長崎『バーウェイヴァリィ』旅先の梯子酒はオーセンティックバーで完成する（2024.08.01移転）

長崎の繁華街「思案橋」の南は、長崎きっての夜の街「船大工町」。長崎を代表するオーセンティックバーのひとつ『バーウェイバリィ』は、そんなネオン街に店を構えています。正統派のバーで本格的なカクテルを飲んで、長崎の夜を素敵な思い出にしましょう。

オーセンティックバーで綴じる長崎の夜

東西へ伸びる春雨通りを挟むように広がる長崎の繁華街。北側は市役所、めがね橋、和菓子店、百貨店などで「昼の街」を形成し、一方、春雨通りの南側には銅座、思案橋横丁、船大工町商店街などがあり、「夜の街」として徐々にディープになっていきます。

入江を埋め立てて作られた古い街なので、細い路地が入り組んでおり、その左右にはたくさんの飲食店やスナックが並んでいます。一見すると他の地方都市と似ている長崎ですが、路地を歩くと独特な異国情緒を感じることができるので不思議です。

船大工町商店街の老舗寿司店「天扇寿し」で寿司をつまみに日本酒を飲みつつ、大将に「バーに梯子しようと思うのですが、オススメはありますか？」と尋ねたところ、教えてくれたのが『バーウェイバリィ』です。

グーグルマップでお店の場所を調べると、すでに「行きたいリスト」に入っています。

「そうだ！ここはバーたか坂（銀座2丁目）で教わったお店だ！」（関連記事：銀座で昼飲み #15 バーたか坂）

ウェイバリィのマスター・小河原幸生さんは日本バーテンダー協会の会員で長崎支部長などを歴任された方。

20名ほど入る比較的大きなバーで、一人できた私は6席ほどのカウンターへ通されました。時刻は23時。だいぶ深い時間ですが、後ろのテーブル席では、長崎の離島から飲みに来ているというグループ数人が楽しく談笑されています。

バックバーに整然と並ぶ洋酒をみればわかる、豊富なカクテルのレパートリー。フレッシュフルーツのカクテルも準備されています。

いただいたカクテルは、サイドカー。非常にスマートな所作で丁寧にシェイクした一杯。甘酸っぱい味が梯子酒の満腹感をすっと和らげてくれました。

二杯目はジンフィズを。マイルドな飲み心地、非常にバランスの良い一杯です。

グループのお客さんは帰られて、今は常連さんが一人そっと飲んでいるだけの静寂なひとときです。

マスターは20年近くバーを続けている方で、この街の飲食店事情にもとても詳しい方です。次回の参考に、居酒屋などの長崎の情報をいろいろ教えてくださりました。

街に根付く正統派のバーで飲むのはやはりいいものです。この街がもっと好きになる1時間でした。

（取材・文・撮影／塩見なゆ）