から、スーツ姿の会社員、黒帯のノンベエ、そして外国人観光客まで、多種多様な人が集まります。
全28席のテーブル席は完全禁煙で、各種クレジットカードや最新のQRコード決済にも対応。昭和の風情を残しつつ、現代のニーズに合わせてしなやかに進化している点も、長く愛される理由の一つ。夜10時過ぎまで営業しており、お通しやチャージ料もかかりません。
自分のペースでふらりと立ち寄り、0次会もよし、本格的な食堂飲みもよし、〆のごはんを食べるもよし。使い勝手がとてもいい。
赤星で喉を潤し、名物カツカレーで締める
席に着き、まずはサッポロラガービールの中瓶(750円)をお願いしました。昨今のブームよりずっと前から変わらず赤星を出し続けてきたお店です。それでは乾杯。
豊富な定食や一品料理から、最初の肴に選んだのは天ぷら。ここの揚げ物は何を食べてもハズレなし。
キス天(600円)は、サクッとした軽快な衣に包まれた白身がふっくらとしており、ビールのピッチを自然と早めます。続いて日本酒(550円)に切り替え、麻婆茄子(650円)を追加。素揚げされたナスの甘みと、ピリッと刺激的なひき肉の餡が絡み合い、お酒との相性も抜群です。
程よく酔いが回ったところで、いよいよ名物のカツカレー(1,050円)を注文。
大きな平皿に盛られたその姿は圧巻です。カレーは昭和の食堂らしいどろっとしたものかと思いきや、実はサラサラ系。程よくスパイシーでサラッとした口当たり。
あえて薄めに叩かれた豚肉の衣は油キレが良く、サクサクの食感を保ちながらルーを適度に吸い込みます。
筋張ったお肉の噛み応えが咀嚼のリズムを生み、胃もたれとも無縁の軽やかさ。添えられた千切りキャベツにソースをかけ、ルーやカツと一緒に混ぜ合わせれば、酸味と清涼感が加わり最後まで、飽きずにスプーンが進みます。
ちなみに、ごはんを少なめにしておつまみ感覚で楽しむのが私の楽しみ方です。
胃袋と心を同時に満たす、ホッとする食堂
めまぐるしく変化する歌舞伎町にあって、昔と変わらない味と空間を守り続ける『つるかめ食堂』。
気取らない雰囲気の中、多彩なおかずをつまみに酒を飲み、滋味深いカレーで締める。そんな気ままな食堂飲みが叶う場所は、都会の真ん中では貴重な存在。
新宿という街はどうも落ち着かないと思っている方にこそ知って欲しいお店です。
| 店名 | つるかめ食堂 歌舞伎町店 |
| 住所 | 東京都新宿区歌舞伎町1丁目15−8 |
| 営業時間 | 11時30分~15時00分 17時00分~22時30分 水定休 |
| 創業 | 1956年 |
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