新小岩は名店がひしめくエリアですが、その中でも昭和34年(1959年)創業の『鳥益』は、地元で愛され続けるランドマーク的な大衆酒場です。看板料理は焼鳥ながら、刺身や一品料理も驚くほど充実。一人飲みから大宴会まで対応、客層も様々で世代を超えて人々が集う活気ある酒場をご紹介します。
地域に根差した昭和ムードを残す下町酒場

JR新小岩駅南口、ルミエール商店街から少し入った路地に『鳥益』はあります。昭和34年の創業以来、60年以上にわたり「安い!美味い!」をモットーに地域に愛されてきました。初代は集団就職で上京し焼鳥屋さんで修行したのちに独立されたそうです。
現在暖簾を守るのは二代目と三代目。公式ウェブサイトでも「神輿やお祭りの大好きな大衆焼き鳥居酒屋」と公言する通り、地域との結びつきが非常に強い、まさに”下町の酒場”です。
1階はカウンターとテーブル席が並ぶ昔ながらの酒場の風情。2階にはゆったりとした掘りごたつの座敷が広がり、グループでの宴会にも最適です。連日、地元の方々で早い時間から賑わい、活気に満ちています。
刺身は2代目、焼鳥は3代目。親子で厨房に立つ

まずはサッポロ生ビール黒ラベルで乾杯。中生ながら、どっしりと重たいサッポロワイドジョッキを使っているのが嬉しいです。

お通しとともに、早速刺身を。本日のおすすめメニューにあった長崎の鯵のたたき姿盛り(1100円)をお願いしました。この店の凄いところは、焼鳥屋でありながら刺身のレベルが非常に高いこと。姿盛りで登場した鯵は、輝きがあり鮮度の良さが伝わります。
ほかにも、おすすめメニューにはトビウオやカサゴ、メジナなど常時8種類近くの魚介類が並びます。焼鳥店のサイドメニューの域に収まらないパワフルな品揃えです。

定番のマグロ刺身(680円)も、すじのない綺麗な赤身で、期待を裏切りません。

続いてつくば鶏を使った焼き鳥を。焼鳥盛り合わせ(5本 780円)に加え、つくね(160円/本)と鳥ハラミ串(220円/本)を。

大ぶりな串は創業当時から変わらないボリュームだそうで、食べ応え抜群。60年以上継ぎ足されてきたという秘伝のタレが、香ばしさを引き立てます。

とくに鳥ハラミ串は歯ごたえ、旨味、脂ののり具合も素晴らしくリピートしたくなる串。

お酒は、お馴染みの白鶴 生貯蔵酒(400円)へ。すっきりとした飲み口と安定した美味しさが、こうした酒場の料理によく合います。

箸休めに自家製コロッケ(2個 430円)と、鶏そぼろが入った鳥益サラダ(680円)も。

自家製ドレッシングがさっぱりとして美味しい。

そして、名物の手羽っ唐(4本 480円)です。今回は「スパイシー」と、辛味噌がたっぷり塗られた「大辛」を。

名前の通り大辛はかなりの刺激ですが、これがビールや日本酒をぐいぐいと進ませます。外はカリッと、中はジューシー。まさに「やめられない、とまらない」味わいです。
100年続いてくれそうな、みんな大好き「いつもの酒場」
焼鳥から鮮魚、揚げ物に名物の手羽先まで、何を食べても美味しく、そして価格も手頃。
一人でカウンターで飲むもよし、2階の座敷で仲間とワイワイ楽しむもよし。新小岩で「今日は美味しいものを色々食べたい」と思ったとき、真っ先に候補に挙がる、頼れる一軒です。
世代交代が難しく老舗酒場が暖簾を畳むことが増えてきた昨今、情報発信も熱心なパワフルな三代目が店を継いだ同店は将来が楽しみです。
店舗詳細


| 店名 | 鳥益 | 
| 住所 | 東京都葛飾区新小岩1丁目34−6 | 
| 営業時間 | 平日 17時00分~22時00分 土日 16時00分~22時00分 月定休 | 
| 創業 | 1959年 | 
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