有楽町・日比谷駅周辺は、日本で最もビヤホールが密集するエリア。仕事やショッピングのあとにビヤホールでくつろぐというのは、実に成熟された大人の街らしいです。そんな有楽町の街とともに85年の歴史を歩んできた『ニユートーキヨー』。スイングカランから注ぐ伝統のニユートーキヨー注ぎのサッポロ生ビール黒ラベルは絶品です。
目次
地下鉄直結!ゆったり飲める地階のビヤホール
銀座・数寄屋橋交差点の近くで1937年(昭和12年)に開業したニユートーキヨー。長年、数寄屋橋のビヤホールとして親しまれ、夏季になると屋上で開催されたビヤガーデンも有楽町・銀座の夏の風物詩となっていました。一棟すべてがビヤホール系の飲食ビルだった数寄屋橋本店ですが、建物の老朽化等から移転することになり、2015年、有楽町電気ビルの地階へと旗艦店は移りました。
その後、数寄屋橋で本店が復活しましたが、電気ビル店も引き続き営業中。ニユートーキヨーは数寄屋橋と電気ビルの2店舗が本店的な位置づけとなっています。
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外観
今回は東京メトロ日比谷駅に直結した有楽町電気ビル内の『ニユートーキヨー有楽町電気ビル店』にやってきました。JR有楽町駅からも徒歩1分の立地にあり、アクセスは抜群。それでいて、路面店のような騒がしい雰囲気はなく、ゆったりと寛ぐことができます。
しかも営業時間は平日が11:00~22:00と長く、午後の適当な時間に訪ねてもビヤホール品質のビールが楽しめます。丸の内仲通りや家電量販店でのショッピングの合間や、観劇前の待ち合わせにも使える大変便利なビヤホールです。
内観
かつてのニユートーキヨー数寄屋橋本店を彷彿とさせるアーチ状の赤レンガが印象的。ダークブラウンの内装と暖色照明で統一された暖かみのある空間です。席数は合計90席あり、繁忙期の週末でもなければふらりと立ち寄れる大箱ならではの余裕もポイント。
ビヤホールは文字通りビールの専門店です。ですので、樽生ビールの提供方法にも各店こだわりを持っています。ニユートーキヨーは、伝統的な「ニユートーキヨー式」という注ぎ方があり、それを実現するために同店もかつての本店同様に旧式の注ぎ口であるスイングカランを使用しています。
※スイングカランとは、一般的なビールサーバーのタップのように手前方向にコックを引くものではなく、横方向にハンドルを回すヘッドのこと。
品書き
お酒
ビールは、サッポロ生ビール黒ラベル:550円~、ヱビスプレミアムブラック:660円~、ハーフ&ハーフ(黒ラベル&プレミアムブラック):660円~、サッポロラガービール大瓶:715円など。
ニユートーキヨー限定のビールもあります。毎年変わりますが、今年はプレミアムヴァイツェン:600円~でした。※限定品
日本酒は菊正宗 生酛本醸造上撰300ml:880円。昔からニユートーキヨーの定番酒は菊正宗で、ビヤホールであっても日本酒を目当てに飲みに来る常連さんもいました。
料理
ニユートーキヨー電気ビル店は、ビールと肉料理のペアリングがテーマです。そのため肉料理がとても充実しています。
グリルミート盛り合わせ:1,098円、黒豚の手打ちかみかつ:858円、牛カルビのじゅうじゅう焼き:748円、カリーヴルスト:715円、おつまみスペアリブ:935円、ビール通の特製ザワークラウト:438円など。
ニユートーキヨーのビールは優しくてみずみずしい
サッポロ生ビール黒ラベル グラス(550円)
それでは、伝統のニユートーキヨー式の注ぎ方をみてみましょう。カランを最大まで開放し、一気にグラスを満たしていきます。その時間、わずか3秒ほど。居酒屋の生ビールサーバーよりもはるかに流速が速いことがおわかり頂けるのではないでしょうか。
グラスとカランの先端位置を調整しグラスの底からビールの渦を作るように狙います。一度、ニユートーキヨーのスイングカランで生ビールを注ぐ体験をさせてもらったことがありますが、一瞬でグラスが満たされてしまうため、泡と液の比率を調整するのは素人には至難の業でした。
注ぎ始めにできた粗い泡がこぼれ落ちる程度でグラスを外し、あとは液が上がってくるのを数秒見守ります。流速が早いので、大人数での乾杯でも待たされません。これがニユートーキヨーのこだわり。
あら不思議。豪快に注いだビールがみるみるうちに7:3の比率に整い、きめ細かな泡が液をふたしています。液から泡が上がり続けていますので、下から押し上げられるように泡が持ち上がり上面がこんもりとしてきます。ここをビールナイフでさっと切り落として完成です。
長年デザインを変えていない、ニユートーキヨーのオリジナルグラスに注がれたサッポロ生ビール黒ラベル。実に美しいです。それでは乾杯!
ニユートーキヨーは、黒ラベルを提供する数々のビヤホールの中でも、とくにガスが優しくてみずみずしく感じます。自宅や居酒屋で黒ラベルを愛飲している人も、ニユートーキヨーで飲むと違うビールに感じるかもしれません。
お通しは、ニユートーキヨーの定番「ゆで落花生」。ホクホクな食感と心地よい塩味が、1杯目のビールを心地よく進ませます。
サッポロ生ビール黒ラベル シュタインジョッキ(748円)
陶器でできたシュタインジョッキもニュートーキョーらしい提供スタイル。どっしりとしていて飲み心地抜群です。グラスよりも、よりマイルドな印象になります。
薬味が効いた揚げ茄子マリネ(438円)
ビール専門業態で85年。料理もすべてビールとの相性を考えたもの。なすのマリネは今の季節にぴったり。
肉料理
かみかつ、ウインナー、唐揚げなどニユートーキヨーおなじみの肉料理たち。銀座・有楽町界隈のビヤホールの中でも、とくに肉料理の品揃えが充実しています。
ディナー利用でしっかり飲んで食べても良いですし、軽く1杯だけの利用もOK。ランチは1,000円でハンバークが食べられますし、それをつまみにビールなんていうのも良いですね。
有楽町で親しまれてきたビールを飲んでみませんか。
ごちそうさま。
※価格は取材時点のものです。取材日:2022年8月23日
(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/サッポロビール株式会社)