森下『楽楽』昭和5年創業。揚げワンタンを肴に、飲める老舗町中華。

森下『楽楽』昭和5年創業。揚げワンタンを肴に、飲める老舗町中華。

2020年12月20日

東京都江東区の森下には創業90年になる大衆中華があります。

4代目が暖簾を守る「楽楽」は、外観こそ、かつてどこの街にもあったような中華食堂ですが、その料理は長年守り続けてきた伝統の味。卵で炒めないチャーハンや、個性的な甘酢あんかけの揚げワンタンなど、また食べに行きたくなるものばかり。

かつて町工場が立ち並んだ森下は、仕事終わりの職人さんが飲みに行くような場所が多くあり、これが現在も住宅街の中にある大衆酒場となっています。「楽楽」もまた、夜は飲み屋利用の地元の人達が集まる中華店として親しまれています。

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駅から少し歩くけど歴史ある中華は素晴らしい

森下駅から徒歩5分ほど。赤いファサードが目印。

外観同様に、店内も「ザ・街の中華」という感じの内装です。赤いテーブルを囲む家族連れの姿が微笑ましいです。

昔ながらの丸テーブルも現役。店の奥には座敷があり、畳の上でくつろいで飲むことも可能です。

一人・二人で飲むとき、中華の料理はボリュームが多いのが難点ですが、こちらはおつまみ利用向けのミニサイズが豊富に用意されています。

赤いテーブルにラガーの大瓶が似合う

ビールは樽生(中500円)もあり、そちらはアサヒスーパードライ。瓶ではキリンのレギュラーラガーも選べます。しゅっとしたキリン型の大瓶633(650円)を、ビアタンに向けてトクトクと。

赤い中華テーブルには飴色の瓶ビールが似合います。それでは乾杯。

オクラとキムチの小鉢は注文した料理がでるまでの酒の友。

日本酒は伊丹の白雪紹興酒だけでなく、ホッピーセット(400円)もあり、「飲める中華」であることを感じさせます。酎ハイは360円と、中華店としてはリーズナブルです。

ミニサイズのおつまみは、220円から。チャーシューかに玉五目うま煮だってミニサイズあり。

餃子(440円)もありますが、品書きでみる点心のイチオシは「特製シューマイ」(440円)とあんかけ揚げワンタン(1,100円)。チャーハンは、「楽楽」の名を冠した五目チャーハンが人気です。

ワンタン料理だけでコーナーがありますが、やはりここに来たら長年受け継がれてきた特製のワンタンは食べておきたいものです。

ちょい飲み、センベロ的な利用ならば、セットがお得。ビール餃子シューマイがついて750円。

創業当初からの名物・揚げワンタン

まずは、名物の甘酢あんかけの揚げワンタン(ミニ800円)で、昭和中華にひたり、風情を味わいたい。

俵型にまるめられたひき肉からは、噛むとじゅっと濃厚な肉汁が広がります。サクっとしていてジューシー、甘酢で引き締まったその味はビールや酎ハイを誘います。

レモンハイ(380円)。ごろっとしたロック氷と厚切りレモンが嬉しいですね。

名物のシュウマイは大きく食べごたえ十分

名物のシューマイは、肉がみっちり。粗挽きで食感はころころとしたもの。旨味たっぷりなので、醤油をつけず辛子を軽くあわせる程度でも十分に美味しいです。

ウーロンハイ(360円)。サービスです、と出していただいたものは砂肝の和えもの。テレビをぼーっと眺めつつ、夕暮れの穏やかな時間を楽しみます。

錦糸卵を載せたチャーハン

〆はやっぱり楽楽五目チャーハンでしょう。卵と一緒に炒める一般的なチャーハンと違い、先にチャーシューや漬け込みのみじん切り野菜と一緒に醤油ベースのつゆと炒めた香ばしい焼き飯に、錦糸卵をちらしたスタイル。ごろごろのチャーシューやヱビに、〆ながらもう一本ビールを頼んでしまいそうです。

看板猫のマロンちゃんに出会えるかも

お店の看板にゃんこ、ちゃとらのマロンちゃんが、帰り際にやってきました。

家族経営のあったかいムードと看板猫が迎えてくれる「楽楽」。90年の味を肴に中華飲みをしませんか。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名楽楽
住所東京都江東区森下3-13-2
営業時間営業時間
「月、水、木、金、土、日」
11:00~14:00
17:30~22:00
定休日
火曜日、第1・3・5月曜は休み
開業年1930年