成増『やまだや』創業から約1世紀、成増最古の飲食店で焼き魚

成増『やまだや』創業から約1世紀、成増最古の飲食店で焼き魚

2021年6月14日

昭和元年創業。「やまだや」は4代目が中心となって暖簾を守る、旧外食券食堂のひとつ。老舗の食堂で、瓶ビール片手にお店自慢の魚料理をおつまみにして、癒やしのひとときはいかがでしょう。

昔ながらの商店街が広がる東武東上線・成増駅南口。居酒屋とは無縁に思える商店街ですが、実は飲み処は多数。街散策のあとは、気取らず庶民的な店に入り、ビールで喉を潤したいものです。

まずは、16時30分から夜営業の暖簾が掛かる「やまだや」へ。食堂なので当然ですが、酔客はお断りです。

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現存する成増最古の飲食店

店の周囲を全国チェーンの飲食店やドラッグストアなどか囲み、通りは色とりどりのライトが点滅しています。いぶし銀の店構えはむしろ惹かれるものがあります。

やまだや」は成増駅周辺で現存する最古の飲食店。正統派の食堂然たる姿は、好きな人にはたまらないオーラを漂わせています。

お昼は働く人々のチャージ場所として活気に満ちたお店は、夜になると「飲める食堂」の雰囲気に様変わりします。ベテランのお父さんがテレビをみながら定食にお銚子を1本つけて、自宅のダイニングのように過ごされています。

料理もお刺身や煮魚、焼き魚などおつまみメニューが充実し、飲みたくなる理由がよくわかります。今日の黒板メニューは、カマス銀ダラキンメアジフライすき焼き定食が880円というのはサービス価格でしょう。かつ煮が人気で定食は780円。それぞれ定食は主菜単品を注文でき、値段もその分安くなります。

3代目女将の案内で席へ。着席と同時にビールをお願いしました。

食堂には瓶ビールがよく似合います。アサヒスーパードライの大瓶を傾けビアタンを満たしたら、乾杯。

短冊の品書きで1杯飲める

壁に書かれた品書きは、いまのチェーン店世代には不便に感じられるのかもしれませんが、やはり味わいといえば、こちらが遥かにまさっています。

ビアタンを口へ運びつつ、視線はひたすら短冊を左右に舐めるように動かします。この瞬間が食堂飲みの醍醐味です。

生ビール(アサヒスーパードライ・500円)、瓶ビール(700円)、サワー類は梅やレモンなど、小350円。定番のお酒は八重寿(420円)で、そのほか初孫(440円)や司牡丹(800円)も置いてあります。

懐かしい、ほっとする味に癒やされる

ほうれん草胡麻和え

今日は煮魚にしよう。その前に、早く出るおつまみをいくつか…。

小皿は厨房前のガラスケースに入っている中から、自分で選ぶ方式です。肉豆腐(350円)、紅鮭(480円)、冷奴ひじききんぴら納豆など。小皿は200円ほどで、一人飲みのつまみには丁度いい内容です。

きんぴらごぼう

きんぴらも日本酒のおともにぴったりです。お酒好きが好む濃い味に仕上げられています。

銀ムツ西京焼き

今日の主役の登場、銀ムツの西京焼きです。香ばしい味噌のあまい香りに食欲がそそろられます。

箸の入りがよくふわっと焼き上がっています。銀ムツ特有の脂ののった身はとてもしっとりとしています。これは、冷酒をもらわないといけませんね!

あったかい雰囲気の店内は、幼少の頃から通ってきた場所に思えるほどほっとします。にぎやかな成増駅前にあるタイムカプセルのようなお店です。

落ち着いたら、食堂に浸って穏やかな晩酌はいかがですか。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名やまだや 定食の店
住所東京都板橋区成増2-19-3
営業時間営業時間
[月~金・日]
10:30~15:00
16:30~20:30(L.O.)
日曜営業
定休日
土曜日
開業年1926年