サッポロビール千葉工場の見学施設がリニューアルされました。今日(2018年6月20日)より新コースでの見学が可能になります。
新しくなったサッポロビール千葉工場の見学「新・黒ラベルツアー」の様子をひと足お先にご紹介します。
サッポロビール千葉工場は、日本麦酒創業時から一世紀にわたり稼働していたサッポロビール恵比寿工場を引き継ぐために新設された近代的なビール工場で、その生産量は同社のビール類のおよそ4割と多く、同社における主力の製造施設です。主力の黒ラベル、ヱビスの他、赤星ことサッポロラガーも千葉工場で生産されています。
広大な設備には100本ほどのヤシの木が植えられ、東京湾に面した海浜立地とあいまってリゾート感があります。
千葉工場へは津田沼、南船橋などから千葉ビール園行きの無料送迎バスが2路線、それぞれ1時間間隔で走っています。また、京葉線の新習志野駅からタクシーでも1,000円ほどなので、時間が合わない場合はタクシーという選択もあります。
千葉工場の見学コースは2011年の震災以降休止・縮小が行われていましたが、竣工30年の節目にあわせて完全復活。ツアーはクロークのあるマリンハウスから始まります。黒ラベルのロゴが迎えているように、見学は黒ラベルがメインになります。見学の申込み方法など詳細は公式サイトをご確認頂くとして、さっそく新しくなった黒ラベルツアーをみていきましょう。
黒ラベルのルーツ。サッポロビールに書かれた星は、どの星かご存知ですか?北を開拓する目印となる星、開拓のシンボルです。というお話。答えは工場でどうぞ。
この先、工場見学へと続く渡り廊下で、以前はこの先が閉鎖されていることもあり、リニューアルされた範囲です。
ビールの原料は、麦とホップ。サッポロビール独自の生産者との協業の仕組みや、ホップや麦芽そのものにふれるコーナーです。
さらに進むと、麦汁をつくる設備、ビールづくりの根幹ともいえる設備がみえてきます。麦や米をお粥状にして、ホップを混ぜてろ過をしていく話は、ビール工場見学のおなじみの内容です。千葉工場は、この設備が2ラインあるのが特長です。
それぞれの釜の働きはコミュニケーターのお姉さんが丁寧に教えてくれます。麦汁をつくり、ホップをいれてろ過する過程って、あまり知られていませんよね。
説明パネルもよりわかりやすくリニューアルされています。
提供品質にこだわるパーフェクト黒ラベルなど究極の生にこだわった取り組みを進めているサッポロビール。工場においても一日設備を停止して徹底的に清掃・洗浄を行う日があるという説明です。
洗浄後の管が見本として置かれています。鏡面仕上げのようにピカピカです。
仕事柄、多くのビール工場を取材していますが、サッポロビールが一番「瓶ビール」について、厚い内容で紹介されています。「缶も変わらず美味しいし手軽さが魅力、でも居酒屋などで飲む瓶はまた格別」と話す内容に、サッポロファンなら頷くこと間違いありません。
まるでアミューズメント施設のようになったフォトジェニックな見学コース。
パッケージングラインは写真撮影はできませんが、缶ビール、瓶ビールの箱詰めまでの様子を知ることができます。ほぼ全自動で動いているのでビール工場を初めて見学される方は驚くはず。
そして、新しいコーナーが登場しています。
サウンドギャラリーです。多数のスピーカーと画面により、千葉工場で醸造から出荷されるまでの様子をダイナミックに表現するコーナー。あぁ飲みたい、そう思わせる演出が詰め込まれています。ここを抜けると、いよいよお待ちかねの試飲へと続きます。
妻夫木くんのメッセージ入り。
これでひと通り見学コースを通り、スタート地点のマリンハウスへと戻ります。全長500mをこえる長い経路で、自然とビールが飲みたくなってきます。
マリンハウスには、黒ラベルツアーに参加されなくても美味しい生ビールを体験できるバーが用意されています。さらに、サッポロライオンが運営する千葉ビール園もありますので、ツアーに加わらなくとも千葉工場出来立ての生が楽しめます。
試飲コーナーもリニューアル。扇形をしたカウンターと、窓からの眺めには南極観測船「しらせ」。
ドラフトタワーから注がれるビールは、パーフェクト式の泡載せ生ビール。工場で貯蔵され出荷したてのフレッシュな生は、改めて説明する必要もなく美味しいです。
一人3杯まで。絹のようなクリーミーな泡が特長のパーフェクトな生。取材もそこそこに乾杯です。
缶ビールを家庭でも美味しく飲む方法として、三度注ぎを提案しているサッポロビール。参加者の中からコミュニケーターの説明を聞きつつ実際に体験することができます。注いだ生は、3杯ルールとは別にもう一杯楽しめます。
丁寧に注がれた一杯は格別の美味しさ。二杯目、三杯目と進みます。
飲む度に減った水面を記録していくレーシング。美味しい生ビールをビジュアルで知るポイントです。
試飲のあとは、サッポロ黒ラベルギャラリーを通り出口へと向かいます。このギャラリーはツアー参加者以外でも見学ができます。
サッポロビールの歴史、黒ラベルの話のほか、ナショナルビールの時代背景などもわかりやすくまとめられた内容です。
歴代の黒ラベルが展示されたゾーン。皆さんはどの時代まで覚えていますか。
一世代前は「サッポロ生ビール黒ラベル」という表記がありました。いまは「黒ラベル」です。
黒ラベルという名前の誕生話や初代の缶ビールデザインなど、人々の生活にあたりまえのように寄り添ってきたビールだからこその「懐かしさ」が感じられる内容です。
おみやげコーナー。ヱビスから赤星まで製造する千葉工場らしく、扱うお土産も様々。赤星のトートバッグは新商品です。
おそらく、都心にもっとも近い「黒ラベル」グラスやジョッキが売られている売店です。
併設された千葉ビール園では、ビールはもちろん食事も楽しめます。
千葉工場30周年記念の新料理などが加わりました。ジンギスカンを中心とした料理です。
飲食店で一般的に使われているビール樽よりもさらに大きい専用樽から注がれる生ビール。ここならば、試飲コーナーにないヱビスやエーデルピルスも味わえます。
東京湾に隣接した敷地らしく、船や港のような雰囲気があるビヤホールは開放感たっぷり。
グラスからジョッキままで様々なサイズが揃っていますが、おすすめはライオンオリジナルブーツグラスです。普段から飲んでいるナショナルビールがより特別に感じられます。上手に飲まないと、顔にビールがはねてくるかも!?
たっぷりビールを楽しんで(お酒は適量で。)、大満足。帰りもバスがあるので安心です。
新しくなったサッポロビール千葉工場「黒ラベルツアー」へ、この夏、美味しい生ビールを求めて立ち寄りになってみてはいかがでしょう。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/サッポロビール株式会社)