桜木町「はなみち」 お酒好きがどっしり腰を据えて立ち飲む

桜木町「はなみち」 お酒好きがどっしり腰を据えて立ち飲む

2014年4月18日

DSC06854

ぴおシティは桜木町の駅に直結しているにもかかわらず、強烈な「昼酒オーラ」が漂う、一般人ならばあまり近づきたくないようなエリアが地下二階にあります。

桜木町が再開発されて明るく洗練された街のイメージに刷新されましたが、昔はここは港湾関係や競馬競輪、ドヤ街といった、コテコテの場所でもありました。いまもその空気がしっかり残っているのがここ、ぴおシティB2というわけ。

ごくごく一般的な人は男性でもあまり近づかない(用事がないという意味で)し、まして女性はここで食事をする人は珍しいです。治安が悪いということではなく、このあたりの常連さんがとにかく濃いので、自然と近づかなくなっています。

お手洗いもキレイだし、お店の方も優しいし、警備員も配置されていて、本当は女性一人で飲み歩いても全然平気な場所なのですが。

 

ここに、ジャンパー姿のおじさんたちに熱狂的に支持されているお店があります。ここ「はなみち」は、野毛で一番安い立ち飲み屋さん。

DSC06839

お、お姉さん久しぶりじゃない。今日は何軒目?
カウンターをひとりでまわしている大将に、軽く”いつもの”ご挨拶。

ここは昔は、キンパイという店名でしたが、いまは経営者が変わって「はなみち」となりました。内装や客層は全く変わっていなくて、料理のバリエーションも昔のままですが、常連さんたちは口をそろえて「今は本当に美味しくなった」と話します。

料理は200円~350円。お刺身もそれくらいの価格。ここの刺し身はこの手のお店では考えられない質の良いものがでてきます。とくに、「やわらかいタコ」と品書きに書かれているタコ刺しは定番。

DSC06844

お酒はここのアイドル的存在、日本酒自販機から100円玉二枚でコップ一杯でてきます。
こういう自販機があると遊びたくなるのが、酒飲みの性というもの。

中身が怪しい…なんて心配なし。二台設置されていて、白鹿と松竹梅の二種から選べます。

●豆知識:この自販機は、株式会社サンシンが作っています。

 

DSC06841

おつまみは、刺し身10種のほかに、天ぷらや定番居酒屋つまみがずらりと30種ほど。その日によって料理が変わります。

DSC06842

この品書きは、ここのお店が出来て以来ずっと貼られているもの。値段は幾度の消費税改定にもめげずに据え置きさ♪

あ、ウィスキーは値上がりしていますね。

DSC06843

大阪には結構こういう立ち飲み屋さんはありますが、首都圏では珍しくなってきていますね。
最近は立ち飲みブームが再び盛り上がってきて、若手が手がける新しいお店がありますが、立ち飲みというのはやはりこういう”いぶされた”感じや、「やれた感じ」があるほうが、居心地が良いです。

DSC06847

常連さんから、チーズのおすそ分けをもらって、お酒は瓶ビールに。サッポロ黒ラベルが嬉しいです。
あらためて、常連さんたちと乾杯。(時刻は正午です・笑)

DSC06849

はなみちの運営会社は、市場のまぐろ卸。だから、マグロがとにかく美味。
300円でこんないいもの食べていいの?
「この雰囲気でこんなにいいものを食べるなんて」と、毎度驚かせてくれます。マグロ以外にもお刺身が豊富なのも、市場の会社だから。

とくに、あったら必ず頼んだほうがいいものが、このねぎとろ。
ご存知の通り、巷のネギトロには偽物が多く出回っていますが、ここはホンモノ。脂ののった好き身の部分にネギを載せたもの。脂なんかで味をいじったりしていません。

ここにいるお父さんたちの多くは港湾や市場の労働者。だから、お魚のことはよくわかっています。競馬の話をしているときよりも、魚の話をしているほうが目が輝いているんです。

DSC06848

12時開店。開店と同時に夜勤明けのお父さんたちがどっと集まります。3時頃は博打を楽しむお父さん。18時頃になると、ホワイトカラーのお父さんでいっぱいになります。

女性の姿は滅多にありませんが、ご主人や常連のお客さんたちがしっかりしているので、こういう立ち飲みが好きならば一度は立ち寄ってみて欲しいです。男性は、勇気を持って飛び込んでみましょう。

きっと楽しいです♪

ごちそうさま。

 

 

(取材・文・撮影/なゆ)

 

はなみち
電話なし
神奈川県横浜市中区桜木町1-1 ぴおシティ B2F
12:00~20:30(土曜は19:30まで・日祝定休)
予算1,300円

大きな地図で見る