鳥越神社近くで大正12年(1923年)から続く老舗「中華楼 本店」。職人文化が息づく街で、一世紀にわたり地元に愛されてきた本格中華の店です。名物の「直火チャーシュー」や、ランチで人気の「あんかけ焼きそば」は、夜の一人飲みの肴や〆にもぴったり。隅々までこだわりが詰まった空間で、歴史に思いを馳せながら一杯を楽しんできました。
関東大震災の年に創業、浅草橋に根差す百年の歴史

JR浅草橋駅から数分、江戸通りから一本入った落ち着いた通り。大正12年、奇しくも関東大震災の年に「中華楼 本店」は産声を上げました。

創業者の教えから多店舗展開はせず、この場所でひたすらに料理の質を高めることに集中してきたのだそう。地元の人々からは「町中華」として愛されていますが、その歴史とこだわりを知れば、単なる町中華という言葉では片付けられない、特別な一軒であることがわかります。

店内は、私たちがイメージする「町中華」とは少し雰囲気が異なります。聞けば、平成元年に改築されたそうで、そのコンセプトは『西洋に憧れていた頃の上海』。横浜中華街の門なども手掛けた専門家による設計だというから驚きです。

さらに、中国の伝統的な考え方である「風水」も本格的に取り入れており、ただ豪華なだけでなく、訪れた人が心地よく過ごせる「気」の流れまで計算されているとのこと。深い歴史を感じさせながらも、清潔で洗練された空間は、一人飲みでもゆったりと落ち着けます。
瓶ビールと名物「直火チャーシュー」で始める

まずは、キリン一番搾りの瓶ビールをもらって、喉を潤します。

肴の一皿目は、名物の「直火チャーシュー」を。
運ばれてきたチャーシューは、美しく飴色に輝いています。これは、中華街で食べるような、適度に身が引き締まった本格的なタイプ。

氷温熟成の豚肉を、中国広東地方の伝統的な「チャーシュー窯」で直火焼きしているのだとか。手間がかかっています。噛むほどに凝縮された肉の旨味と独特の燻製香が口いっぱいに広がりビールを誘う味。
〆にも肴にもなる、具だくさんの「八宝炒麺(あんかけ焼きそば)」

中華楼は創業時から変わらない「シュウマイ」や「麻婆豆腐」も人気ですが、もうひとつの名物が「あんかけ焼きそば」です。お昼の人気メニューで、夜でももちろん注文可能です。

熱々の餡がたっぷりとかかった焼きそばは、一人で〆るには贅沢すぎるほどのボリューム。エビや豚肉、シャキシャキの野菜など、まさに「八宝」の名の通り具だくさん。

麺は、さっと油をくぐらせていて香ばしくお焦げの食感も楽しい。この香ばしい麺に、濃いめのとろりとした餡がよく絡みます。

炭水化物でありながら、これがまたお酒を進ませる味なのです。しっかりとした味付けなので、ビールのおかわりはもちろん、紹興酒に切り替えても受け止めてくれる強さがあります。
百年の歴史が息づく「気軽な本格派」
創業者の「震災で打ちひしがれた人々に活力を」という思いから生まれた「人にんにく火鍋」という滋養強壮の鍋が今もメニューにあるなど、店の歴史を随所に感じることができます。
地元の人に愛される日常の味でありながら、その裏には哲学と、高度な技術、そしてこだわり抜いた空間がある。東京で正統派の日本式中国料理の名店をお探しでしたら、ここで間違いなし!
店舗詳細


| 店名 | 中華楼 浅草橋本店 |
| 住所 | 東京都台東区浅草橋3丁目32−3 |
| 営業時間 | 11時20分~13時30分 17時30分~22時00分 日祝定休 |
| 創業 |
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