森下から徒歩5分。江東区常盤にある酒販店・田口屋は1887年(明治20年)創業の老舗です。立派な店構えで、日本酒や焼酎はもちろん、ワインの品揃えも豊富。界隈に暮らすお酒好きや飲食店に長く親しまれています。
田口屋では店先でお酒の一杯売りを楽しむ”角打ち”も行っていて、生ビールをはじめ様々なお酒が楽しめます。
場所は深川神明宮の近く。ここは深川発祥の神社と言われています。
夜の帳が下りるころ、飲食店が点在するこの界隈はぽつりぽつりと赤ちょうちんが灯ります。そんな中にある田口屋。飲み屋へ行く前に駆け付け一杯にぴったりです。
酒販店ですので、営業は午前中から。その時間からお酒を飲むことも可能です。
寒い季節は店内で飲むことになりますが、時期によっては店先の酒樽席に腰掛けてちょいと一献というのがたまりません。春、隅田川のそよ風に吹かれて飲みたい。
店内はにもテーブルと椅子があります。はしこ酒の合間だけでなく、江戸開拓の史跡を尋ねる歴史散歩の途中に寄るのもよいのでは。
業務用の配達が多い田口屋。飲食店向けの卸だからこそのチョイスで、生ビールは珍しいものを用意されています。
ビール樽そのものを冷やす樽冷ディスペンサー(写真左)からは、サッポロビール社のプレミアムビール「ヱビス マイスター」。タップマルシェ(写真右)からはキリン系クラフトのブルックリンラガーを。そしてもう一台のサーバーからは福生の石川酒造がつくる「TOKYO BLUES」が注がれます。
こだわりの3種類の生ビール。どれを飲もうか悩むところですが、今日の気分はヱビスマイスター。酒販店のベテラン店員さんが注ぐ抜群の生が嬉しいです。では乾杯。
生ビールは400円均一。プレミアムビールやクラフトビールは比較的高価ですが、ここでは酒屋の直売ならではの手頃な価格で楽しめます。
角打ち飲みの定番、、乾きものをおつまみにして、のんびり夕暮れの一杯を楽しみます。
昔ながらの酒屋の佇まいを残す店内。大手蔵の日本酒を中心に、堂々たる品揃え。今はなき「清酒多聞」の額に酒の店の歴史を感じます。
関東大震災と空襲、2度の被災から建て直しを行っているそうですが、随所に店の歴史が感じられます。酒造の歴史にふれる施設は多いですが、酒屋の歴史というのもまた素敵です。
さて、続いてはポルトガルのポートワイン。ビール以外も400円均一で、こんな特別な一杯も楽しませてくれます。クラフトジンも人気だそう。
下町の歴史ある酒販店・田口屋。近隣の酒場へ行く前の一杯や、銭湯帰りの潤いに、立ち寄られてみてはいかがでしょう。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
田口屋
03-3634-4711
東京都江東区常盤2-6-11
9:00~20:00(祝は13:00~・日定休)
予算1,200円