小田原『天史朗鮨』地鯵握りが絶品!朝どれ相模湾の幸が揃う地産地消寿司の名店

小田原『天史朗鮨』地鯵握りが絶品!朝どれ相模湾の幸が揃う地産地消寿司の名店

寿司が食べたい。それも、江戸前の仕事が施されたコハダや穴子ではなく、相模湾で揚がったばかりの地魚を。そう強く思ったとき、都心から向かうべきは豊洲でも下町でもなく、新宿からロマンスカーに乗った先、城下町・小田原かもしれません。今回は、わざわざ訪れる価値が十分にある、小田原の町寿司をご紹介します。

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地元に愛される、駅裏の名店へ

多くの観光客で賑わう小田原駅東口(小田原城側)とは対照的に、新幹線改札のある西口(北口)は落ち着いた空気が流れています。目指す『天史朗鮨(てんしろうずし)』は、そのロータリーから歩いてすぐの場所にあります。

L字のカウンター席が中心で、テーブル席もいくつか。お昼時ともなれば、観光客に加えて、明らかに地元の方とわかる常連さんで席は埋まります。「月イチで来ないと落ち着かなくてね」と話す常連さんも。深く地元に根付いているお店です。

その人気ぶりは、開店前から行列ができるほど。それでも、この店の寿司を目指して多くの人が集まってきます。

豊漁の神様と、まずは乾杯

樽生ヱビスビール:700円

席に着いて、まずは樽生のヱビスビールをお願いしました。

豊漁の神様でもある恵比寿様の名前を冠して一世紀以上の銘柄。これからいただく相模湾の幸への期待感を高めてくれます。

周りを見渡せば、お昼からビールや日本酒を片手にお寿司をつまむお客さんの姿が多く、酒場好きとしては実に嬉しい光景です。

それでは、乾杯!

カレイの塩煮

お酒は二杯目へ。神奈川の地酒『丹沢山』の純米をお燗で。ふくよかな旨みが体に染み渡ります。肴には、優しい塩加減で魚の味を引き出した「カレイの塩煮」を。

脂がのっていてとろりとした食感。旨味がぎゅっと詰まっています。骨からほろりと身が外れ、これだけでお酒がすすみます。

主役は「地魚にぎり」。相模湾の物語を味わう

地魚鮨:2,600円

いよいよ握りをお願いしましょう。注文するのは、ほとんどのお客さんが頼むという「地魚にぎり」です。

早川漁港をはじめ、地元の港で揚がった魚たちが主役。艶やかな赤酢のシャリが、魚の旨みをぐっと引き立てます。

この日の顔ぶれは、鰹、するめ烏賊、真鯛、真鯵、そして白鯛や知鯛(ちだい)といった、地魚ならではの種も並びます。どれも鮮度は抜群。

カツオといえば太平洋のイメージですが、相模湾でも水揚げはあります。脂がのっていてグッとくる美味しさ。

なにより鮮度抜群の地鯵が素晴らしい。輝いています。

箱根土産のひとつにもなっている小田原の鯵干物ですが、当然握りで食べても最高に美味しい。上物は豊洲に集まると聞きますが、朝どれの鯵をお昼から鮨で食べられるのは贅沢。地産地消の価値を改めて実感しました。

また、もちっとした食感と上品な甘みを持つ白鯛や知鯛は、相模湾の豊かさを実感させてくれる味わいです。繊細な風味を塩で引き立てていただきます。

ねっとりとした旨味が溶け広がるマグロ。

そして、この店の名物が「塩辛の細巻き」。 濃厚な自家製の塩辛が、赤酢のシャリと海苔に巻かれた、これれこそ”肴になる巻物”です。これをちびちびとつまめば、いくらでもお酒が進んでしまいます。

合わせるお酒は、同じ神奈川の地酒、川西屋酒造の『隆(りゅう)』を。キレのある辛口が、魚の脂や塩辛の風味をすっきりと流してくれます。地魚を地の酒でいただく。これ以上の贅沢はないでしょう。

あまりの心地よさに、鮪の漬けを追加で。ねっとりとした赤身に、煮きり醤油と唐辛子の風味が加わり、思わず顔がほころびます。セットで供される魚のアラ汁も、魚の出汁が凝縮された深い味わい。最後の一滴まで、海の恵みを堪能しました。

海を眺めて通過するだけではもったいない!

相模湾を望む御幸が浜。この海の幸を楽しもう!

創業から40年。街の食文化を支え続ける『天史朗鮨』。ここは単なる寿司屋ではなく、相模湾の物語を味わう場所です。 城下町であり宿場町であり、そしてなにより漁師町でもある小田原へ、小田急やJRの特急列車に乗って旅にでかけてみてはいかがでしょう。素通りするのはもったいないです。

店舗詳細

店名天史朗鮨
住所神奈川県小田原市城山1丁目6−80 小田原西口ビル
営業時間11時30分~14時30分
17時00分~21時00分
水曜日定休
創業1986年