出雲市駅前にある、夜間のみ営業する町中華『餃子屋』。看板料理がそのまま店名となっています。比較的静かな駅前ですが、どこからともなくほろ酔いの人々が集まり、21時頃には満席になることもある人気店です。
交通会社と関係がある不思議な町中華
山陰を代表する観光都市・出雲市。出雲大社の参拝客を迎える街として栄えてきた歴史があります。駅前には規模はさほど大きくないものの繁華街があり、人通りは少なくとも店の中は地元の人や観光客で賑やかです。
さて、地方都市の飲み歩きで大切なのはなんでしょう。私は信頼できる二軒目の存在だと思います。出雲市で〆にも飲み直しにも使える店といえば『餃子屋』です。
ここ『餃子屋』は、地元の運輸系企業との関係がある店。都市部ではJR系列や私鉄系列の関連店がありますが、地方では珍しいです。また、地方都市ながら、なんと夜しか営業していません。
シンプルな店名といい、非常に謎めいたお店なのです。
同店は、近隣の交通系やオフィスに勤める人がやってくる集会場的な場所で、出雲市の歓楽街を飲み歩く地元の皆さんで満卓になることも当たり前の人気ぶり。
以前はプレハブの簡易的な屋台風の店で非常にディープな雰囲気でしたが、現在は入りやすいビルの路面店に生まれ変わっています。
ベテランの皆さんが切り盛りする厨房と、そこへ向いたカウンター。入り口近くはテーブル席が並ぶという典型的な食堂のつくり。
訪ねたときは残雪が残る頃でしたので、店の中央ではだるまストーブが活躍していました。ストーブの香りが優しく店を包みます。
品書き
- 生ビール アサヒスーパードライ:600円
- 瓶ビール アサヒスーパードライ中瓶・キリンクラシックラガー中瓶:600円
- 日本酒 旭日酒造(島根県出雲市)十旭日:500円
- 餃子6個:550円
- しそ餃子6個:600円
- 水餃子6個:650円
- 焼きそば:750円
- 焼きビーフン:1,000円
- チャーハン:750円
たぷたぷの手づつみ餃子で、出雲の夜はもっと楽しくなる
キリンラガービール(600円)
地方都市でお昼営業をしない中華店は珍しい。昼間は眠りにつく歓楽街の真ん中にある店ならではのスタンスです。その分、夜は飲み客相手にフルパワー。もちろん飲んでいいお店ですし、飲むお客さんがほとんどです。
ですから、まずはビールでスタート。嬉しい熱処理ビールのキリンクラシックラガーがありますので、まずはキリンで乾杯!
餃子6個(500円)
看板メニューというより、店名そのものの名物、焼き餃子。ここの餃子は「大都市の餃子専門店にも引けを取らない!」と出雲を訪れる出張者に評判の一品です。
タレはつけなくても美味しいですよ!と店員さん。とりあえず、お酢濃いめのタレを用意。
『餃子屋』の餃子は裏返すとその特徴がわかります。餡が透けるほどの薄皮に包まれており、ひだは非常に細く、どちらかといえば近年の大陸寄りのスタイルではないでしょうか。
持ち上げると、ずっしりと重い。傾けると重心が移ることからわかるように、中は小籠包のようにスープがたぷたぷに入っているのです。皮が薄いためか包みおきには向いていないようで、営業中も包みながら焼いています。
餡は甘く、皮はツルツル。中身をみるために割りましたが、これは火傷に注意しつつ一口で頬張り、口の中で弾ける肉の旨さを楽しむのが一番でしょう。キリンクラシックラガーとの相性については言うまでもありません。
チャーハン(750円)
常連さんが瓶ビール、餃子、そしてチャーハンをまるでルーチンのように注文している様子を見て、食べたい欲求に理性が負けて注文してしまいました。
しっかり濃い味でややしっとり。山陰特有の甘い醤油のせいか、甘味があってコク深い味です。
コロコロとしっかり入る焼豚の味の濃さもあってビールや日本酒を進ませます。
ごちそうさま
残したら持ち帰ることもできるそうなので、次回も締めに訪ねたいと思える一軒でした。
駅前にあり、宿泊場所へも帰りやすい便利な場所です。山陰の味の楽しんだあとは、町中華という選択、十分に「あり」ではないでしょうか。
近くの酒場
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | ギョーザ屋(フラワー餃子) |
住所 | 島根県出雲市今市1268-6 |
営業時間 | 営業時間 17:00~23:00※混み具合で早く閉める可能性もあります。 定休日 日曜日 |