近年、中目黒や浅草などの観光地に、角打ちを併設した新しい酒屋さんの出店が続いています。今回は中目黒駅から徒歩5分、目黒川に近い立地に店を構えた『伊勢五本店中目黒店』をご紹介します。
300年続く下町の酒屋が、中目黒で挑戦

日暮里で創業し、現在は千駄木に本店を構える『伊勢五本店』は、1706年(宝永3年)から続く歴史ある酒販店です。日本酒の取り扱いに定評があり、遠方からわざわざ買いに来る日本酒ファンや飲食店関係者も多い。
下町の酒の名店として知られていましたが、2015年に中目黒に支店を開き、山の手エリアや東急沿線の人々にも地酒やニューワールドのワインなど、知る人ぞ知る名酒の販売をはじめました。

酒の取り扱い数は700品以上。温度管理がしっかりされており、店員さんの知識も豊富なので、安心してお酒が選べます。

なかなかおもしろい顔ぶれの焼酎コーナー。近年一般的になったクラフトビールを主力とせず、あくまで地酒とワインに重点をおいているようです。
明るく清潔、不慣れな人でも安心して使える角打ち

千駄木店にはなかった角打ちコーナーが店の奥に設けられています。白を基調とした明るい空間で、角打ちというよりはテイスティングルームという表現のほうが似合いそうです。角打ちに馴染みがない方にも、カフェ感覚で使える配慮が感じられました。

角打ちで扱うお酒は売り切り次第入れ替わる方式で、常時30品以上を用意しています。飲み比べセットもありますが、気になるお酒を一品ずつ選ぶような使い方がスタンダードのようです。60ml(1/3合)単位なので、ほろ酔い程度でいろいろ飲み比べが楽しめます。少量なのでその分価格も抑えられており、日本酒は400円、焼酎は30mlで300円からです。

ニュアンスを伝えると、店の人がいくつかプレゼンをしてくれます。一杯目は濁り生酒が飲みたかったので、乾坤一 純米 赤磐雄町をもらいました。角打ちで飲めるお酒はもちろん買って帰ることも可能。普段飲まないタイプのお酒と出会えるのも角打ちの楽しさのひとつです。

なにかおつまみを食べましょうか。一品注文制ではなく、お酒だけ楽しむことももちろんOK。ここは酒屋さんですから。

小腹が空いていたこともあり、生ハムクリームチーズを。濁り酒とあわせてみました。

二杯目は焼酎をいただきましょう。暖かい目黒川沿いを散策がてら訪ねたので、喉が渇いており爽快感のあるソーダ割りにしてもらいました。
銘柄は、珍しい新島の焼酎「嶋自慢 羽伏浦 麦」。海と砂浜をイメージさせるシンプルなラベルも素敵ですね。

三杯目は、タイプをがらりと変えて燗酒を希望。なんと、生酛純米2014醸造年度の大七を選ばれました。いま、熟成酒は日本酒のトレンドですから、私も勉強したい。

活性炭ろ過をせずに10年貯蔵した生酛。なんと力強い味でしょう。お燗にすると香ばしいニュアンスが引き立ち、独特な味わいに。酒屋さんらしい提案で、楽しい時間を過ごせました。
店舗詳細
店名 | 伊勢五本店 中目黒店 |
住所 | 東京都目黒区青葉台1-20-2 1F |
営業時間 | 営業時間:15:00 – 18:30 土・日は12:00 – 18:30 定休日:火・祝日 |
創業 | 1706年 ※中目黒店は2015年 |